立党精神の体現 不断に
(11日 公明新聞より) 公明党の山口那津男代表は10日午前、国会内で記者会見し、公明党が今年11月17日に結党60年の節目を迎えるに当たり、公明党議員として「大衆とともに」の立党精神を不断に体現していく重要性を訴えた。
また、9月18日に立候補を受け付ける党代表選について、出馬しない意向を表明した。山口代表の発言は大要、次の通り。
【立党精神の実践】
一、公明党らしさは、立党精神にある。民主政治の基本として掲げているものであり、議員の政治姿勢、政党のあり方、政策の方向の根底にある。これからもしっかりと守っていきたい。
時代によって展開の仕方はさまざまあるが、今、議員の実践として掲げているのは「現場第一主義」だ。現場に足を運んで五体で受け止め、それを基に政策をつくっていく。「小さな声を聴く力」として、たとえ一人の小さな声でも核心を捉えて政治の舞台で実現する姿勢も重要だ。
一、大きな政策目標の柱は「大衆福祉」だ。結党当初、福祉は政治の付録であるかのようだったが、地方議員や国会議員が力を合わせて一貫して取り組み、今では一番の政策課題になった。
一、もう一つは「世界平和」だ。人々が安心して暮らしていくためにも、国際社会の平和と安定が前提でなければならない。公明党は「核兵器のない世界」を一貫して求めてきた。核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加を果たして、核保有国と非保有国との対話の橋渡しを行い、核軍縮を進める目標を今後も掲げていく。
一、党として「平和創出ビジョン」をつくる。核廃絶やSDGs(持続可能な開発目標) など個別に議論してきたことを総合して「縦糸」と「横糸」を織り合わせる仕事を若い世代と一緒にやり遂げたい。対話外交を重視し、アジアにおける常設の安全保障対話の枠組みをつくり出すことも提案したい。
■ 党代表選、不出馬を表明/「世代交代への状況整う」
【党代表選】
一、このたびの党代表選に出馬しないことを明確に申し上げる。公明党は定年制を設けて党の活力を維持してきたが、私はその例外として代表を継続してきた。その間、後進の育成を進めた。中堅・若手の人材も育ち、新しい陣容を整える状況が来たと認識した。今、国内外とも政治の世界で世代交代の波が押し寄せているようにも感じる。70歳を超えた私としては、次の世代にバトンを譲るべきだと決断した。
一、党代表としての15年間、党員、支持者の方々に支えていただいた。各党の党首や、ご理解とご協力を頂いた国民の皆さまに心から感謝を申し上げたい。今の自民党の執行部の主立った方々にも、私の思いを伝えた。これからも、連立を組むパートナー同士の呼吸を大切にしてほしい。
一、(党代表の取り組みについて) どん底からの出発であったが、東日本大震災で復旧・復興に全力を挙げた。社会保障と税の一体改革では与野党の大きな合意を結んだ。その後、自公が政権を奪還することができた。
一、習近平・中国共産党総書記(当時) と会談して日中対話の糸口をつかんだことも忘れられない。社会保障を全世代型に展開し、幼児教育の無償化や給付型奨学金などを実現した。地雷除去の支援や海上交通路の安全確保のための人材育成、少子化対策などは、さらに充実、発展させてもらいたいと望んでいる。