防災週間
もしもに備えてー避難所での注意点
(28日付け 公明新聞より)「防災の日」9月1日が近づいてきました。
自宅にいては危険なとき、自治体が設けた避難所に身を寄せることも選択肢の一つです。
もしものときに戸惑わないよう、避難所を使用する上での注意事項を確認しておきましょう。
避難所は災害によって自宅にいては危険な人などが一定の期間、避難生活を送る場所です。
地域の学校や体育館、公民館などが指定されていて、どこに避難所があるかは各自治体のホームページで確認できます。
高齢者や障がいのある人、妊婦や子ども、外国人などが避難所で生活する上で周囲の人の配慮は大切です。
心配な場合、自治体が設けている「福祉避難所」を利用することもできます。事前に確認しておきましょう。
プライバシーの確保が難しいこともあり、避難所での生活はとても不自由だといえます。
慣れない環境でのストレスや過労などで体調を崩してしまうこともあります。そんな生活の中で最も重要なのは、お互いに助け合う「共助」の精神かもしれません。
当番などを決めて自主的に避難所運営に参加するなど、互いに助け合い、少しでも快適に過ごせるようにルールやマナーを守ることが重要です。
■定められた生活時間は守る/居住スペースでの飲酒は厳禁
具体的には① 起床から消灯まで定められた生活時間を守る
② 食料や生活必需品などの物資の支給は順番を守って受け取る
③ むやみに他人の居住スペースに立ち入らない
④ 居住スペースでの飲酒は控え、喫煙は指定された場所で行う――などです。
これ以外にも避難所によってさまざまなルールを設けることがあります。限られたスペースで、同じ姿勢でいる時間が長くなりがちな避難所生活では、血行不良でできた血栓が原因の「エコノミークラス症候群」の発症リスクが高まります。
【イラスト】にあるような足の運動をするなど、意識的に体を動かしましょう。
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避難所にペットを連れて行きたいという人もいると思います。しかし、全ての避難所でペットの同行避難ができる訳ではありません。
事前に自治体のルールを確認しておきましょう。ペットの同行避難が可能な場合、他の避難者とのトラブル防止へ次のような点に気を付けてください。
ペットは指定された場所にリードなどでつなぐか、ケージなどに入れましょう。避難者の中には動物アレルギーのある人や動物が苦手な人もいるかもしれません。居住スペースで一緒に生活することは難しいと考えておいてください。
また、トイレなどの後始末はきちんとすること、餌やりは時間を決めて行い、その都度片付けることなども徹底しましょう。
コロナ禍での避難所生活では感染対策も求められます。避難所の備蓄品には限りがあるので、マスクや体温計、アルコール消毒液などは、可能な限り自宅から持って行くと安心です。
避難所では小まめに手洗い、うがいをするとともに、定期的な体温チェック、マスクの着用、咳エチケットの励行などの基本的な対策が必要です。
■間仕切りなどで3密避ける
また、限られたスペースの避難所では3密が発生しやすいため、背を向けて座る、段ボールなどで間仕切りをするなど、可能な範囲で対策を心掛けておきたいものです。
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改めて確認したい「自助」の大切さ
(今日の公明新聞「主張」より) 8月30日から9月5日まで「防災週間」。
一人一人が“大災害の時代”を生きているとの認識を持ち、防災・減災の主体者であるとの自覚を新たにしたい。
今夏も各地で記録的な豪雨に見舞われた。新潟県関川村で8月4日、観測史上最大の1時間に149ミリの降水量となったのをはじめ、これまでの記録を更新した地域が相次いだ。
気候変動に伴う自然災害の激甚化・頻発化は人命に直結しかねない脅威であり、甘く見てはいけない。
特に近年は、積乱雲が次々と発生して局地的な大雨をもたらす線状降水帯が要因となり、各地で甚大な被害を引き起こしている。
2014年の広島土砂災害や18年の西日本豪雨などの教訓を踏まえ、気象庁は今年6月から、線状降水帯の発生予測を前倒しして半日前から発表する運用を始めた。
こうした気象情報や、自治体が出す避難情報などを生かし、迅速な避難行動を取る必要がある。
防災対策ではまず、自分の命は自分で守る「自助」が基本である。
今後も台風シーズンが続くだけに、風水害への警戒が不可欠だ。
個人の避難行動計画を時系列で決めておく「マイ・タイムライン」を作成し、万一の事態に慌てぬよう対応を確認してほしい。
発生が危惧される巨大地震への備えでは、自宅の家具の適切な固定や、仮に家具が倒れても入り口をふさがない配置、最低3日間、可能なら1週間分の備蓄を進めたい。
各家庭でできる基本的な対策こそ重要になる。わが家の対策が意識的にできていれば、離れて暮らす父母らの備えにも気を配ることができる。
被害を最小限に抑えるためには、地域防災力の向上も欠かせない。その後押しとなるのが、天候や防災対応を助言する「気象防災アドバイザー」だ。
気象庁退職者など高度な知識を持った専門家が自治体のニーズに適した防災対策をサポートする。公明党が強く推進するなどして、導入する自治体は増えている。さらなる活用・普及に努めたい。