ひまわりも太陽に向かって
晴天月曜日。皆さまお気をつけて行ってらっしゃいませ。子どもたちは夏休み。
向日葵も太陽に向かって
「さぁ、挑戦の夏へ」 よし、やるぞあきひろ
2024年7月22日
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2024年7月22日
2024年7月22日
(22日 公明新聞より) 5年ごとに公的年金の給付水準見通しを示す財政検証の結果が3日に公表された。
サラリーマンと専業主婦というモデル世帯の夫婦の年金額を現役世代の手取り収入と比べた「✔所得代替率」(2024年度で61.2%) は、過去30年間と同程度の経済状況が続いた場合、29年度に60.1%、57年度に50.4%となり、法律で定める「50%以上」を維持できる結果となった。
今回の検証をどう見るか。厚生労働省の社会保障審議会年金部会委員で、慶応義塾大学教授の駒村康平氏に聞いた。
■当面“健康” でも課題に対処を/基礎年金の水準低下、改革急務
――今回の財政検証の意義・特徴は。
モデル世帯が所得代替率50%以上を維持できるかという財政の「持続可能性」のチェックに加えて、各種施策を講じた場合の世代・性別ごとの年金額の見通しも示され、公的年金にふさわしい給付ができているかという「十分性」を確認する指標も出そろった。ここが極めて有意義な部分だ。これによって政策の優先度が見えるようになる。
――今回、経済の前提として示された四つのケースのうち、3ケースで所得代替率50%以上が維持される結果となった。前提が甘いとの指摘もあるが。
経済前提は政府が決め付けている話ではなく、今ある経済学のツールを使い、幅を持たせて試算している。ただ、人口の見通しでは、出生率が下がり始めている点は少し緊張感が必要だ。外国人の流入も不確実要因と見なければならない。
各ケースで50%を上回ったことは「健康維持できている」といった状況だが、何もしなくてよいわけではない。政府は悪い経済前提も見て、優先順位の高い政策をタイミング良く講じるべきだ。
――特に手を打つべき課題は。
基礎年金の給付水準の低下だ。✔による給付水準の調整は、所得代替率が最も高くなる「成長型経済移行・継続ケース」だと厚生年金の報酬比例部分は25年度に終わるが、財政状況が厳しい基礎年金は37年度まで水準が下がり続ける。過去30年と同程度の経済状況でも、厚生年金は26年度で調整が終わるが、基礎年金は57年度まで続く。マクロ経済スライドは受給中の年金にも適用されるので、長期間にわたり基礎年金の給付水準が下がる。回避するには、厚生年金と基礎年金のマクロ経済スライドによる調整期間を一致させる必要がある。
■被用者保険適用拡大など企業側の理解がポイント
――被用者保険(厚生年金・健康保険) の適用拡大はどうか。
今回の試算にある860万人の適用拡大をめざすべきだ。適用拡大の範囲が広いほどマクロ経済スライドの期間をより短縮化できる。しかし、保険料を折半する企業側の影響が大きいため、段階的な拡大が現実的だろう。適用拡大でも基礎年金の水準低下は一部解消できるが、団塊ジュニア世代で非正規労働を続けてきた人などは、もう50代に差し掛かっている。これから厚生年金を適用しても給付水準の改善は限定的だ。次の財政検証は5年後なので、マクロ経済スライドの調整期間の一致をやるなら今しかない。
――他の課題は。
被用者保険の適用拡大などを進める上で、企業側の理解をどう得るかも重要だ。企業が保険料を負担できないとなれば労務費が上昇し、価格転嫁するしかない。中小企業政策や下請け政策で支える必要がある。マクロ経済スライドの一致も、厚生年金における基礎年金の財政負担をやや重くするという話なので、労使の理解を求めなければならない。政府全体の取り組みと政治の調整力に期待したい。
――基礎年金の保険料拠出期間を40年から45年に延長する案は。
本来は有力な案だが、基礎年金の2分の1は国庫負担であり、5年延長して年金額が増えると短期間のうちに国庫負担も増える。国庫負担の準備も議論する必要があるので、拙速に進めるべきではなく次回の検証のテーマになるだろう。しかし、男女共にすでに90年人生社会を迎えた日本で、保険料を40年払って年金を30年ほど受け取るプログラムに持続性があるかは考えていくべきだ。
■公明、議論のリード役に期待
――公明党は「改革は年金だけでなく社会保障全体で考えるべきだ」と主張している。
重要な指摘だ。例えば、厚生年金の適用拡大が行われると、国民健康保険(国保) からも現役世代が抜けて健康保険に移行し、国保には無業、自営、高齢の人ばかりが残ることになるので、国保の維持も同時に考えなければならない。団塊ジュニア世代がリタイアする前後からは低年金者対策も大きな問題になってくる。
各政党は年金を政争の具にせず、現実可能な選択肢の中で、財政面も含めた議論をすべきだ。与野党の政治家が責任を持って参加する国民会議のような場も必要だろう。この分野への関心が高い公明党が議論をリードすることを期待したい。
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(自己研鑽↓↓↓)
「所得代替率」とは、年金を受け取り始める時点(65歳) における年金額が、現役世代の手取り収入額(ボーナス込み) と比較してどのくらいの割合かを示すもの。
マクロ経済スライドとは、平成16年の年金制度改正で導入されたもので、賃金や物価の改定率を調整して緩やかに年金の給付水準を調整する仕組み。将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう、最終的な負担(保険料) の水準を定め、その中で保険料等の収入と年金給付等の支出の均衡が保たれるよう、時間をかけて緩やかに年金の給付水準を調整することに。