子どものSNS被害
安全に利用できる環境整備さらに
(公明新聞「主張」 2026/03/05 2面) SNSはオンラインで交流を楽しめる場として、子どもにも広く利用される一方、犯罪などに直面するリスクもはらむ。
社会全体で安全に利用できる環境を一層整えることが急務だ。
警察庁が先月26日に発表したまとめによれば、昨年1年間でSNSをきっかけに犯罪被害に遭った18歳未満の子どもは、前年比80人増の1566人に上った。同庁は「依然として高水準で推移」と報告している。
全体の8割超を中高生が占めた一方、近年、増加が著しいのが小学生だ。昨年は全国で167人と、2021年の83人から倍増し、過去最多を更新した。小学生の被害拡大に強い危機感を抱かざるを得ない。
被害を受けた小学生は11、12歳の高学年が中心で、罪種別では不同意わいせつ、児童ポルノなどの性犯罪が目立った。インスタグラムやティックトック、LINEといった主要SNSに加え、オンラインゲームで加害者と知り合うことも少なくないという。
成人でも被害に巻き込まれるケースがあり、社会経験の乏しい子どもがSNS上に潜む悪意を見抜くには限界があろう。ネット上の誹謗中傷やいじめ、「闇バイト」への関与など、子ども自身が加害者側に回るリスクも見過ごせない。
海外では未成年のSNS利用を規制する動きが広がり、国内でも政府が法改正を視野に入れた検討に着手している。子どもが安全な使い方を身に付けられるような方策もしっかり打ち出してもらいたい。
併せて、SNS上での一層の注意喚起も必要だ。警察庁はSNS事業者と連携し、犯罪被害のリスクを伝えるとともに、各都道府県警察の専用ダイヤルといった、助けが必要な際の相談先の周知に努めるべきだ。
子どもの被害を防ぐためには、家庭での関わりも大切になる。SNS利用のルールづくりや、保護者が子どもの利用に制限を掛けられる「ペアレンタルコントロール」の機能の活用などが有効とされる。家庭内で安全な利用方法について改めて話し合ってほしい。
