ガソリン・電機・都市ガス・経済対策を
ガソリンなどの燃油価格が高騰する中、家計や企業の負担を軽減するため、政府は7日、今月末に終了予定だったガソリン補助金を拡充・延長しました。
9月使用分までを期限としていた電気・都市ガス代の負担軽減策も継続されます。
公明党の緊急提言(8月30日) が反映された今回の物価高対策のポイントや、今後の経済対策について高木陽介党政務調査会長に聞きました。
■(ガソリン) 全国平均175円まで抑制/補助金拡充し、10月以降も
――ガソリン補助金が延長されます。
ガソリン価格の高騰を抑制するため、石油元売りに支給されている補助金は当初、6月から段階的に補助率を縮小し、9月末で終了する予定でした。
しかし、産油国による原油の減産や円安などを受け、再び価格が上昇。9月4日時点の1リットル当たりの全国平均小売価格(レギュラー) は186・5円と、過去最高値を更新しています。
こうした燃油価格の高騰を緩和するため、政府は、ガソリン補助金の補助額・補助率を段階的に見直す新制度を発動させ、年末まで延長することになりました。発動前(4日時点) は1リットル当たり9円程度の補助額でしたが、今後、さらに補助額をアップしていきます。その結果、全国平均小売価格は10月中には175円程度に抑えられる見込みです。
――ガソリン以外の燃油については。
ガソリンと同様に、軽油や灯油、重油、航空機燃料にも激変緩和措置が行われています。これも当初は9月末までが期限でしたが、新制度の対象に含まれることになり、引き続き支援が実施されます。
■(電気・都市ガス)家計・企業の負担軽減継続
――電気・都市ガス代については。
今年1月使用分から使用量に応じた料金の値引きが行われていますが、脱炭素化の潮流も踏まえ、9月使用分は補助額を半額にした後、10月使用分以降は打ち切るのが当初の計画でした。
しかし、電気代などが家計や企業活動に与える影響を考慮し、現行の負担軽減策を、当面(12月使用分まで) 継続します。補助額は家庭向けの電気料金で1キロワット時当たり3・5円、企業向けで1・8円を補助。都市ガス代は1立方メートル当たり15円を値引きします。
■山口代表が首相に訴え、支援延長の流れつくる
――党の取り組みは。
物価高騰が続く中で、燃油・電気・都市ガス代の負担軽減策が9月末に期限を迎えることに国民から不安の声が上がっていました。
そこで公明党の山口那津男代表が7月13日、仙台市内の講演でガソリン補助金について「心配な状況が出てきたら続けられるように考えたい」と主張するなど、負担軽減策の延長に向け、党幹部が積極的に発言を繰り返してきました。
特に8月9日の自公党首会談で、山口代表が、負担軽減策の期限が切れることへの国民の不安を取り除く必要があると岸田文雄首相に訴え、首相が賛同したことが、大きな流れをつくりました。
同22日には岸田首相から、燃油価格対策を与党で緊急に検討してほしいとの要請を受け、公明党は政府・与党内で協議を重ねながら、燃油に加えて電気・都市ガス代の負担軽減策の延長も求める緊急提言を同30日に政府へ提出。同日、岸田首相が、これらの負担軽減策の10月以降の継続を決断するに至りました。
――期限が迫る中での発表でした。
10月以降も延長するかどうかは、9月1日までに決めなければ混乱を招きます。公明党が、ギリギリのタイミングで政府の決断を促したといえます。
■(経済対策) 賃上げの環境整備へ全力
――今後、政府が策定する経済対策について。
まず、燃油・電気・都市ガス代については、当面の負担を和らげる手立てを打つことができました。しかし、これから暖房需要が高まる冬に備え、対策を強化しなければなりません。また、物価高はエネルギー価格以外にも、さまざまな分野に影響が及んでおり、生活者支援も含めた、きめ細かい対策が求められています。そのためには、大規模な経済対策が必要だと考えています。
特に重要になるのが、賃上げです。最低賃金は全国加重平均で1004円となりましたが、まだ物価上昇には追い付いていません。中小企業が価格転嫁できる環境整備も急務です。物価上昇率を上回る賃上げなどを実現し、経済の好循環を生む政策の総動員を訴えていきたいと思います。
物価高騰の“危機”に対して、公明党は国会議員、地方議員のネットワークの力を生かし、現場の声を受け止めながら、機動的な対応を政府に強く求めていく決意です。