「主張」多様で質の高い教育の実現も
(4日 公明新聞「主張」より) 家庭の経済事情に左右されずに、子どもたちが望む高校を選べる環境を整えることは大切だ。
同時に多様で質の高い教育を実現することにも力を入れていかなければならない。
自民党と公明党、日本維新の会の3党党首は先週、高校授業料の無償化などを柱とする合意文書に署名した。
「教育は子どもの幸福のためにある」との理念に立つ、わが党の主張に沿った形で合意点を見いだせた意義は大きい。
教育の無償化は公明党が結党以来、力強く進めてきた政策だ。
特に高校授業料を補助する国の就学支援金は、経済的な理由で私立への進学を諦めることがないよう、2020年度から年収590万円未満の世帯を対象に私立の支給上限額を引き上げるとともに、さらなる拡充を訴えてきた。
合意文書では、就学支援金について26年度から所得制限を撤廃し、私立の上限額を全国の私立高校授業料の平均である年45万7000円に引き上げると明記した。
25年度分については、先行措置として公立・私立を問わず高校に通う子のいる全世帯を対象に、公立高校の授業料相当額の年11万8800円を助成する。
さらに、家計の経済力による教育格差を是正する観点から、中間層への支援を一層充実させる。公明党の提案で、教材費や学用品費などに充てられる低所得世帯向けの「高校生等奨学給付金」について「低中所得層への拡充を行う」と盛り込まれた点は重要だ。
一方、私立高校への無償化拡充により“公立離れ”が進むことは避けなければならない。そのため、合意文書には公明党の訴えを反映し、公立高校への支援の強化を明記した。
とりわけ、地域の産業を担う人材育成の機能も果たしている農業高校や工業高校といった専門高校への支援を強化する必要がある。専門高校が維持できなくなれば、地域の衰退に直結しかねないからだ。
国がしっかりとサポートし、教育の質の向上と、多様な学びの場の確保につなげてもらいたい。