全ての人に安心もたらす日本へ 公明党2040年ビジョン中間取りまとめを発表
(1日 公明新聞より) 2025年は「団塊の世代」全員が75歳以上に到達し、国民の5人に1人が後期高齢者となるほか、単身世帯の割合も全世帯の4割に及ぶ。
少子高齢化と人口減少による影響は40年ごろにかけて続くため、わが国の社会保障制度への懸念も高まっている。公明党は昨年9月、40年を見据えたわが国の将来像「2040ビジョン」の中間取りまとめを発表。
全世代型社会保障のさらなる拡充を掲げている。現状を解説するとともに同ビジョンの内容や先進事例などを紹介する。
■ 一人暮らし世帯が急増/少子高齢化で変わる人口構造
日本では少子高齢化の進展により、人口における年齢構成が変化しており、年々、子どもと若者の割合が減る一方で、高齢者の割合が増えながら、総人口が減少していく傾向にある。
現在、日本の総人口は約1億2000万人。国立社会保障・人口問題研究所(社人研) の推計によると、2052~56年に総人口が1億人を下回るという。
特に顕著なのは子どもの数の減少だ。厚生労働省が昨年9月にまとめた「人口動態統計」(確定数) では、1人の女性が生涯に産む子どもの数の推計を示す「合計特殊出生率」は23年で1・20であり、統計を取り始めた1947年以降、過去最低となった。
2023年に生まれた子どもの数も72万7288人で、統計が確認できる1899年以降、過去最少だ。民間の試算では、昨年の出生数は70万人を割る可能性も指摘されている。
この背景の一つに未婚率の高まりがある。5年に1度行われる国勢調査によると、2020年の時点で50歳まで1度も結婚したことのない人の割合は、男性で約28%、女性で約18%に上り、同調査が始まった1920年以降、過去最高を記録した。
こうした中、懸念されているのが単身世帯の急増だ。社人研は昨年11月、2020年の国勢調査に基づき、50年までの世帯数の将来推計を公表。全世帯に占める一人暮らしの割合は、20年の38・0%から50年には44・3%に上昇し、27都道府県で40%を超えるという見通しを示した【図参照】。中でも、東京が54・1%と最も高く、大阪が47・4%、京都が47・0%と続いている。
■ 公平に支え合う制度へ
「全世代型社会保障」とは、年齢に関係なく全ての国民が能力に応じて公平に負担し、支え合うことで、それぞれの人生に必要な保障がバランスよく提供されることをめざす考え方だ。
わが国では、全ての国民が医療や年金を受けられる「国民皆保険・皆年金」を1961年に確立して以来、それを中核とする社会保障制度によって国民生活に安定をもたらしてきた。
しかし、その性格上、高齢者向けに偏ることから、少子高齢化に伴う支出増や支え手の減少などで制度の持続性に懸念が高まり、2012年の社会保障と税の一体改革で全世代型社会保障に大きく転換した。
この時の改革の特徴は、年金や医療、介護に子育て支援などの少子化対策を新たな柱に加えた点だ。
政府の全世代型社会保障構築会議(全社会議) が22年12月に発表した報告書では、最も緊急を要する取り組みとして「子育て・若者世代への支援」を挙げ、具体的な対策を進めている。
一方、家族のつながりや地域における支え合いの希薄化によって地域社会が変化する中、孤独・孤立、生活困窮といった新たな課題への対処も急がれている。
この点、全社会議の報告書では、生活を維持する基盤として「住まい確保」を社会保障の新たな課題に位置付け、全世代型社会保障のさらなる拡充をめざす。
■ 将来不安解消する具体策提示
こうした状況を踏まえ、公明党は40年を見据えた社会保障を中心とするわが国の将来ビジョンを策定する方針を決定。22年12月から関係省庁や有識者らと意見交換を重ね、昨年2~3月には自治体向けアンケートで地域の社会保障政策の実態を調べるなど、党を挙げて取り組みを展開した。
昨年9月に「公明党2040ビジョン」の中間取りまとめを発表【表参照】。これまでの全世代型社会保障を基盤として、新たな「創造的福祉社会」の構築をめざす姿勢を打ち出した。
創造的福祉社会とは、少子高齢化・人口減少時代の諸課題に対処する制度改革だけでなく、「人々のつながりと支え合いを幾重にも創り上げ、全ての人の尊厳を守るとともに、それぞれの自己実現に最適な環境を提供できる社会」と定義。今年から40年までを「正念場の15年」と位置付け、新しい社会の構築に挑む。
具体的には五つの改革構想を掲げ、少子化抑制や単身者支援などに取り組み、国民が抱える将来不安の解消に全力を挙げる。今後、2040ビジョンのさらなる深化に向けて、党として議論を重ねていく方針だ。
■ 誰もが恩恵を受ける新しい社会の構築を/山崎史郎内閣官房参与(社会保障・人口問題・地方創生)
わが国の社会保障制度は、人口減少時代の到来に伴い大きな転換期を迎えている。このため、2040年を視野に置き、将来世代を含めた全世代に社会保障の恩恵が行き渡る「全世代型社会保障」の構築が求められている。
第一に重要なのは、社会保障に期待される「予防的社会政策」の視点である。少子化の流れに歯止めをかけ、将来社会の状況を好転させる政策が不可欠であり、少子化対策は最優先のテーマである。昨年10月分から児童手当が拡充されたが、引き続き子育て支援施策を抜本的に強化していかなければならない。
第二は、これからも続く高齢社会に対応した医療や介護の整備であり、地域医療体制の確立や認知症施策の充実などを進めていくことが重要となる。第三には、社会や家族の変化に伴って顕在化している孤独・孤立への対応や住まいの確保なども急ぐ必要がある。
この点で、公明党が昨年発表した「2040ビジョン」は、わが国が直面する課題を的確に捉えており、大変貴重な提言だ。特徴的なのは、わが国が今後めざすべき社会保障の理念として「創造的福祉社会」の構築を掲げたことだ。
これまでの福祉政策は、社会の変化に対処する受け身的な色彩が強かった。これに対して、「創造的」という考え方は問題を未然に防ぎつつ、制度改革の中で社会そのものを新たに創り出していくという積極的な姿勢を鮮明にしており、全世代型社会保障を深化させる上で非常に大切な視点だ。
社会保障の目的は、一人一人のリスクをカバーし、生きる力を与えることであり、関係する人全員の支えがあって成り立つ。従って、こうした大きな社会保障改革には社会全体が支え合う“大きな家族”であるというような意識の共有が欠かせない。年齢や立場を超えた合意形成が重要となってくる。
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■ (単身者) 手取り収入向上と結婚支援さらに
日本が単身世帯を主軸とする社会に変化しつつある中、公明党がめざすのは、青年期、中年期、高齢期、晩年期のいずれの時期で単身者になったとしても、生きがいと安心感を持って生涯を全うできる社会の構築だ。2040ビジョンでは、社会的つながりが希薄になりがちな単身者を一貫して支える「単身者支援トータルプラン」(仮称) の策定を打ち出した。
単身者の生活の安定には可処分所得の向上が欠かせない。公明党は、非正規労働者の処遇改善や賃上げしやすい雇用環境の整備に取り組むとともに、若年単身者にはデジタル技術の習得を後押しするリスキリング(学び直し)支援などで手取り収入を増やしていく。
また、結婚したくてもできない人への支援策を強化する必要がある。すでに自治体は、公明党が推進した国の交付金を活用して婚活イベントの開催や人工知能(AI) によるマッチングサービスなどの結婚支援に乗り出し、成果を挙げている。2040ビジョンでは、こうした取り組みをさらに支援し、新婚生活に向けた準備や引っ越し費用、家賃への補助といった経済的支援も拡充する。
高齢単身者に対しては、住まいの確保が重要な課題だ。入居しやすく、低廉な家賃で見守り支援も受けられる「居住サポート住宅」の供給を今後10年間で促進する。
■ (子育て世代) 社会に巣立つまでの無償化を推進
子育て世代に対しては、公明党の「子育て応援トータルプラン」を踏まえ、政府が2026年度まで「加速化プラン」を展開中だ。
今年4月からは公明党が創設を提唱した、親が働いていなくても保育所を利用できる「こども誰でも通園制度」が、子ども・子育て支援法に基づく「地域子ども・子育て支援事業」として実施される。
生後6カ月~2歳児を対象とした同制度は現在、118自治体がモデル事業に参加しており、利用者から“子育ての孤立感や不安感が軽減される”といった声が寄せられている。26年度から全国の自治体で実施される予定だ。
また、大学など高等教育では、全面的な無償化への一歩として、25年度から所得制限なしで、3人以上の子どもを扶養する「多子世帯」の入学金や授業料を実質無償にする。育児休業給付も今年4月から拡充し、両親共に14日以上の育休を取得した場合、給付金を手取り収入の実質10割に増やす。
2040ビジョンでは、さらに30年を見据えた「ポスト加速化プラン」の策定を提案。出産費用や0~2歳児の保育料、高等教育などの無償化を着実に進め、生まれてから社会に巣立つまでトータルで支援する。保育の質向上や「共育て」の推進などにも取り組み、誰もが安心して子育てできる環境づくりに全力を挙げる。
75歳以上の後期高齢者が増えていく中、より重要になるのは、健康面で日常生活を支障なく送れる「健康寿命」を延ばす取り組みだ。2040ビジョンでは「地域の特性に合わせた介護予防戦略」を掲げ、高齢者の社会参加を促す環境整備や、住んでいるだけで健康になれる街づくりなどを進めていく。
近年、高齢者の健康維持や介護予防の観点で注目されている取り組みの一つに、地域の「通いの場」(サロン)への参加がある。厚労省によれば、サロンに参加する高齢者は認知症の発症リスクが3割軽減しているほか、うつ病は3割弱、3年後の要介護認定リスクも4割低下しているという。
高齢化率が44%で全国平均を上回る熊本県高森町は、2019年度から「通いの場」の活性化支援に取り組み、好影響が生まれている。公民館を改修して「通いの場」を整備し、住民主体で体操やお茶飲み会、ビデオゲームで対戦する「eスポーツ」、パラスポーツの「ボッチャ」など多彩な活動を行っている。参加者は年々、増える傾向にあり、同町の要介護認定率は全国平均を下回るまでに減少した。こうした事例を各地に広げる。
また、病気の予防とともに生活の質を向上させる運動・リハビリの推進や、栄養・睡眠など生活習慣を改善する国民運動を展開し、「健康大国日本」をめざす。
■ ネットワーク生かし実現に全力/党全世代型社会保障推進本部長 上田勇参院議員
公明党は結党以来、どの党よりも真剣に福祉や子育て支援、教育改革などに取り組み、特に自民党との連立政権参画後は多くの政策を実現し、社会保障の拡充をリードしてきました。
今や国政の大きな柱となった全世代型社会保障は、まさに、わが党の主張が政治の主流になった証しだと言えます。
一方、急速な人口減少や少子高齢化によって将来的な国の存立に懸念が高まる中、全世代型社会保障のアップデートは待ったなしです。全ての世代にとって必要な福祉サービスが享受できる社会づくりを進めていきます。
昨年、公明党は「2040ビジョン」の中間取りまとめを発表しました。40年に向けてまずは、22年に発表した「子育て応援トータルプラン」の30年までの実現をめざします。
また、急増する単身者への対応にも優先的に取り組む必要があり、「単身者支援トータルプラン」の策定など、あらゆる人に政策の光が当たる社会保障制度の実現に全力を挙げます。
今後の制度改革においては、公明党が持つ国と地方のネットワークを最大限に生かして国民のあらゆる声を反映し、誰もが安心して暮らせる日本を築いていきます。
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「2025年、令和7年 新年明けましておめでとうございます。
公明党の吉田あきひろです。
昨年は公明党への力強いご支援を賜り感謝を申し上げます。
今年も公明党一丸となって、皆さまにお応えし、国民(市民) 生活を守る取り組みを全力で頑張っていく決意です。
本年も何卒宜しくお願い致します。」
散歩中のおとうさん、おかあさん、公園で遊ぶ子ども達、ご夫婦が団地の窓から。お手を振ってのご声援をいただき心から感謝。感動の二日目m(_ _)m
追伸、運転は息子が(ありがとう)