クローズアップNOW 揺れを感知し電気遮断「感震ブレーカー」
(公明新聞バックデーター 2026/01/18 3面) 大規模な地震の発生時に起こる火災の多くは電気に起因している。
首都直下地震など今後の大規模地震に備え、改めて関心が高まっているのが、地震時の揺れを感知し電気を遮断する「感震ブレーカー」だ。
設置が進むことで被害の大幅な軽減が見込まれるが、2025年に内閣府が行った世論調査では、感震ブレーカーを設置していると答えた人は6%にとどまっており、普及促進の加速化が求められている。
■「首都直下」想定、設置で被害が最大7割減
1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災では、出火原因が特定された火災の過半数が電気によるものだったとされる。また、24年1月の能登半島地震の際に石川県輪島市で発生した大規模火災も電気が原因の可能性が指摘された。
電気火災の原因としては、主に ▽ 地震の揺れで電気ストーブが転倒したり、ストーブに落ちた洗濯物から出火 ▽ 転倒した家具によって断線した電気コードがショートして出火 ▽ 水槽が転倒し、水槽用のヒーターが燃える物に接触して出火――などが挙げられる。
こうした電気火災を防ぐにはコンセントを抜いたり、避難時にブレーカーを落としたりすることが必要だ。しかし、大規模地震の発生時は緊迫した状況であり、ブレーカーを落とすことが難しい場合や、そもそも外出中で対応できないこともある。
そこで対策として有効なのが感震ブレーカーだ。重りの落下やばねの作動でブレーカーを落とす簡易タイプや、コンセントに差し込んだり埋め込んだりするタイプ、分電盤に工事で取り付けるタイプがある。設置費用は数千円から10万円近いものまでさまざま。
感震ブレーカーの有効性は、政府の中央防災会議が昨年12月に公表した首都直下地震の新たな被害想定を見れば明らかだ。
被害想定では最悪の場合、火災による焼失棟数は約26万8000棟、死者数は約1万2000人に上ると推計されているが、感震ブレーカーの設置率が100%となった場合、焼失棟数、死者数ともに約7割減らすことができると試算されている。
■ 普及促進の加速化が必要
高い効果が期待されているにもかかわらず、普及が課題となっている。政府は14年に首都直下地震対策として普及を推進する方針を示して取り組んできたが、24年度に内閣府が行った調査では、首都近郊の1都9県では設置率が約20%。25年の別の調査によれば全国の設置率は6%にとどまっている。
とはいえ設置を支援する自治体は少なくない。全国の多くの自治体で公明党の地方議員が設置支援を訴えてきたことが後押しとなり、設置・購入の助成を行う自治体は全国200の市区町村に広がっており、無償配布を行うところもある。
一方で、支援事業を実施していない自治体からは、その理由について、財政的な難しさのほか、感震ブレーカーの必要性が認知されていないといった声も上がっており、政府による支援が欠かせない。
総務省消防庁は25年度補正予算に普及のための予算を計上し、延焼の危険性が高い密集市街地がある一部の自治体に対して、機器の購入や取り付けの費用を支援する準備を進めている。
地域防災に詳しい日本大学の秦康範教授は、感震ブレーカーが広く普及していない原因について、感震ブレーカー自体の認知度が高いと言い切れない状況の中で、設置が個人任せになっていることだと指摘する。
今後の対策については「大規模地震が次にいつ起こるか分からない中で、普及のペースを上げるもっと強力な取り組みが政府には求められる」と話している。
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阪神・淡路大震災(1995年1月17日発生) 等は、近代都市を襲った大地震として「地震火災の恐ろしさ」を世の中に強く印象付けた災害だったと思います。31年の時をどう感じるのか。

