SDGsの推進
成功のカギは「人間の安全保障」
(29日 公明新聞「主張」より) 地球を将来世代のために守ることを目的とした持続可能な開発目標(SDGs) の達成をめざし、外務省は先週、有識者懇談会をスタートさせた。
世界中の貧困撲滅など17目標を2016年から2030年までに達成すると国連が決めたSDGsは近年のコロナ禍やウクライナ、パレスチナ問題などで大きな困難に直面している。
この時こそ日本は、目標達成に向け国際社会をリードしていくべきである。
上川陽子外相は懇談会の初会合で「わが国の持続的成長と国際社会全体の持続可能性の確保のあり方についてクリエーティブ(創造的) に検討を進めていきたい」と述べた。
SDGsは貧困・飢饉の撲滅や、健康・福祉・教育の提供、さらに気候変動対策など世界共通の目標を掲げているが、その達成方法については多様性が重視されている。
すなわち、それぞれの国家の取り組み方について工夫の余地が残されている。そのため、実効性の高い“お手本”を示すことができれば、それが国際社会の財産にもなる。
SDGsは15年の国連総会で満場一致で採択された世界共通の価値観である。
ここで国際社会をリードできる方法を発信できれば、日本の存在感を高めると同時に、国連体制の基盤強化にもつながる。
しかし、世界の現状は厳しい。昨年7月の国連特別報告書では、17目標の下の169ターゲットのうち、評価可能な140は順調15%、不十分48%、停滞・後退37%だった。再加速には新たな発想が必要だ。
日本は国際協力で「人間の安全保障」を追求してきた。この「国家の安全だけでなく個人の安全を守る」理念は、SDGsの「誰一人取り残さない」の理念にそのままつながる。
昨年9月に国連で開催されたSDGsサミットで、岸田文雄首相は「『人間の安全保障』は、まさに『人間の尊厳』に基づくSDGs達成のカギとなる概念」だと訴えた。
日本から創造的な模範の取り組みを期待したい。
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高槻市SDGs推進指針 <市ホームページ
本市がこれまで住民福祉の向上のために推進してきた行政施策はSDGsの理念と多くの点で合致しており、未来志向の取組を継続することがSDGsの達成に寄与することにつながります。
近年、SDGsの認知度も高まってきたところですが、SDGsに対する市民の皆さんの理解を更に深めていただくとともに、本市が実施している施策がSDGsの目標達成に資するものであることを市民の皆さんにご理解いただくことが大切です。
そのため、職員一人一人がSDGsの理念や意義、考え方などを十分理解した上で、様々な機会を通じて、SDGsの理解促進及び普及啓発に取り組むことを目的に、基本指針を策定します。