食品ロス削減が加速
事業系目標 8年早く達成 公明、法制定で後押し
■ 公明、法制定で後押し
まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」削減に向けた全国的な機運を高めるため、「食品ロス削減の日」の30日、群馬県高崎市で全国大会が開かれ、公明党食品ロス削減推進プロジェクトチーム(PT) の竹谷とし子座長(副代表) が参加した。
食品ロス削減の日は公明党が推進した「食品ロス削減推進法」(議員立法) で定められている。政府は昨年12月、削減に向けた施策パッケージを策定。国を挙げた取り組みを進め、半減目標を8年前倒しで達成した。
全国大会では、食品ロス削減で優れた取り組みを実施する団体の表彰式が行われた。その後、専門家でジャーナリストの井出留美氏が講演し、経済損失や環境負荷といった観点から食品ロス「ゼロ」を実現する重要性を力説。特に各家庭で発生する食品ロス量を金額に換算すると、物価高に伴う食品の値上げによる負担増に匹敵すると指摘し、「ますます減らすことが重要になってきている」と訴えた。
■家庭系は残り20万トン
食品ロスを巡っては、2019年の法整備以降、削減が加速。22年度の食品ロス量は事業系が236万トン、家庭系が236万トンで過去最少となった。政府は30年度までに00年度比で半減(事業系273万トン、家庭系216万トン)する目標を掲げているが、事業系は既に達成。家庭系も残り20万トンにまで迫っている。
企業側の削減努力は確実に広がっている。加工食品の製造事業者に行った消費者庁の調査では、消費期限や賞味期限を延長する取り組みが全体の4割超となった。政府は今後、結果を「食品期限表示の設定のためのガイドライン」の見直しに生かす方針だ。
国民の食品ロス問題への認知度も向上している。削減のために何らかの行動をしている割合は、14年度に67・4%だったのが、21年度には78・3%となった。政府は25年度までに80%以上の達成をめざす。
事業系のさらなる削減で政府は、飲食店などで食べ残した料理を衛生的に持ち帰るためのガイドラインを年末までにまとめる方針。来年度にも運用を開始したい考えだ。
公明党は食品ロス削減を進めるため、15年にPTを設置。先進事例の視察や関係者からのヒアリングを踏まえた政府への提言で一貫して対策をリードしてきた。19年には国民運動として食品ロスに取り組むための削減推進法の制定に尽力。党の議員ネットワークを生かして国と地方の取り組みを後押ししている。
全国大会に参加した竹谷氏は「食品ロス削減には、消費者に身近な自治体の取り組みが極めて重要だ。党として、しっかりと推進していきたい」と語った。