コロナ禍の世界に希望届けた
公明新聞「主張」より 東京五輪閉幕
東京五輪が8日、閉幕した。新型コロナウイルス感染拡大の影響による1年延期に加え、開幕前には東京都に緊急事態宣言が発令され、ほとんどの競技が無観客の会場で行われるなど、異例ずくめの大会となった。
出場した選手の多くにとって、心身ともにコンディション調整は困難を極めたに違いない。しかし、鍛え抜かれたアスリートが躍動する姿は見る者を魅了し、数々の新記録も誕生した。
コロナ禍の世界に希望と感動を届けてくれた約1万1000人の選手全員に拍手を送りたい。
開催国の日本は、金27、銀14、銅17の計58個のメダルを獲得し、総数と金メダルの数はともに過去最多となった。まさに快挙である。
また、大きな混乱もなく史上最多の33競技339種目で熱戦が展開された。ボランティアをはじめ大会を支えた関係者の労をねぎらいたい。
「多様性と調和」を理念の一つに掲げた東京五輪では、難民選手団や、性的少数者(LGBT)であることを明かした選手の参加が注目を集めた。今後の五輪でも、この理念を継続してほしい。
開幕前には中止や再延期、縮小開催などを求める声もあった。
しかし、開会式を中継したテレビ番組の視聴率が56・4%(関東地区)を記録、過去最高である1964年東京大会の61・2%(同)に迫った。さらに、閉幕に合わせて行われた報道各社の世論調査では、開催して「よかった」との回答がJNNで61%、朝日新聞で56%に上った。多くの国民が五輪開催を肯定的に受け止めたようだ。
猛暑の季節に開催したことや、過去の言動による大会関係者の相次ぐ辞任など、今後の教訓とすべき課題も少なくない。しっかりと検証し、五輪の健全な発展につなげるべきである。
一方、大会成功のカギを握っていた感染対策では、選手および大会関係者に対する厳重な行動管理とPCR検査を徹底、感染者を早期に発見することができ、運営に支障は出なかった。今回の成果を、今月24日開幕の東京パラリンピックに生かし、万全の対策で成功に導いてほしい。