学校、家庭、地域社会の協力強化を
(28日付けの公明新聞「視点論点」より) 女優・樹木希林と内田也哉子著の『9月1日 母からのバトン』(ポプラ社)に、こんなくだりがあった。
「『死なないで、ね……どうか、生きてください……』。去年(2018年) の9月1日、母(樹木) は入院していた病室の窓の外に向かって、涙をこらえながら、『今日は、学校に行けない子どもたちが大勢、自殺してしまう日なの』」と。
樹木が内田に「絞り出すように教えてくれた」(同著) ように、多くの小中高校で夏休みが明ける9月1日前後は「自殺が多い」(22日付・読売) とされる。
実際、政府が今年2月に公表したデータを基に、17~21年の間に自殺した小中高校生を月別に合計すると、9月が205人と最も多く、8月が204人と続いた。
文字通り、注力すべき時期を迎えている。
文部科学省は6月、「自殺は学校の長期休業明けにかけて増加する傾向がある」とし、各都道府県教育委員会などに対し、『児童生徒の自殺予防に係る取組について(通知)』を発出した。
通知によれば、
▽自殺の兆候がみられた場合には特定の教職員で抱え込まず、保護者、医療機関と連携し組織的に対応
▽児童生徒、保護者へ電話相談窓口「24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310) 」やSNSを活用した相談窓口の周知――を要請。
また地域住民も参画し学校内外における見守り活動の強化や、教育委員会によるネット上の書き込みへの「ネットパトロール」なども対策として挙げた。
片や現場では、一層の工夫も。大阪府吹田市は公明党の推進もあり、1人1台の学習用端末を活用し、ボタン一つでヘルプサインを学校や市教委に直接送信できる「マモレポ」を導入。奈良県では教員用研修冊子を独自に改訂したと聞く。
教育委員会に加え、学校、家庭、地域社会による協力体制の強化で、子どもたちの命を守らねばならない。(田)
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