避難所支援円滑に
能登地震 災害関連死断じて防げ 罹災証明書抜本的な簡略化を
(25日 公明新聞より)
■罹災証明書、抜本的な簡略化を
衆参両院の予算委員会は24日、能登半島地震に関する閉会中審査を行った。
公明党から、衆院では中川宏昌氏、参院では塩田博昭氏がそれぞれ質問に立ち、災害関連死を防ぐ観点から避難所への救援物資の配送体制や、罹災証明書交付手続きの抜本的な簡略化、液状化対策の強化を求めるとともに、避難者の希望に沿った2次避難への移行や避難所における感染症対策の強化なども訴えた。
中川氏は、全国からの救援物資が石川県内の被災地近くまで届いているものの避難生活を余儀なくされている被災者の元まで行き届かないケースがあることから「どこかで目詰まりが起きているのではないか」と指摘。
刻一刻と変わる被災者のニーズを把握し円滑な救援物資の配送などのため、国の現地対策本部に支援内容を正確に伝えられるような責任者を全避難所に配置し、「必要な物資をすぐに要請できる体制強化を行うべきだ」と提案した。
被災者が公的支援を受けるための「罹災証明書」に関しては、迅速な手続きのためにマンパワーの増強や被害が甚大なエリア一括の全壊判定など抜本的な簡略化を求めた。岸田文雄首相は「航空写真の活用や地域一括の全壊判定で被害認定調査の簡素化に取り組む」と応じた。
石川、富山、新潟各県の広いエリアで発生した液状化被害への対応について中川氏は、過去の地震を参考に、財政支援など「確実な対応を」と訴えた。
斉藤鉄夫国土交通相(公明党) は熊本地震などの取り組みも踏まえ「液状化対策への財政支援にしっかり取り組む」と答えた。
中川氏はこのほか、石川県内の上下水道の復旧に向け、財政面やマンパワーの支援強化を要望。斉藤国交相は「全国の自治体からの技術者の増員などの支援を行う」と述べ、復旧を急ぐ方針を示した。
■感染症対策、予防接種無料で
一方、塩田氏は、災害関連死の防止に向け、ホテルなどに移る2次避難への移行を加速化すべきだと指摘。具体的に、ペットの受け入れ可能な避難所を拡大することや、避難者が地元に戻れる見通しを示す必要性に触れ「できるだけ避難者の希望に沿った形で2次避難の後押しを」と訴えた。
岸田首相は「被災者に寄り添いながら県と連携していきたい」と応じた。
避難所の感染症対策に関して塩田氏は、新型コロナウイルスの治療薬やインフルエンザの予防接種を被災者に無料提供する機会を増やすよう提案。武見敬三厚生労働相は、インフルエンザなどの予防接種について「被災地以外での接種や、定められた接種時期を過ぎた場合の接種など、各自治体に対して柔軟な取り扱いを行うように要請している」と答えた。