高槻市議会議員 吉田あきひろのごきんじょニュース

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デジタル庁始動

□公明新聞 党活動 / 2021年8月30日

官民のデジタル改革の司令塔

デジタル庁始動官民のデジタル改革の司令塔となるデジタル庁が9月1日に発足します。公明党はデジタル庁創設に当たり、「豊かな国民生活と誰一人取り残さない社会の実現のために」との理念を政府に訴えてきました。デジタル庁の組織や業務内容などを解説します。

■(展望)誰も取り残さない社会へ

デジタル庁は、その推進するデジタル社会のビジョンとして「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」をめざし、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を進めていくとしています。

そのために「データを効果的に活用した多様な価値・サービスの創出」を可能とし、社会課題の解決や国際競争力の強化などにも役立てます。

具体的には、▽スマートフォンを使いワンストップ(1カ所)で官民のサービスが使える▽就学期や子育て期などライフステージに合わせ、必要な行政手続きが最適なタイミングで通知される▽健診情報などの連携で、どこでも自分に合った医療・福祉が受けられる▽鉄道・バスの運行状況、カーシェアの空き状況などの連携で円滑に移動▽自然豊かな場所で暮らし、通勤せずデジタル空間で仕事▽自宅で世界中の教育プログラムを受けられる――などの将来像を示しています。

■(組織)他省へ勧告など強い調整力

デジタル庁は、デジタル社会の形成に向けた施策の基本方針を企画立案し、他省への是正勧告など強力な総合調整を行います。このため内閣直属で首相を長とし、担当閣僚のほか、事務方トップとして特別職の「デジタル監」を配置します【図と表参照】。

人員は500人規模で発足し、うち100人以上はシステム構築の責任者を経験した人材を中心に民間から起用する予定です。35人を採用した1回目の公募は、競争率が約40倍に上りました。

縦割りでないフラットな組織とするため、局長や課長といった従来のポストを置かず、プロジェクトごとにメンバーを募って仕事を進める方針です。テレワークのほか、非常勤職員には兼業や副業を認めるなど、多様な働き方の実現をめざします。

所在地は東京都千代田区紀尾井町で、地上36階建ての民間ビル【写真】に入居します。

■(業務)行政サービスの向上めざす

主な業務の一つは、これまで各府省で所管してきた国の情報システムに関する予算を一括計上することです。段階的に集約し効率化を進めることで、2025年度までにシステムの運用や改修にかかる経費の3割を削減します。

行政サービス向上へ、住民登録や税、福祉などの業務を処理する地方自治体の情報システムについて標準化・共通化を推進。マイナンバー制度の所管庁として、マイナンバーカードの普及にも取り組み、22年度末までにほぼ全国民に行き渡らせる方針です。また、医療、教育、防災分野や中小企業など民間のデジタル化も支援します。

データの信頼性を担保するため、情報とその発信者が本物であることを保証する認証制度を企画立案するとともに、正確かつ最新の状態が確保された社会基盤となるデータベースの整備を進めます。

このほか、サイバーセキュリティーやデジタル人材の確保、高齢者らが身近な場所でデジタル機器・サービスの使い方を学べる「デジタル活用支援」などに力を入れます。

■(経緯)コロナ給付金手続きで混乱

デジタル庁創設の背景には、新型コロナウイルス感染拡大への対応で行政のデジタル化の遅れが浮き彫りになったことがあります。

一律10万円の特別定額給付金をはじめ、各種給付金のオンライン申請や支給でシステム上のトラブルや混乱が生じたほか、押印や書面を要求される手続きのために企業のテレワークが進まない事例も散見されました。

IT基本法が制定された00年から20年以上も行政のデジタル化が進んでいない理由として、昨年の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)では、国民が安心して簡単に利用する視点で行政システムが構築されていなかったことや、国や自治体でシステムや業務プロセスがバラバラになっている点などを指摘しています。

こうした反省を踏まえ、菅義偉首相は昨年9月の就任時にデジタル庁創設を表明。同12月に基本方針が閣議決定され、国会審議を経て今年5月に関連法が成立しました。

■公明提言が反映

公明党は、デジタル改革の推進へ精力的に議論を重ね、昨年11月に党デジタル社会推進本部とデジタル庁設置推進ワーキングチームが政府に対し、デジタル庁の設置に向けた提言を申し入れました。

この中で「誰一人取り残さない」との理念を訴えたほか、行政手続きの利便性向上や、日常生活に加え学術研究、政策立案などにおけるデータ利活用、高齢者らの機器利用をサポートする「デジタル活用支援員」の制度化・普及などを要望しました。

関係閣僚への勧告権限や自治体システムの標準化も求め、いずれも基本方針や関連法に反映されています。