マイナ免許証
「主張」利点や注意点、丁寧に周知せよ
(27日 公明新聞「主張」より) マイナンバーカードと運転免許証を一体化する「マイナ免許証」の手続きが24日から全国の運転免許センターなどで始まった。
取得や切り替えは任意だが、免許更新時の負担が軽減されるなどのメリットがあり、一方で注意点もある。政府は国民が利便性の向上を実感できるよう、丁寧な周知に努めてほしい。
マイナ免許証はマイナカードのICチップに免許の番号や種類などを記録し、運転免許証の機能を持たせるものだ。
更新時などに① マイナ免許証のみ ② 従来の免許証のみ ③ 両方を併用–のいずれかを選べる。
メリットの一つは、各種手数料が軽減される点だ。
更新手数料は従来の免許証のみだと2850円なのに対し、マイナ免許証のみを選ぶと2100円と割安になる。併用する場合は2950円だ。新規取得時の手数料もマイナ免許証のみを選ぶと800円安くなる。
さらには、マイナ免許証を持っていれば、違反歴がないなどの「優良運転者」と軽微な違反をした「一般運転者」は、更新時の講習をオンラインで受講できるようになる。受講費用も安価になり、自宅などでパソコンやスマートフォンから好きな時間に視聴できる。住所や氏名が変わった際、自治体に届け出れば警察への変更申請が不要になるのも大きな利点だ。
ただ、マイナカードの有効期限が近い人は注意したい。現状のシステムでは、マイナ免許証を取得した後にマイナカードを更新した場合、免許証との一体化手続きを再度やり直す必要がある。免許情報が自動的に引き継がれるシステムに改善されるのは秋頃だ。
また、マイナ免許証の免許情報は券面上では確認できない。そのため、警察庁はマイナ免許証からスマホなどで免許情報を読み取って確認できるアプリを提供している。レンタカーを借りる際などの利用が想定されている。
政府はマイナ免許証の注意点などをホームページで公開している。混乱が生じないよう円滑な運用に万全を期してもらいたい。
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マイナンバーカードの運転免許証利用 <デジタル庁