こども家庭庁創設へ
公明新聞「主張」支援策拡充へ縦割り克服を
(今日の公明新聞より)政府は先月、子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」に関する基本方針を閣議決定した。
17日に召集された通常国会に同庁設置のための関連法案を提出し、2023年のできるだけ早い時期の創設をめざしている。
基本方針の前文に明記されている通り、子どもに関する取り組みや政策を真ん中に据えた社会の構築が、こども家庭庁創設の目的である。
人員や財源の確保も含め、しっかりとした体制づくりを進めてもらいたい。
子どもを巡る課題はコロナ禍によって一段と深刻化している。20年度には、小中高生の自殺が前年度から100人近く増え、初めて400人を超えた。
憂慮すべき事態だ。また、小中学生の不登校も8年連続で増加し過去最多になっている。コロナ禍によって人との交流が減る中、ネットいじめの件数も調査開始以来、最も多くなっている。
国を挙げて子ども政策を強化することが急務であり、こども家庭庁の果たすべき役割は極めて重い。
基本方針によると、同庁は首相直属の機関として設置され、厚生労働省や内閣府の関連部局を移管し、教育分野を担う文部科学省と連携する。
各省庁の取り組みが不十分な場合に改善を促す「勧告権」も有する。
子ども政策は多岐にわたる上に、それぞれが関連し合っており、基本方針にある通り「各省庁より一段高い立場」から子ども政策を一元的に推進する体制を構築する意義は大きい。
肝心なのは実行力を持たせることである。各省庁の関連部局の寄せ集めに終わらせないためには、首相のリーダーシップが不可欠だ。具体的な成果を挙げられるよう強い覚悟で取り組んでほしい。
公明党は昨年5月、当時の菅義偉首相に提出した「骨太の方針」などに関する提言の中で、省庁の縦割りをなくし、子どもと家庭を総合的に支えていく必要性を訴え、こども家庭庁の創設を提案、先の衆院選重点政策でも創設を求めてきた。
「子どもの幸せを最優先する社会の実現」を掲げる公明党は、子ども施策の拡充に全力を挙げていく。