農水省、随意契約の手続き開始/公明の要請反映
(27日 公明新聞) 農林水産省は26日、コメの価格引き下げへ、随意契約を通じて政府備蓄米30万トンを競争入札時の半額程度で売り渡すと公表した。大手小売業者を対象に、契約申請の受け付けを同日開始。
早ければ6月初めに5キロ当たり税抜き2000円程度で店頭に並ぶと見込む。
公明党の緊急要請の内容が反映された。
政府は備蓄米の店頭価格を引き下げるため、高い値段を提示した業者に売り渡す競争入札から、国が価格を決める随意契約に変更した。
入札と違って集荷業者や卸売業者を経由せず、小売業者に直接売り渡すため、価格に上乗せされる経費や利益を抑えられる。
■ 競争入札の半額で放出、輸送費は国が負担
政府は3月以降に入札を通じて3回放出し、平均落札価格は玄米60キロ当たり2万2477円。今回の平均売り渡し価格は60キロ1万1556円で、引き渡し場所までの輸送費も国が負担する。
30万トンの内訳は22年産米が20万トン、21年産米が10万トン。小売業者が精米や店舗への輸送コストなどを上乗せしても、在庫とブレンドしなければ5キロ税込み2160円程度で販売できる計算だという。売り渡した分と同量を一定期間後に政府が買い戻す条件は付けなかった。
随意契約の開始に併せ同省は、コメ政策に関する「集中対応チーム(仮称)」を発足させた。
公明党はコメ価格の高騰に対応するため、各地で現地調査を実施し、寄せられた声を基に党部会や提言などを通じ、政府に要望。岡本三成政務調査会長らが23日に小泉進次郎農水相に対し行ったコメの供給・価格抑制に向けた緊急要請では、備蓄米の売り渡しに関する抜本的な見直しや流通・供給対策、生産者の経営支援を求めていた。
■ 消費者に安心感届ける/党農林水産業活性化調査会長 谷合正明参院会長
コメ価格が下がり消費者に一日でも早く届くことが最大の目的であり、消費者の安心につながるよう、政府に対して再三要望してきた。店頭で2000円台で販売するための随意契約による売り渡しをはじめ、備蓄米を買い入れた価格と入札した価格において生じた差額分を活用した国による輸送費負担などは、公明党の主張によるものだ。
今後はスピード重視で取り組むことが求められる。街の小さなお米屋さんなど地域の隅々まで安定した価格の備蓄米が行き渡るように、きめ細かな対応が欠かせない。その上で、農家が意欲を持って営農を続けられる支援にも万全を期していく。