通学路等での交通事故ゼロを願い
小学校等における児童等への交通安全教育について
25日(火) 令和6年6月定例会の最終日、皆さまのお声をいただき「小学校等における児童等への交通安全教育について」と、「防犯カメラを設置する自治会等に設置費用を補助する事業について」の2項目を一般質問致しました。(以下、全文。正式には後日、会議録として発表されます)
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(1問目) 質問 吉田章浩
公明党議員団の吉田章浩です。私の方からは、「小学校等における児童等への交通安全教育について」と、「防犯カメラを設置する自治会等に設置費用を補助する事業について」の2項目を一般質問させていただきます。
まずは、「小学校等における児童等への交通安全教育について」です。
高槻市役所本庁と総合センターを結ぶ通路には、6月は「子どもの安全確保推進月間」と、芝生小学校6年生の家庭科の授業「地域と共に生きる」より、お世話になっている地域の人たちに、安全の取り組みについて学習したことを感謝の気持ちを込めて伝えたいと、児童たちが製作したポスター等が展示されています。
そこには、「生活安全」のポスター「暗い夜道での対処法」や、「災害安全」では、「地震が起きたときの命の守り方」、また「交通安全」については、「安全に自転車に乗る方法!」 等々。他にも、「たかつき安全NOTE」や、こども見守り中の旗、セーフティボランティアさんのユニホーム・緑色のキャップとベストなども展示されています。
また、市ホームページの街フォトには、市教育委員会事務局の職員の皆さまが、子どもたちが安全・安心な学校生活を送れるように、セーフティボランティアの募集チラシなどを手渡し、子どもの見守り活動への参加を呼びかけされている記事が紹介されていました。
高槻市では、毎年6月1日を「学校園安全デー」、6月の1か月を「子どもの安全確保推進月間」とし、児童生徒等の安全指導や学校施設・設備の安全点検等を実施するとともに、防犯や不審者対応等を含めた安全対策の徹底と点検を行うとの位置付けをされており、安全意識の高揚に努め、学校園と市が連携のもと、安全安心の学校づくりに向け、様々な取り組みを実施されているところで、まずは、評価とともに今後の、より一層の取り組みに大きな期待を寄せるところです。
文部科学省の学校安全資料「『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」には、子どもたちが心身ともに健やかに育つことは、国や地域を問わず、時代を越えて、全ての人々の願いです。学校は、子どもたちが集い、人と人との触れ合いにより、人格の形成がなされる場であり、「生きる力」を育む学校という場において、子どもたちが生き生きと活動し、安全に学べるようにするためには、子どもたちの安全の確保が保障されることが不可欠の前提とされています。
また、子どもたちは守られるべき対象であることにとどまらず、幼稚園段階から高等学校段階までの学校教育活動全体を通じ、自らの安全を確保することのできる基礎的な資質・能力を継続的に育成していくことが求められ、学校における安全教育は、子どもたちの生涯にわたる安全に関する資質・能力の基盤を培うものであることに加え、安全に関する資質・能力を身に付けた子どもたちが社会人となり、様々な場面で活躍することを通じて、社会全体の安全意識の向上や安全で安心な社会づくりに寄与するという意義も担っていると記されています。
生活安全や災害安全も勿論、重要な観点ですが、今回は、市民の方から寄せられた貴重な声より、特に交通安全の観点から質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。
朝、地元地域の交差点において夫婦でご挨拶をさせていただくと、たくさんの方と出会います。徒歩、自転車、バイク、自動車、市バスなど、通園、通学、通院、通勤等々、毎日が新しい朝の出発です。「どうかお気を付けて」との思いで「おはようございます。行ってらっしゃい」と笑顔で交わす挨拶に日々感動をしています。
信号機のある交差点では、小中高生が学校に向かいます。大きく手を上げて渡ってくる児童。元気いっぱいに「おはようございます」と挨拶してくれた時、その姿勢に、学校での交通安全教育や、お父さんやお母さんから、教えてもらっているのかなと関心と感動をしたことを覚えています。
さらに交差点では、たくさんの小学生をセーフティボランティアの皆さんらが見送っていただいています。雨の日も、風の日も、暑い日もあります。心から敬意を表する思いです。
中でも、この4月に小学校の入学式を迎え新1年生になった子ども達は、昨年までは幼稚園等に通い保護者や事業者によって安全安心が守られていましたが、現在は1人もしくは友人と、また集団などでの通学となり、大きなランドセルを背負い、交差点を越えて学校に向かわれます。その姿を見ると「車などに気を付けて」と願うばかりです。さらに下校時も気を付けなければいけません。
1問目として、ソフト面での「交通安全教育」についてお聞きします。
交通安全教育は、児童が自らの身を守る安全意識の醸成が重要な課題です。また、生涯に渡る重要な取り組みだと思います。大人になられてもその意識は、相手を思いやる心に通じるものではないでしょうか。
1点目として、本市教育委員会の交通安全教育についての取り組み方針をお聞かせください。
2点目として、新1年生をはじめ、小中学生に向けた交通安全教育について、学校や市としての特徴的な取り組み内容をお聞かせください。3点目に、今までの取り組みの評価をお聞かせください。
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(ご答弁) 教育委員会 教育次長
1点目の交通安全の取組方針についてですが、全ての児童生徒に安全に関する資質・能力を身に付けさせるため、セーフティプロモーションスクールに掲げる「生活安全」、「災害安全」、「交通安全」の3領域を網羅し取り組むことが重要であると考えております。
その実践として、発達段階に応じた学習ができる本市独自の副読本として「たかつき安全NOTE」を令和3年度に作成し、交通安全に関しましては、副読本を活用しながら、学校安全計画に基づいた系統性のある授業を行うことで、安全教育・安全指導の充実と児童生徒の安全意識の高揚に取り組んでいるところです。
2点目の交通安全教育に関する学校や市の取組についてですが、各小学校では、1年生の入学当初に、教職員等が下校時に付き添いながら安全指導を実施しているほか、生活科の授業等において、「たかつき安全NOTE」や「校区安全マップ」などの教材を用いて、危険な場所や危険なもの等への気付き、横断歩道の渡り方や、歩道での待ち方など、自分で自分の命を守るという意識を持ち適切な行動をとれるよう、学びを深めております。他の学年につきましても、発達段階に応じ、それぞれの教材を活用した交通安全教育を行っております。
また、「校区安全マップ」に関しては通学路一斉点検の内容を踏まえ、毎年、最新の情報に更新し配付しているほか、交通安全に係る教材の貸し出し、警察等と連携した「交通安全教室」の実施等を通じて、交通安全教育の充実に取り組んでおります。
3点目の交通安全の取組の評価についてですが、各小中学校において、学校安全計画に基づいた系統的な授業の展開を通じて、発達段階に応じた安全教育の推進が図られていると認識しております。
また、セーフティボランティアの方をはじめ、地域や保護者の方の見守り活動の参画等により、関係機関が連携した登下校環境の確保につながっているものと考えております。
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(2問目) 質問 吉田章浩
ご答弁より本市の全児童・生徒に安全に関する意識を身に付けさせるため、独自の副読本「たかつき安全NOTE」を活用しての交通安全意識の高揚に向けた取り組みや、特に新1年生には下校時、教職員等の皆さまが付き添いながら安全指導を実施していること。
「校区安全マップ」などで危険な箇所等への気付きや、横断歩道の渡り方など、自分の命を守る意識を持ち、適切な行動がとれるよう学びを深めていただいていることは、非常に大切な取り組みであると感じます。
また、他の学年についても、警察等と連携し「交通安全教室」の実施など、交通安全教育の充実に取り組んでいただいております。
1問目で申し上げました市民の方からの声ですが、その方の体験から、枚方市と長野市の通学の様子に関心を持たれご意見をいただきました。
自動車で移動中、横断歩道のところで小学生の姿を確認、自動車を停止。小学生は、左右を確認し、安全確認をした後、高く手を上げて交差点を渡り、その後に一礼してくれて、ドライバーとしても、しっかり安全を守らなければいけないと気づかされたことを、当時を振り帰り語られ、高槻市の小学校等の交通安全教育のさらなる充実を望まれました。
私の方でも同市の取り組みを本市議会事務局のご協力のもと、調査させていただきました。設問については、交通安全教育について、どのような取り組みをされているのか、特に新1年生への取り組みなどの内容や手法をお聞きしました。
枚方市では、小学校1・2年生を対象に、各小学校で毎年1学年のみ実施。歩行の交通安全教室を、業務委託にて実施しており、その際に手上げ横断の指導も行っているとのことです。また、小学校3・4年生を対象に自転車の交通安全教室を実施。春と秋の全国交通安全運動期間中、地域の民間指導員が通学路の要所で立ち番をされ、新1年生などに登下校時の交通安全指導を実施しているとの回答でした。
長野市では、各校で作成の「危険個所マップ」等を使用し学級活動の時間等を利用し、学ぶ機会をもっておられます。
また、各家庭でも確認してもらうなど連携して取り組んでおられ、新1年生に対しては、登下校時の約束や危険個所の確認など教室だけでなく学校周辺の道路で実際に、安全・安心について学ぶ機会を設けているとの回答がありました。
また、2つ目の設問では、自動車等に対し「高く手を上げて交差点を渡る」等の交通マナーの実践に向け、取り組みの中で、特に効果があったと考えられるものをお聞きしました。
枚方市では、歩行の交通安全教室では、業務委託により手上げ横断の指導を行っていることが、特に効果があると思われるとのこと。長野市では、交差点を渡った後に一礼する際、車と接触する危険もあるので、無理に行わなくてもよいことを伝えているそうです。
さらに3つ目の設問では、他機関等と連携した、交通安全教育に関する取組の事例をお聞きしました。
枚方市では、登下校時の枚方市交通対策協議会の民間交通指導員による立ち番指導。長野市では、安心安全パトロールやPTAの方による登下校時の見守り活動、長野県交通安全教育支援センター・交通安全協会や長野市地域活動支援課等による交通安全教室の実施とのことでした。
令和3年12月、警察庁は、道路交通法に従って「交通の方法に関する教訓」を改正。信号機がない場所での横断について「手を上げるなどして、運転者に横断の意思を明確に伝える」ことを歩行者の心得として盛り込みました。
手上げ横断を促す内容は43年ぶりの復活とのことです。本市ではどのように指導をされているのでしょうか。
全国の交通事故に関するニュースでは、集団下校中の小学校1年生の女児が車にはねられるなどの痛ましい報道がありました。横断歩道は、青信号だったとのことで、あってはならない事故です。しかし、小学生等の交通事故が後を絶ちません。
政府広報オンラインより、警察庁が平成30年から令和4年に起きた交通事故を分析したところ、小学生の死者・重傷者はこの5年間で2,185人に上がるとのことです。特徴として、状態別では歩行中の事故が最も多く過去5年間で約6割を占める状況。また、歩行中の死者・重傷者の約4割は飛出しが原因とされています。
データより、小学校1年生の死者・重傷者数は6年生の3.2倍とも言われ、ある資料では、小学生になってしばらく経ち、新生活に慣れてきたことによる気のゆるみが原因とされ、交通事故総合分析センターによると令和元年のデータでは、全年代を通して7歳が最も多く5月下旬から6月がピークだったと分析されています。
他市と環境等も異なることから一概に比較することは難しいかも知れませんが、1問目で市教育委員会や各学校の取り組みについてご答弁いただきました通り、さらなる子どもたちの交通安全教育に向けて、他市の事例も参考に交通安全教育のあり方を充実させていただきたいと思います。要望しておきます。
本市における小学生に係る通学途中等の事故件数の状況について、お聞きします。
併せて、交通安全教育とともに環境整備も重要です。子どもの目線が大切で、危機管理意識の醸成も交通安全教育だと思います。
令和4年3月の代表質問において、「通学路安全プログラム」に基づく安全対策についてお聞きしました。濱田市長からは、令和3年6月の千葉県八街市(やちまたし) の交通事故を受けて実施した合同点検においても、今回、通学路の安全に携わる関係者が一堂に会して、児童の登校時間帯における現地の状況を共有し、それぞれの専門的な視点から安全対策に関する検討を深めることができたことは、関係機関の連携による大変意義深い取組であったと、力強いご答弁をいただきました。
私も日々、市民の皆さまの声をいただきながら、安全・安心の取り組みに全力を注いでいるところです。
ハード面での、通学路における安全点検・対策・取り組み等、現在の取り組み、近年の実績と具体の事例などをお聞かせください。
小さな子どもたちを見守り、教える私たち大人の役割が重要です。
まずは、ハンドルを握るドライバーが交通ルールを厳守することは当然のこととして、私たち大人がルールを守ること。特に登下校でのセーフティボランティアの皆さまの取り組みには感謝の思いです。
1問目でもご紹介させていただいたセーフティボランティアの募集チラシなど、通行人に手渡し子どもの見守り活動への参加を呼びかけされていますが、現在の登録者数はどのようになっているのか、過不足はあるのか。また、保護者等への見守り活動への呼びかけはされているのでしょうか。
また、研修会や学校からのお願いなど、子ども達への指導内容もお聞かせください。
参考までにお聞き致しますが、登下校時着用されているユニホームの緑色のキャップやベストなどは「貸与」していただいているとお聞きしましたが、破損などあった場合、交換などは可能なのでしょうか。お聞きします。
教育委員会・各学校として、見守ってくださるボランティアの方々のモチベーションへの気配りも大切だと思いますし、子ども達がいつも会うボランティアさんの笑顔の取り組みや「手を上げて渡ろう」などの声掛けに、今日も気を付けようと思ってくれるのではないでしょうか。以上、2問目の質問と致します。
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(ご答弁) 教育委員会 教育次長
1点目の手上げ横断についてですが、「たかつき安全NOTE」や教科書では、「道路の安全なわたり方」として、児童に対し横断歩道を渡る際に、左右確認の後、手を上げて渡るよう指導しているところです。
2点目の本市における小学生の通学中における事故件数についてですが、日本スポーツ振興センターにおける通学中等の災害共済給付件数は、令和3年度が60件、令和4年度が53件、令和5年度が67件ございました。
3点目のハード面での通学路における安全点検や、対策、取組等についてですが、「通学路安全プログラム」に定める安全対策に係るPDCAサイクルに沿って、通学路の一斉点検や、危険箇所連絡窓口に寄せられた情報に基づき、危険箇所を把握するとともに、関係機関と連携し改善に努めております。
近年の具体的な取組事例についてですが、車両がスピードを出しやすい形状の道路で横断歩道が近くにあることの注意喚起を目的とした、「ストップ横断歩道」と呼ばれる茶色系の道路の舗装や、スピード抑制や見通しの改善を図ることを目的に、車両の進入を防ぐボラードの設置や樹木の剪定等の対策を講じております。
4点目のセーフティボランティアの登録者数及び保護者等への見守り活動の呼びかけについてですが、セーフティボランティアの登録者は、令和5年度末時点で1,357人となっており、近年、登録者数が減少傾向にあります。こうした状況から、見守り活動に従事される方の確保に向け、今年度より新1年生児童の保護者に対し、保護者懇談会等の機会を通じて、子ども見守り活動の趣旨を説明し、意識啓発に係るキーホルダーの配付を新たに行ったところです。
キーホルダーの配付の目的と効果としては、保護者をはじめ、大人一人ひとりが子どもたちのために、それぞれの環境や立場でできることを考える契機となり、買い物や通勤時等における「ながら見守り」活動の一層の推進が図られることで、登下校時を含めた安全安心な環境づくりに繋げていきたいと考えております。
また、セーフティボランティアへの研修としては、毎年10月ごろに講習会を実施し、子どもたちへの関わり方や見守り中の注意事項等についてご説明する場を設けているところです。
5点目の、セーフティボランティアの貸与品が劣化した場合の対応につきましては、登録されている学校にお申し出いただきましたら、新しいものに交換いたしております。
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(3問目) 質問 吉田章浩
子どもたちが横断歩道を渡る時は、左右の確認と手を上げて自分の意思を伝えること。安全に関する資質・能力を身につけることが大切です。
そして社会全体の取り組みにより通学路等での交通事故をゼロにしていきたい。
さらに、今後とも通学路等の一斉点検等、関係機関との連携で危険個所の改善に取り組んでいただけますようお願い致します。
また、子ども達を見守っていただけるセーフティボランティアの皆さまの研修などの充実も重要です。ご自身の安全を確保しながら、子ども達の安全への資質・能力が身につくようご協力をお願いしたいと思います。
子ども達の成長を、保護者の皆さまや教育関係の皆さまをはじめ私たち大人は、いつも見守り導いてあげなければいけないと思います。そして私たち大人が子どもたちの模範とならなければいけないと思います。私は、家庭教育も大切な取り組みと思います。そして、小学校等における児童等への交通安全教育を各学校がさらに充実していただけますことを心からお願い致します。
一歩一歩、行動範囲が広がる子ども達の環境は歩行や自転車等の事故も増加傾向です。教育委員会、高槻市がさらなる連携で充実の事業展開をお願い致します。
これからも子ども達が、安全な学校生活が送れるよう生活安全・災害安全・交通安全として「学校安全」のさらなる充実を要望しておきます。
結びに、6月18日には大阪府北部地震から6年目を迎え、寿栄小学校では、濱田市長・西田新教育長、松山校長により献花と黙とうが捧げられました。改めて、尊い命を亡くされた方々にご冥福をお祈り致します。
今議会より、ご就任されました新教育長をはじめ教育委員会の皆さま、学校関係者の皆さまに今後、高槻の教育の、さらなる発展、交通安全教育等の充実にご期待を申し上げ、この質問を終わります。
(7,610文字=26分)
次は「防犯カメラを設置する自治会等に設置費用を補助する事業について」
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追伸:高槻市での一般質問は、項目ごとの一問一答方式です。持ち時間(答弁も合わせ45分) まで、項目ごとに1問ずつ質問(3問まで) ご答弁をいただきます。
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