インフラ、国が自治体の復旧代行
(20日 公明新聞より) 政府は19日の閣議で、能登半島地震を大規模災害復興法に基づく「非常災害」に指定する政令を決定した。
被災自治体が管理するインフラの復旧工事を国が代行できるようになる。
岸田文雄首相は、首相官邸で開かれた非常災害対策本部会議で「既に財政面での措置を講じているが、権限代行を通じた実行面の支援についても環境が整った。
引き続き、インフラの復旧に全力を尽くしてほしい」と述べた。
代行は自治体からの要請に基づく。対象は、道路や橋、河川、港湾、漁港、海岸など。適用されるのは、2016年の熊本地震、19年の台風19号、20年の熊本豪雨に続き4例目となる。
被災地では、早期の復旧・復興に向け、所有者不明家屋の解体・撤去をどう進めるかが課題になる。首相は、そうした物件に対応した民法の制度の活用を含め、対応策の検討を関係省庁に指示した。
■石川県、孤立集落「実質解消」
一方、石川県の馳浩知事は19日の記者会見で、能登半島地震による土砂災害などで道路が寸断され、住民が取り残されていた輪島市と珠洲市の孤立集落について、「実質的に解消した」との認識を示した。
同日時点で26人いる住民のうち、避難の呼び掛けに応じた9人は数日中に移送を完了する見込みという。残る17人はとどまる意向を示しており、「引き続き避難を呼び掛ける」と話した。
また、馳氏は広域避難者の一時帰宅などのニーズを踏まえ、JR金沢駅前と各被災地中心部を結ぶバスを1日2往復運行する方向で調整していることも明らかにした。
県によると、自治体が開設した避難所にはなお約1万4000人が身を寄せている。旅館やホテルなどの2次避難所に移った人は前日より約200人増え、約2000人となった。停電は輪島市と珠洲市を中心に約7500戸、断水は8市町の約5万戸で続いている。
公明党は、中川宏昌衆院議員(党北陸信越方面本部長) が1月2日から被災地に入るなど、地元議員と共に被災状況の調査や被災者の支援に奔走している。山口那津男代表も21日に被災地での調査を予定している。
石井啓一幹事長は19日、国会内で行われた記者会見で、「党の調査の中で拾い上げた現場の声を踏まえ、被災者に寄り添った復旧・復興への対応を引き続き政府に求めていきたい」と述べた。