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立党精神を胸に

2025年10月16日

クリーンな政治、断じて/街頭で語り抜こう

15日(水) 全国議員懇談会に参加、立党精神「大衆とともに」を胸に決意
吉田あきひろ

(公明新聞 2025/10/16 1面) 公明党は15日夜、東京都新宿区の党本部と全国をオンラインで結んで、緊急の全国議員懇談会を開き、自民党との連立政権に区切りを付けた経緯と今後の党の方向性について報告し、決意を新たに出発した。

席上、斉藤鉄夫代表は「今後は与野党の連携の軸となって国民生活を守る政策と衆望に応える改革を実現し、存在感を発揮したい」と強調。「公明党は責任ある中道改革勢力の軸として政治の安定のために徹していく」と訴えた。

竹谷とし子代表代行は「街頭演説会に出て、公明党の『政治とカネ』の問題に対する姿勢や国民の皆さまのための政策を実現する決意を語っていこう」と呼び掛けた。斉藤代表の発言は大要、次の通り。

■ 政策協議の経緯

一、公明党は10日、自民党との政策協議で求めていた「政治とカネ」を巡る問題の対応について明確かつ具体的な協力が得られなかったため、自公連立政権はいったん白紙とし、これまでの関係に区切りを付けることを決めた。

一、今回の決定は、先の参院選の総括からスタートしている。9月に行った総括の中でこう触れた。「物価高で生活者が困窮しているにもかかわらず、政治とカネの問題で揺れ続ける自民党との距離感、例えば、不記載議員への推薦が清廉な公明党のイメージを損なったのではないか等の観点を含めて、このあり方を見直すべきではないか」「1999年以来、四半世紀近く政権を担ってきた公明党として、自公連立政権が果たした役割のみならず、課題も真正面から直視し、然るべき反省のうえに立って、国民のニーズに応える責任ある政治を前に進めていくべきではないか」。まずこの点を確認、共有したいと思う。その上で、協議の経緯について申し述べたい。

一、4日に自民党の高市早苗新総裁と直接会った際、政治とカネを巡る問題に対する姿勢などの懸念を率直に伝えた。7日の政策協議でも「政治とカネを巡る問題に対する姿勢などの懸念の解消が図られなければ、連立政権をつくることができない」と明確に伝えた。

一、公明党内でも9日に緊急で全国県代表協議会を開き、地方議員の代表から意見を聴いた。連立政権にとどまるのか、解消するのか、さまざまな意見は出たが、その前提として政治とカネの問題解決に向けた「安易な妥協はするべきではない」との声が大勢だった。

一、これを受けた10日の政策協議で自民党側の見解を聞いたところ、企業・団体献金の規制強化は「これから検討する」という不十分な回答。不記載問題についても新たに明らかになった事実に対する説明責任など全容解明に向けての具体的な行動が示されなかった。

一、公明党にとって「クリーンな政治」は党是であり、政治とカネの問題解決は断行すべきものだ。自民党から明確かつ具体的な協力が得られず、改革が進まないのであれば「次期臨時国会での首相指名選挙で高市氏の名前を書くことはできない」と伝えた。

一、この協議後、高市総裁は「一方的に連立離脱を伝えられた」と記者団に述べたが、そんなことはない。「懸念が解消されなければ連立を組むことはできない」と明確に伝えている。企業・団体献金の規制強化は、昨年から問題提起してきたが、自民党はその都度「検討する」「調査する」を繰り返すばかりで具体策を出してこなかった。今回も「検討する」というのでは到底納得できない。政治日程の停滞が許されない中、公明党は連立政権参画に区切りを付けることを決断した。

■ 国会対応と選挙

一、当然ながら何でも反対するような野党になるわけではない。党理念に基づいて政策ごとに賛成すべきは賛成する「是々非々」の姿勢を貫いていく。

一、国政選挙における自民党との党同士の協力はいったん白紙にする。公明党が擁立する衆院小選挙区候補への自民党からの推薦は求めず、公明党から自民党候補への推薦も行わない。それでも地域ごとに人物本位、政策本位で応援できる地域も少なくないと思う。

■ (今後の党の方向性) “立党精神” 胸に結束して

一、「公明らしさ」を追求し、日本の課題解決へ全力で取り組んでまいりたい。野党になったら政策が実現できないわけではない。児童手当の創設や非核三原則の実現などの実績が物語るように野党でも政策実現は可能だ。長年与党として積み上げた知見や経験を持つ野党は公明党だけだ。

一、世界は分断・混迷の時代に突入している。極端な右傾化やポピュリズムが台頭し多党化の潮流が加速している。大きな転換期であるとの大局観に立って人間主義に立脚した良識ある中道改革の党として国民の政治に対する信頼回復はもとより、対立を超えた責任ある政治へ役割を果たす。

一、その大きな柱となるのは、例えば ▽ 東アジアおよび世界の平和と安定を図る外交・安全保障 ▽ 少子高齢化に対応した社会保障と税の改革 ▽ 日本経済を強くする成長戦略 ▽ 科学技術力を生かした新たなエネルギー政策の推進――などではないか。こうした政策の実現へ取り組んでいく。

一、積年の課題を団結第一で乗り越え、「公明党は立派になった」と、幅広い国民の皆さんに安心と希望を抱いていただける政党に成長しなければならない。

一、今、公明党は党再生へ新たな一歩を踏み出した。「大衆とともに」の立党精神の普遍的価値はこれからもますます重要だ。その普遍的価値を国民に実感していただける行動と結果を出せるかは、たゆまざる研さんと力量で決まる。この国の政治の前進のために闘い抜く。

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