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各種災害リスク 一目瞭然

2025年9月5日

国交省「重ねるハザードマップ」/スマホ・PCで各地の情報

台風15号近畿接近か。お気をつけて

*

(公明新聞 2025/09/05  3面) 身の回りでどのような自然災害が起きる可能性があるか、どこへ避難すればいいのか――。

災害から命を守るには、こうした情報を事前に確認しておくことが重要となる。

そこで便利なのが、災害リスクや指定緊急避難場所などを示した各種ハザードマップの情報をまとめてスマートフォンやパソコンなどで確認できる国土交通省の「重ねるハザードマップ」だ。

■ 急な大雨…その時どうする?

午後4時、自宅でくつろいでいると、スマホに防災アプリの通知が届いた。「大雨警報が発表されました。土砂災害・河川の氾濫に注意してください」。

「重ねるハザードマップ」をチェックすると、自宅から避難所までの洪水や土砂災害の被災想定区域が確認できた。いよいよ雨が強まり、その後の行動の選択を迫られる。自宅にとどまるか、それとも4種類あるルートのどれかで避難所へ向かうか……。

これは、気象庁の気象科学館(東京都港区) にある大型展示「大雨災害サバイバル」のひと幕。水害の危険が迫る町の住人になりきり、スマホに見立てた端末を操作して、重ねるハザードマップなどを使った大雨時の情報の集め方や避難の仕方をゲーム感覚で模擬体験できる。

■ 住所を入力。避難の要点も分かる

重ねるハザードマップでは、全国の自治体などが作成・公開している洪水、土砂災害、津波といった各種ハザードマップの基となる災害リスク情報などをウェブ上の地図に重ねて表示でき、地域における複数の災害リスクや避難行動のポイントが一目瞭然となる。

操作はシンプルで、住所を入力して画面上のアイコンから知りたい災害の種類を選ぶだけ。例えば「洪水」を選択すると、想定される浸水被害の大きさに応じて地図に色が塗られ、「最悪の場合、洪水による浸水が発生してその深さが3メートルから5メートルになることが想定されています」「浸水が想定されない場所へ早期に立ち退き避難することが必要です」などと具体的に紹介される。

土地の成り立ちや、過去の災害の被害状況などが記されている「自然災害伝承碑」なども閲覧可能だ。自治体間を超えて途切れなく情報が表示されているのも特徴の一つで、広域的な災害リスクを確認できる。

■ 公明提案、読み上げ機能が追加

誰でも利用しやすい環境整備の一環として、2023年5月には、視覚障がい者向けの音声読み上げソフトへの対応がスタート。23年3月、公明党の塩田博昭参院議員)当時) が予算委員会で「耳で聞けるハザードマップの作成を推進すべき」と訴えたことが実現した。

■ リンク集活用でより正確な行動

重ねるハザードマップは、国交省の「ハザードマップポータルサイト」からアクセスできる。併せて利用すると便利なのが、同サイトにある各自治体のハザードマップのリンク集「わがまちハザードマップ」だ。重ねるハザードマップで災害リスクの全体像を押さえた上で、わがまちハザードマップで最新かつ詳細な情報を日頃から確認することで、より正確な避難行動ができる。

重ねるハザードマップは、わがまちハザードマップとともに、さまざまな分野での活用が広がる。企業の防災研修の資料作成や自治会の防災講座のほか、商用利用も可能な「オープンデータ」として配信している情報もあるため、ヤフーの防災アプリや不動産情報サイトなどでも利用される。国土地理院によると、同ポータルサイトのアクセス数は平時で月約100万件、災害時には2~4倍に跳ね上がるという。

重ねるハザードマップについて国交省担当者は「身近な災害リスクを知る入り口として活用してもらえれば」とした上で、「災害時に慌てず行動するため、スマホにブックマークしてほしい」と呼び掛けている。

■ 福祉避難所など掲載課題/東京科学大学、小口千明教授

自然災害から命を守るには、賢く避難するのが一番です。防災・減災対策にはハード面も重要ですが、完璧な対策は保障されません。各自で自然災害を学び、対処することが肝要です。

重ねるハザードマップは便利で、各種の自然災害と避難情報とを重ねて表現できます。利用の際は「誰が」「どこで」「いつ」「どうやって」を、つまり3W1Hを意識すると、多様な避難方法の想定につながり効果的でしょう。

ハザードマップの存在を知っていても利用しない人はまだ多く、活用方法の啓発が望まれます。内容面では、要配慮者の受け入れ可能施設(福祉避難所など) の掲載徹底と、多言語化が課題です。

学校教育を通じて児童生徒が使い方を学ぶ機会が増えれば、家庭や地域全体に防災意識が広がります。出掛ける前の天気予報確認と同様、目的地のハザードマップ確認の習慣が根付けば、自然災害に対する国民の危機管理意識は確実に高まるでしょう。

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