南海トラフ「巨大地震注意」
(10日 公明新聞より) 8日午後、宮崎県の日向灘沖で震度6弱を観測した地震の発生を受け、気象庁は南海トラフ巨大地震の可能性が高まった際に出す「臨時情報」を発表しました。そこで、必要な対応などについて、Q&Aでまとめました。
Q 南海トラフ巨大地震とは。
A 静岡県の駿河湾から宮崎県の日向灘沖にかけて、プレート境界を震源域として、過去に大きな被害をもたらしてきた大規模地震です。政府の地震調査研究推進本部の長期評価によると、マグニチュード(M) 8~9クラスの地震が今後30年以内に発生する確率は70~80%とされています。
Q 「臨時情報」とは。
A 南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合や地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合などに、気象庁から発表される情報です。地震発生から最短2時間後、観測された異常な現象の調査結果が発表されます。
Q 具体的には。
A 気象庁が想定震源域でM6・8以上の地震を観測した5~30分後に臨時情報の「調査中」を発表します。その後、南海トラフ巨大地震との関連を調査するため、有識者らで構成する評価検討会が臨時で開催。国際的な地震規模の指標である「モーメントマグニチュード(Mw)」を用いて、巨大地震発生の可能性が高まったと判断されると「巨大地震注意」(Mw7・0以上、Mw8・0未満)、より危険度が高い場合は「巨大地震警戒」(Mw8・0以上) の情報が出されます。
今回の地震規模はM7・1(速報値) で、検討会でMw7・0と評価。南海トラフ巨大地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっているとして「巨大地震注意」が発表されました。
Q 「巨大地震注意」を受け、取るべき行動は?
A 今回の「注意」の場合、事前避難は求められませんが、地震が発生したらすぐに避難できる準備として、国は ▽ 家族の所在場所や避難経路を確認する ▽ 非常用袋やヘルメットを玄関に置く ▽ 寝る時は履き慣れた靴を枕元に――など日頃からの備えの再確認を、1週間を目安に続けるよう呼び掛けています。
「巨大地震警戒」の場合は、地震発生直後の避難では間に合わない可能性のある住民などは、1週間程度の事前避難が求められます。
なお、「調査終了」が発表された際は、地震の発生に注意しながら通常の生活を行いましょう。ただし、大規模地震発生の可能性がなくなったわけではないことに留意する必要があります。
また、気象庁は、揺れの強かった地域では今後1週間程度、最大震度6弱程度の地震に注意するよう呼び掛けています。