コメの品不足
9月から新米流通、解消へ/農水政務官(公明党) 高橋光男参院議員
■昨年の猛暑や需要増など要因
コメが品薄となり心配の声が上がっています。一部のスーパーマーケットでは購入制限がかけられ、店頭に並んでいないところも。背景や見通しについて、高橋光男農林水産大臣政務官(公明党) に聞きました。
Q コメの需給は逼迫しているのか。
高橋 国内全体としては必要な民間在庫量は確保されており、逼迫している状況ではありません。その上で、早場米は既に出回り始めており、9月からは主産地の出荷も始まり、1年の出荷量の4割程度が出回ります。
Q 店頭で品薄になっている原因は。
高橋 2023年産の作柄は平年並みでしたが、高温などの影響で品質が低下し、流通量が減っていること、インバウンド(訪日客) の増加などにより需要が伸びているといったことが背景にあります。
さらに在庫量が最も少なくなる8月に、南海トラフ地震臨時情報の発表と神奈川県西部地震により買い込み需要が発生したことが重なり、品薄となった店舗が多くなってしまいました。
Q 店頭価格が上がっているが。
高橋 現在、全銘柄平均価格は玄米60キログラム当たり1万5000円程度です。コロナ禍で需要が落ち込み米価が下がっていた頃と比べると3000円程度上がっていますが、コロナ禍前と同じ水準です。一方、コメは他の食料品と比べると相対的に価格の上昇が緩やかなため、値ごろ感があり消費が進んだと見られます。
Q 今後の見通しは。
高橋 新米の流通は9月から本格化します。生育はこれまでのところ順調に進んでいると確認しており、等級も昨年より改善すると見込まれます。こうした中、着実に品薄状態も解消されていくものと見られます。
主食であるコメの供給にこれ以上の混乱が生じないよう、農水省として今後とも2024年産米の出回りや、卸の販売状況、スーパーなどへの納品状況などを注視し、円滑に流通するよう必要な対応を続けていきます。
また、来年に同様の事態が再発しないよう、働き掛けや情報発信などのきめ細かな対策を講じていきます。消費者の皆さまにおかれましても必要な量のコメをお買い求めいただくなど、冷静な購買行動をお願いします。