誰もが安心して暮らせる社会へ/答える人 古屋範子副代表
(今日の公明新聞に「Q&A 公明党の参院選重点政策」第2弾が紹介されています)
公明党の参院選重点政策の第2弾は、社会保障政策です。
古屋範子副代表にポイントを聞きました。
■(子育て応援トータルプラン)現役世代への支援を強化するため、妊娠・出産、幼児教育から高等教育までの無償化や経済的支援を段階的に充実
――社会保障で重視するのは。
古屋範子副代表 団塊の世代が75歳以上になる2025年以降、人口構造は「高齢者の急増」から「現役世代の急減」へと局面が変化します。
超高齢化・人口減少が本格化する40年に向け、社会保障制度の主な担い手である現役世代への支援強化を急がねばなりません。
こうした中、公明党は“未来を担う子どもたちと家庭を全力で応援する”との政治の強いメッセージが何より重要と考えます。
そこで昨年の衆院選に掲げ、検討を進めてきた「子育て応援トータルプラン」を年内に策定し、妊娠・出産、幼児教育・保育から、大学など高等教育までの無償化や経済的支援を段階的に充実させていきます。
――具体的な施策は。
古屋 まずは、増加傾向にある出産費用への対応です。公明党の推進で42万円まで拡充された出産育児一時金について、さらなる増額に取り組みます。
また、産後うつなどを防ぐための「産後ケア」や訪問による家事・育児支援の全国展開を進めます。子ども医療費も、高校3年生までの無償化をめざします。
■奨学金返還額、柔軟に減額を
――「教育費の負担を減らしてほしい」との声もありますが。
古屋 ニーズの高い高等教育の負担軽減に力を入れます。例えば、奨学金について、卒業後の返還の負担が結婚や子育てなどの足かせになっているとの指摘があります。
そこで、結婚や出産などのライフイベントに応じ、一定年収までは返還額を柔軟に減額できる制度を創設します。
また、高等教育の無償化(給付型奨学金と授業料減免)について、現行約380万円未満の年収要件を緩和し、中間所得層の多子世帯や、授業料が高い理工農系学部の学生にも対象を広げていきます。
公明党は、「誰も取り残されない『教育立国』」を掲げています。
その観点から、不登校などで長期欠席の小中学生が過去最多の約29万人に上っている現状を重く受け止めています。
個々人に配慮して特別の教育課程を編成することができる不登校特例校を、各都道府県などに1校以上設置します。
加えて、夜間中学やフリースクールなど、学びの場を確保し、訪問相談やオンラインの活用も進めます。
■(認知症・ヤングケアラー)認知症の人が安心し希望を持って暮らせる共生社会へ、基本法を制定。ヤングケアラーの相談・家事支援を強化
――認知症施策は。
古屋 認知症の人の尊厳が守られ、安心し希望を持って暮らせる共生社会を築くため、基本法を制定します。
25年には、高齢者の5人に1人、約730万人が認知症になると推計されています【グラフ参照】。高齢者支援に関する公明党のアンケートでも、困り事・心配事(複数選択可)として最も多かった回答が「自分や家族が認知症になったとき」(64%)でした。
――基本法制定の意義は。
古屋 認知症施策の法的な根拠として、予算の裏付けとなり、施策を前に進める原動力となります。例えば、がん対策を見ても、06年制定の基本法によって拠点病院の整備や検診、教育、仕事と治療の両立などが充実しました。
公明党は、初の国家戦略となる認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を15年に策定させるなど、認知症施策を主導してきました。基本法制定で、こうした流れを加速させ、家族も含めた相談・生活支援を強化します。
――ヤングケアラーへの支援強化が党重点政策に盛り込まれました。
古屋 家族の介護や世話を日常的に担っている子ども「ヤングケアラー」の深刻な実態が明らかになってきました。国の実態調査では、小学6年生の6・5%が世話をしている家族が「いる」と回答。
中には、平日1日に「7時間以上」(7・1%)を世話に費やす児童もいます。学業や健康への影響に加え、孤立が懸念されています。
公明党が先頭に立ち、相談支援や家事支援などを一層、強化していきます。
■8050問題で孤独・孤立対策
――社会的な孤独・孤立の問題への対応は。
古屋 コロナ禍で孤独・孤立の問題に注目が集まっていますが、80代の親が50代のひきこもりの子を支える「8050問題」などは以前から深刻でした。
公明党は、世代・属性を問わず包括的に支援する「重層的支援体制整備事業」を市区町村に広げていく決意です。居場所の確保などを支援する「孤独・孤立対策交付金」も創設します。
また、性的マイノリティー(少数者)に対する不当な差別や偏見があることから、性的指向と性自認に関する理解増進法の制定をめざします。
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