政治改革、「103万円の壁」解消へ
石破茂首相は29日の衆参両院本会議で、所信表明演説
(30日 公明新聞より) 石破茂首相は29日の衆参両院本会議で、所信表明演説を行った。所得税が課され始める年収の「103万円の壁」の解消を宣言。
自民党派閥の政治資金問題を受け、政治資金規正法の再改正など、年内の法整備に意欲を示した。少数与党として「幅広い合意形成」に努める姿勢を強調した。
「103万円の壁」を巡る自民、公明、国民民主3党の合意に沿って、首相は「2025年度税制改正の中で議論し引き上げる」と言及。税収減に対する地方の懸念を踏まえ、「解決策について結論を得る」と約束した。
政治改革では、使途公開が不要な政策活動費の廃止や、政治資金を監視する第三者機関の設置などの議論を進めると表明。「年内に必要な法整備も含め結論を示す必要がある」と訴えた。
少数与党の国会運営に関し、「他党にも丁寧に意見を聞き、真摯に謙虚に取り組む」と説明した。
看板政策の「地方創生」を巡っては「社会と経済の起爆剤とするため、交付金を当初予算ベースで倍増する」と明言。「新しいICT(情報通信技術)をフル活用しながら、地方の農林水産業、製造業、サービス業の高付加価値化を進める」との方針を打ち出した。
物価上昇を上回る賃金上昇の実現をめざすと主張。総合経済対策の裏付けとなる24年度補正予算案の早期成立を図る考えを示した。
外交・安全保障では、日米同盟の「抑止力・対処力を維持・強化」しつつ、各国との対話を重視する姿勢を掲げた。
■ 丁寧で謙虚な演説/斉藤代表
公明党の斉藤鉄夫代表は29日午後、国会内で記者団に対し、石破茂首相の所信表明演説について「国民に語りかけるように、丁寧に謙虚な姿勢で演説されていた。熟議と幅広い合意形成に向けて真摯に取り組むことが野党の皆さんにも伝わったのではないか」と述べた。
今後の国会審議に向けては「少数与党なので、公明党が率先して謙虚な姿勢を実践し、与野党の合意形成を図っていきたい」と強調した。その上で、野党に対して、「幅広い合意を得るために、いろいろな諸課題について責任を持って議論してもらうことが必要ではないか」との考えを示した。