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ペットボトル症候群

2024年8月17日

暑い時に発症の恐れ 炭酸飲料やスポーツドリンクなどの摂取量に注意

(17日 公明新聞より 気になる記事をご紹介) うだるような暑さが連日続き、水分補給は不可欠です。

しかしスポーツドリンクやジュースにはたくさんの糖分が含まれています【イラスト参照】。

気を付けないと、体が糖を処理しきれず「ペットボトル症候群」を引き起こす恐れがあります。

症状や予防法などについて、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科の鈴木亮主任教授に聞きました。

ペットボトル症候群は、医学的に「清涼飲料水ケトーシス」と呼ばれます。代表的な発症の流れを説明します。

まず、もともと血糖値が上がりやすい人が知らずに炭酸飲料やジュースなどを多飲することで、血糖値が急激に上がります。この状態が長く続くと、尿量が増えて喉が渇くといった糖尿病の典型的な症状が強まります。そして、ますます冷たい飲み物が欲しくなり、水分と同時に糖分を多く摂取した際、血糖値も加えて上昇し、悪循環に陥ります。

■症状と治療

血糖値が一瞬上がるだけなら、自覚症状はほとんどみられません。しかし、口渇や多尿などの心当たりがあれば、高血糖が長く続き、重症化している可能性があり、併せて体重が急激に減少することもあります。

悪化した場合、体内の脂肪が分解されてケトン体という物質が作られます。増加することで、血液が酸性に傾き、食欲低下やおう吐などの症状が出て緊急入院が必要な状況になります。治療は一時的に点滴とインスリンを注射して血糖値を下げます。大半の人は症状が軽減されます。

発症のリスクが高まる摂取量の基準は、血糖値には個人差があるため明確に示せません。しかし、緊急入院につながるケースは、1日にリットル単位で、炭酸飲料やジュースなどを飲んでいる人が多いです。

また発症する可能性が高いと考えられるのは、糖尿病のある人と肥満のある人です。糖尿病は遺伝の影響も大きいので、今まで血糖値が高いと言われたことがなくても家族にいる場合は気を付ける必要があるでしょう。年代でも、30~40代の男性はケトン体が体内で作られやすいことから注意してください。

■予防策

まずは、栄養バランスの整った食事や適度な運動を心掛けるのは、健康維持の基本です。その上で、糖分を含まない、麦茶や緑茶、水といった飲み物を積極的に摂取しましょう。

人間の体の約60%は水分で占められ、1日に必要な量は水2・5リットルといわれています。尿や便、呼吸、汗により、同量が排出されます。食事と体内で作られる水は1・3リットルありますが、残りの1・2リットル分は水分補給が必要な計算になります。炭酸飲料やジュース、スポーツドリンクばかりで補うとしたら、水分と同時に多量の糖分も体内に入れることになってしまいます。

また、糖尿病と診断される基準は、① 空腹時の血糖値が126ミリグラム/デシリットル以上 ② HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー) が6・5%を超えている――状態を指します。どちらかの項目が数値を上回った場合、「疑い」となります。したがって、普段受けている健康診断結果をチェックすることも大事です。

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