令和8年5月29日から気象警報などが大きく変わります(変わっています)
2日(火) 台風6号の影響から今日は一日、雨のようです。
ニュースでは土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒し、暴風に警戒が必要と報じています。
皆さま、お気をつけて。
(市ホームページより) 「新たな防災気象情報の運用開始」令和8年5月29日から気象警報などが大きく変わります。気象庁と国土交通省は、5月29日(金曜日)から、新たな防災気象情報の運用を開始します。
新たな防災気象情報では、河川氾濫・大雨・土砂災害・高潮の警報などを、避難行動に対応した5段階の警戒レベルと整合させ、災害発生の危険度に応じたレベルの数字を名称に含めて発表されます。レベル5に相当する河川氾濫の特別警報や警戒レベル4に相当する危険警報も新たに開始するなど、現行の大雨警報・注意報などが大きく変わります。
変更点
警報・注意報の名称に「レベル」が付記されます。
避難行動と直結するレベルが分かり、避難判断の目安が明確になります。
【変更例】「大雨警報」→「レベル3大雨警報」
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(公明新聞 2026/05/29 4面) 日本列島は本格的な出水期を迎える。
年々、風水害が激しさを増す中、局地的な豪雨をもたらす線状降水帯の「直前予測」の運用が28日から始まるなど、気象予測の精度向上が進んでいる。
一方で、天候そのものをコントロールして被害を未然に防ぐ「気象制御」という最先端の研究が本格化している。
豪雨対策の未来に迫るとともに、このプロジェクトをけん引する千葉大学環境リモートセンシング研究センターの小槻峻司教授(気象学)に、その仕組みや今後の課題などについて聞いた。
<解説>
■ ドライアイスを“雨の種”に
今年1月、富山県の沖合で気象制御の実地試験が始まった。小型プロペラ機で冬の日本海上空約3000メートルから粒状のドライアイス計約20~30キログラムを最長2時間、数回に分けて散布。すると、人工的にできたとみられる筋状に連なった雲の列が確認された。
空に雨の種となる氷の粒をまく「シーディング(種まき)」という手法だ。ドライアイスに水蒸気を吸着させて海上に雨や雪として落とし、陸地に流れ込む水蒸気量を減らすことを狙う。小槻教授率いる千葉大学や富山大学などの研究チームが取り組む“人工降雨”プロジェクトだ。
このプロジェクトは、国が挑戦的な研究を支援する「ムーンショット型研究開発制度」の開発目標の一つ。2050年までに激甚化する台風や豪雨を制御し、風水害の脅威から解放された社会の実現をめざす。現在、四つのプロジェクトが動いており、小槻教授らの研究チームは線状降水帯などの集中豪雨対策を担う。
■ 海で人工降雨、陸の被害防ぐ
シーディングは主に海外で、乾燥地帯の降水量を増やす渇水対策として行われている。1月の富山県沖の実地試験は、国のプロジェクトで実施される実験としては国内では15年ぶりの人工降雨実験で、豪雨被害を減らす目的で研究が進められているのは世界で初めて。今後は、ドライアイス以外の手段やドローンの活用なども模索しながら、まずは小規模な降水システムに対する気象制御をめざすという。
<インタビュー>
■ 千葉大学 小槻峻司教授に聞く
■ 水害から命守る最後の手段
――なぜ今、気象制御の研究が必要なのか。
国内での風水害の被害額は多い年で1兆円を超える。国家予算の規模を考えれば、看過できない巨額の損失だ。さらに気候変動の影響により、今世紀末にかけて大雨の頻度はさらに高まると予測されている。この深刻な課題を解決することが最大の狙いだ。
わが国はこれまで、ダムの建設や堤防のかさ上げといったハード対策を行ってきたが、国土開発という観点からは限界を迎えつつある。それでもなお被害額が増加している厳しい現実を前に、気象システムそのものに介入する気象制御は、未来の命を守る「最後の手段」であると考えている。
■「小さな介入」で雨量抑制へ
――気象を人間の手で操ることは可能なのか。
鍵を握るのは、大気が持つ「カオス性」という性質だ。「ごくわずかな初期の変化が、未来を大きく変える」という特徴を指す。
当然、人類が大気に対して投入できるエネルギーには限りがある。巨大な積乱雲や線状降水帯そのものを消滅させることは不可能だ。しかし、この大気のカオス性をうまく生かせば、人間による限られた小さな介入であっても、結果的に豪雨の勢力を弱めるような、十分な気象改変を起こせると考えている。
――具体的な手法は。
日本の豪雨は、海から大量の水蒸気が陸に流れ込んで大雨を降らせる構造を持つ。そこで有効な手法と考えているのが「シーディング」だ。シーディングにはいくつか手法があるが、代表的な手法としては、上空でドライアイスなどの粒子をまいて周囲の空気を急速に冷やして微細な氷の粒(核) を形成し、そこに周囲の水蒸気が付着して雲となり、雨や雪が降る仕組みだ。
私たちがめざすアプローチは二つある。一つは、海の上であらかじめ雨を降らせ、陸に流れ込む水蒸気の量そのものを減らす。もう一つは、陸上で発達しそうな積乱雲の降水域を広範囲に分散させ、雨の勢いを弱める方法だ。
今年1月の富山湾での実験は安全面に最大限配慮して実施し、大きな問題や想定外もなく終えることができた。これは、限定的ではあっても「確実に気象を改変できる可能性」を示す期待以上の進展であり、今後の研究に向けて非常に大きな手応えを感じている。
手法では「洋上ドーム」のアイデアもある。三角型の建造物を洋上に浮かべて風の流れを変え、海上で雨を降らせて陸での降水量を抑える仕組みだ。現在、東京ドームの開発を手掛けた企業などと検討を進めている。
■ 陰謀論や懸念、対応欠かせず
――ハード対策のあり方は変わるのか。
気象制御の技術が進歩してもハード対策が不要になるわけではない。「車の両輪」として組み合わせることが極めて重要だ。
気象制御は降雨量を確実に何ミリ減らすといった絶対的なコントロールは難しい。あくまで集中豪雨のリスクを数十%減らすような技術だ。一方で、ダムや堤防などのハードインフラは、放水量を精緻に制御するなど狙った効果をほぼ確実に発揮できる強みがある。気象制御によってあらかじめ上流の負荷を減らし、残りをハードで漏れなく受け止めるという融合こそが、これからの防災のあり方だ。
――実用化に向けた今後の課題は。
技術的なシステム構築はもちろん必要だが、倫理的・社会的な合意への配慮も欠かせない。特に留意すべきは、気象改変が陰謀論や誤情報の標的になりやすい点だ。近年も豪雨や地震発生時に、SNS上で「人為的な大雨」「人工地震」といったデマが広がった。科学的な因果関係はなくとも、人々の不安に丁寧に対応していく必要がある。
もう一つは、実験を行う地域への配慮だ。「地元の漁業や農業に影響が出るのではないか」といった懸念が生じないよう、行政や地域住民への説明を尽くさねばならない。また、線状降水帯の予測技術は気象制御の成功に直結するため、精度向上は引き続き重要だ。
この研究は、科学者や技術者だけで完結させるべきではない。市民にも観測に参加してもらうなど、社会全体で「未来の防災」をつくり上げていく新しい意思決定の好例にしたい。
こつき・しゅんじ 1986年、高知市生まれ。京都大学大学院修了後、理化学研究所研究員などを経て2022年より現職。博士(工学)。気象予報士の資格も持つ。
■ 線状降水帯「直前予測」運用スタート/発生2~3時間前に
列島各地で猛威を振るう線状降水帯。発生メカニズムの解明は道半ばで、正確な予測は困難とされてきたが、近年の技術革新により予測精度は段階的に向上している。気象庁が28日から運用を始めたのが、線状降水帯が発生する2~3時間前を目標に、発生の可能性が高まったことを知らせる「直前予測」だ。
直前予測は「○○県北部」といった「一次細分区域単位」と呼ばれる狭い範囲で発表される。同庁のホームページでは、大雨の恐れがある領域を地図上に示す「予測マップ」も提供。危機感をより具体的に伝えることで、住民の速やかな避難行動に結び付けることが期待される。

