政府、総合経済対策を決定 公明の主張が反映
(23日 公明新聞より) 政府は22日夕に臨時閣議を開き、物価高を上回る安定的な賃金上昇の実現や、能登半島地震の復旧・復興などに向けた新たな総合経済対策を決定した。
公明党が7日に政府へ申し入れた提言などを随所に反映。物価高対策や中小企業の賃上げ支援、防災・減災対策を盛り込んだほか、自民、公明、国民民主の3党協議に基づく内容も反映された。
■ (公明の主張が反映)
○ 中小の価格転嫁・生産性向上 ○ 柔軟に使える交付金を地方に ○ 幅広い生活者支える施策検討 ○ 能登半島の復旧・復興加速化 ○ 学校体育館エアコン整備倍速
総合経済対策の最重要課題は、全ての世代の現在や将来の賃金・所得を増やすこと。国民一人一人が豊かさを実感できる政策の実行を掲げ、① 日本経済・地方経済の成長 ② 物価高の克服 ③ 国民の安心・安全の確保–の3本柱で、民間資金と合わせた事業規模は約39兆円。財源の裏付けとなる今年度補正予算案は、一般会計の歳出規模が約13兆9000億円になる。
対策では、中小企業の持続的賃上げを後押しする価格転嫁対策を強化。生産性向上に向けた省力化・デジタル化投資を強力に促進する。
物価高に苦しむ生活者への支援として、家庭の使用量が大きい来年1月から3月に電気・ガス代を補助し、ガソリン補助金は減額しつつ年明け以降も継続。学校給食費の支援など、自治体が独自の物価高対策に柔軟に使える「重点支援地方交付金」の追加措置を行う。物価高の影響の大きい低所得世帯には、住民税非課税世帯に1世帯当たり3万円を目安に給付し、非課税世帯のうち子育て世帯には子ども1人当たり2万円を加算する。
さらに、実質賃金が安定的にプラスになっていくまでの間、集中的に幅広い生活者の暮らしを支援する施策を検討していくと明記した。
地震に加えて豪雨に見舞われた能登半島の復旧・創造的復興の加速については、道路の早期復旧や住まい確保、なりわい再建などを推進する。
全国的に自然災害への備えに万全を期すため、快適なトイレや温かい食事の提供などに必要な資機材の備蓄を進め、避難所環境を抜本的に改善。学校体育館へのエアコン整備については、ペースの倍増をめざして計画的に進めるとした。
■「103万円の壁」の引き上げへ議論
自民、公明、国民民主の3党合意を踏まえ、年収の「103万円の壁」を2025年度税制改正で議論し引き上げるほか、ガソリン減税を「自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得る」と記した。
22日午前に首相官邸で行われた政府・与党政策懇談会で石破茂首相は、補正予算案を速やかに編成し、早期成立をめざす考えを表明した。公明党の斉藤鉄夫代表は懇談会後、記者団に対し、対策の策定を巡って「野党の皆さんとも協議し、合意を得た今回のプロセスは、今後の合意形成の一つのモデルになると高く評価している」と力説。これからも「合意形成のリーダーシップを取っていきたい」と述べた。