発災7カ月 安心の住まいを早く
今朝、公明新聞に目が留まる。発災から7カ月が経つ現状。
昨日、被災地へボランティア活動で行かれた友人から、現地の状況など写真を見せていただき、その方への敬意と自然災害の驚異、一日も早い復旧・復興を願い、ひと時を過ごした。
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(1日 公明新聞より) 能登半島地震の発災から、きょうで7カ月。
石川県では計画している仮設住宅約6800戸のうち5498戸が完成し、6262戸が8月中に完成予定(ともに7月30日時点) で、大半の希望者は8月中に入居できる見通しだ。
その一方、制度のはざまで入居できなかったり、入居後に課題が浮き彫りになったりするケースもある。安心の住まい確保を巡る被災地の今を追った。=能登半島地震取材班
■ 制度のはざまで悩む被災者
仮設住宅は大規模災害時に原則、罹災証明書で半壊以上と判定された場合に提供される。
入居の際に必要な罹災証明書は世帯ごとに交付される仕組みだ。
珠洲市で息子夫妻と2人の孫と暮らしていた高齢夫妻の自宅は大規模半壊だった。震災後、息子家族は金沢市の「みなし仮設」に入居した。自身は能登町の仮設住宅を希望したが、仮設住宅は原則、1世帯1戸しか認められていない。やむを得ず、金沢市にアパートを借りた。
今も週1回、自宅の片付けなどのために片道2時間以上かけて珠洲市に通い、敷地内の納屋で寝泊まりしている。「こうなるなら世帯を分けていれば良かった……」と肩を落とす。自宅は8月中に解体予定だが、この後の生活拠点は決まっていない。
珠洲市に住む50代男性は視覚障がいがあり、同じく障がいのある2人の弟と認知症の父親と4人で暮らす。当初、仮設住宅の入居を望んだが、築60年程度の自宅は準半壊との判定で入れなかった。もう一度、同規模の地震が来たら自宅は倒壊する危険があり、苦渋の決断だったが、老後のために貯めていた資金で新居を建てることにした。
■ 住環境やコミュニティーづくりへ支援欠かせず
仮設住宅は、トイレや浴室、台所、エアコンなどを備え、避難所から移った人たちからは「やっと一息付けた」と安堵の声が漏れる。
入居期限は原則2年。被災者は、この間に生活再建の足掛かりをつくることになるため、公明党は“入居後”の課題の把握に全力を挙げている。その中で浮かび上がってきたのは、仮設住宅の住環境の改善と、コミュニティー形成への支援の必要性だ。
今回の地震では、恒久的な住まいへの転用も視野に入れた木造仮設も整備されているが、大半はプレハブ長屋型だ。迅速に建てられる半面、薄い壁から漏れる隣室の生活音や、トタン屋根を打つ雨音に悩まされる人も少なくない。
能登町の60代女性は「雨漏りしたり虫が入り込んだりして困っている。行政の人に時々、点検してもらいたい」と指摘する。6畳一間に夫婦で入居した輪島市内の80代男性は、「ぜいたくは言えない」としつつも、「もう少し広い部屋に移れると助かる」と胸の内を明かす。
入居者の安心を守り、高齢者らの孤立を防ぐためには、コミュニティーの形成も重要だ。多くの仮設住宅では、さまざまな地域から見知らぬ人が集まって暮らしている。輪島市の60代男性は「隣人が誰かも分からず、入居者だけで自治組織を運営するのは難しい」と語る。コミュニティーづくりに向けた支援が求められている。
■ 実情踏まえ対応柔軟に/公明党「令和6年能登半島地震災害対策本部」総合本部長代理 赤羽一嘉幹事長代行
仮設住宅への入居は生活再建への第一歩。入居基準に満たないが、これ以上の避難所暮らしに耐えられない高齢者らが存在する。公明党は被災地で調査を重ねる中で、こうした実態をつかみ、政府や県、各市町に声を届けてきた。
わが党のこうした働き掛けを受けて、仮設住宅には福祉サービスを提供する施設の設置が決まった。被災自治体の中には、半壊未満の判定でも住宅再建が困難な人がいれば、特例で入居要件を緩和するところも出てきた。引き続き、被災者に寄り添いながら柔軟な対応が広がるよう注力したい。
今後、仮設住宅での生活状況や退去後の意向などについても調査し、入居者のニーズに的確に対応していきたい。
仮設に住んでいない人を含めて住まいの被災状況や再建に向けた実情はさまざまある。公明党はこれからも党を挙げて、被災者や支援業務に当たる自治体関係者の元に足を運びながら、一人一人が安心した住まいを確保できるよう、切実な声を国に届け形にしていく決意だ。