自転車利用者のヘルメット着用が努力義務など
(公明新聞 8日付け) 改正道路交通法の施行により、4月1日から自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となりました。
今月11日からは「春の全国交通安全運動」が始まります(20日まで) 。改めて自転車事故の現状や安全利用のポイントを紹介します。
■交通事故件数は増加傾向
警察庁によると、2022年に発生した自転車が関係する交通事故は6万9985件でした。10年前と比較すると半減していますが、ここ2年は増加傾向にあります。
また、交通事故全体に占める割合は23・3%で、近年増え続けています。
事故の相手は自動車が圧倒的に多く、77・2% です。そのうちの46・8% が「出会い頭衝突」で、次いで「右左折時衝突」(26%) でした。
事故の原因として、自転車側に法令違反があったケースは67% に上ります。多いのは、十分な確認をせず相手を見落とすといった安全不確認など「安全運転義務違反」が41・5%、次いで「交差点安全進行義務違反」が12・5% となっています。
警察は22年中に違反の内容を知らせる「指導警告票」を約132万件交付。約2万5000件の交通違反を検挙しました。
■ヘルメット着用が努力義務に/頭部を守り致死率下げる効果
4月1日から自転車利用時のヘルメット着用が努力義務となりました。着用しなくても違反とはなりませんが、致死率を下げる効果があるため、年齢を問わず着用するようにしましょう。
自転車の乗用中に亡くなった人は、約6割が頭部に致命傷を負っています。被害軽減のため、頭部を守ることが重要です。自転車乗用中のヘルメット着用の有無と致死率の関係を見ると、着用の場合は非着用の場合と比べて致死率は約半分になります。
東京都の足立区や江東区など、ヘルメットの購入費用を補助する自治体もあります。都議会公明党の推進で、都はヘルメット購入を補助する区市町村を支援する方針を示しました。各地の公明議員が自治体に補助制度の創設を要望しており、実施する自治体が増えることが期待されます。
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自転車の利用者などに自転車保険の加入を義務付ける自治体が広がっています。今年4月現在で、32の都府県で義務化、10の道県で努力義務化されています。自転車と歩行者の事故で高額な損害賠償を求められるケースが相次いでいます。現在、加入している保険で補償されるかを確認し、家庭の状況に応じた保険を選びましょう。
■気を付けたい5つのルール
事故を防ぐには、自転車に乗る側もルールの順守が不可欠です。政府は自転車利用時に守るべき重要なルールをまとめた「自転車安全利用五則」を昨年11月に改定しました。その内容を紹介します。
①車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
法律上、自転車は軽車両です。車道と歩道の区別がある場所では車道の左側を通行するのが原則です。歩道を通行できる場合でも、車道寄りを徐行し、歩行者の通行を妨げる場合は一時停止しましょう。
②交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
交差点では信号を守り、安全を確認して横断します。一時停止の標識がある場所は必ず一時停止をしましょう。
③夜間はライトを点灯
夜間はライトをつけなければなりません。乗る前にライトがつくか確認しましょう。
④飲酒運転は禁止
お酒を飲んだときは、運転をしてはいけません。
⑤ヘルメットを着用
自転車に乗るときは、ヘルメットを着用しましょう。
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また、自転車運転中にスマートフォン(スマホ) を操作する「ながらスマホ」が原因となる事故も多発しています。重大な事故につながるので絶対にやめましょう。