“いじり” といじめの違い
ふざけ合いがエスカレート、傷つける言動や行動に発展
先日、人権問題を研究されている方とお話しをする貴重な機会がありました。高槻市は「人権擁護都市宣言」をしていることをご紹介。
「人間は生まれながらにして自由であり、人間として尊ばれ、 人間として生きていく権利を有しています。」
と同時に“人権” ってどういうことだろうと改めて考える機会にもなったところです。私は1番に身近な人とのコミュニケーションが大切なように感じました。
そんな今日の公明新聞「いじりといじめの違い」に目が止まりました。
(公明新聞 2026/05/09 6面) 子どもたちも親しくなるにつれて、仲間同士で悪ふざけも増えてきます。
しかし、相手が嫌な思いをすれば、いじめとなる可能性もあります。お子さんを加害者・被害者にさせないために、親は両者の違いをどのように伝えていけばよいかについて、メンタルケア・コンサルタントの大美賀直子さんに聞きました。
からかいや揚げ足取り、ばかにした物言いなどの“いじり”は友達関係であれば、少し度が過ぎても静観しがちです。しかし、その見過ごしは気を付けた方がよいでしょう。実は“いじり”も内心、相手が不快に感じれば、いじめの中に含まれます。根拠は、文部科学省の掲げるいじめの定義からいえます。そこには、相手の言動や行動によって、受け手側が心身の苦痛を感じているもの、と書かれています。
その上で、いじめと“いじり”の違いを整理します。まずいじめは、相手を攻撃する意図が周りにもはっきり伝わり、分かりやすい悪口や暴力行為で相手に苦しみを与えていきます。
一方、“いじり”は、何気ない楽しい会話の中から生じることもあります。このため「ふざけているだけ」「相手も笑っているからいいんだ」と悪気を感じない人がほとんどでしょう。しかし、だんだんとエスカレートして受け手が不快に感じるなら、問題です。一見、実態の分かりにくい、いじめともいえます。
■ 自信のない状態をカバーする目的も
子どもたちは、生きる上での自信を模索しています。目標をもって何かに打ち込み、達成感を得られたら、自然に自信はついていきます。しかし努力を必要とします。一方、何の努力もせずに簡単に得られる方法もあります。それは他人の価値を下げることです。例えば、「あいつ、変なやつだよね」と誰かをばかにする雰囲気をつくってしまえば、自分は上の位置にいると思い込めるのです。
このため、いじりたいという気持ちの背景の一つには、行為者側の自己肯定感の低下が考えられます。現状に対する不満解消やストレス発散の側面もあります。多くのお子さんは、いじめはよくないことだと認識しているため、気にくわない人を目の当たりにした際、直接的な攻撃にならない方法を考えます。その結果、具体的には相手を見当違いに褒めながら、ばかにしてみんなの前で恥をかかせる、モラルハラスメント的な雰囲気を際立たせたりします。
■ 嫌な思いをさせない意識を
心掛けるべきは、子どもたちを“いじり”から生まれるいじめの被害者にも加害者にもさせないことです。ポイントは「自分がされて嫌なことは絶対しない」という意識を持ちます。
普段の親子の会話でも、“よくない言葉遣い”と気付かせる機会は多くあります。例えば、お父さんがお母さんの姿を見て「ぽちゃぽちゃしてきて、まるで○○みたいだな」と“いじり”を行ったとき、「お母さんはお父さんのいじりに、嫌な気持ちがしたよ」と率直に伝えるようにします。
家族であっても、人の嫌がることは言わないというシーンを見せることで、子どもたちに“いじり”はよくないことと理解してもらえるきっかけになります。
また、子どもが荒っぽい口調で「あいつ、どんくさくて困るんだよな」と言っていた場合、まずは「なぜそう思うの?」と理由を聞くようにしましょう。その上で、相手を悪く言わないよう諭して、「お友達でも、何を言ってもよいわけではないよ。相手を傷つけてしまうこともあるんだよ」と伝えます。
一方、子どもが普段と比べて食欲がなかったり、親子の会話も少なく部屋へすぐに行ってしまうようなことがあれば、“いじり”もしくはいじめで嫌な思いをしている可能性もあります。体の不調を訴えたり、いつもと違う高揚感がみられるなど、子どものちょっとした異変に気付いたら、1対1でじっくり話すようにしてください。「学校生活は楽しい?」「食欲がないようだけど、心配事でもあるの?」といった穏やかな調子で会話する中で、学校内で嫌な思いをしていることなどが見つけやすくなります。
