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国産ワクチン

2021年4月30日

公明新聞「主張」 医療の安全保障の観点で重要

9BB1C2ED-6A73-4C73-AC03-6CB7C4740E24公明党は28日、菅義偉首相に対し、新型コロナウイルスの国産ワクチンに関する緊急要望を行った。2022年にも供給できるよう早期開発と生産体制の整備を求めている。

新型コロナ対策の「切り札」であるワクチンの国産化へ、国は総力を挙げてほしい。

国産ワクチンが急がれる理由としては、ワクチンの安定供給に加えて、「変異株」への対応がある。

今回のコロナ禍で日本は、海外製ワクチンの確保に腐心している。しかし、日本で特有の変異株ができた場合、これに対応したワクチンを海外メーカーが作るとは限らない。このため緊急要望では、「医療の安全保障」の観点から国産ワクチンの確保が重要と強調している。

国産ワクチンについては、国内の製薬メーカーが安全性や有効性を確認する初期段階の治験(第1相、第2相の臨床試験)を進めている。

ここで見過ごせないのは、ワクチン開発が大きな課題に直面していることだ。最終段階の治験(第3相試験)が実施困難になっているのである。

大規模に行う必要がある第3相試験については主に海外で実施することを想定している。感染拡大とワクチン接種が同時に進む中で、治験の協力者に偽薬の使用を了解してもらうことは容易ではない。治験を実施する国の協力も不可欠だ。

この第3相試験について緊急要望では、協力国との調整や交渉をメーカー任せにせず、国が前面に立って対応するよう求めている。日本政府が責任を持ってこそ相手国の理解を得ることができる。

変異株に対応したワクチンが早急に必要なケースを想定し、第3相試験ではなく、他の検証試験で代替できるかも急ぎ検討すべきだ。

このほか、中長期的な戦略の必要性を訴えている点にも注目したい。

新型コロナに限らず、感染症のワクチンに関して国産は少ない。新たな感染症の大流行も見据え、国内自給体制を強化する必要がある。国際的にも日本は、ワクチン開発に関して基礎的な研究力が高いとされる。その力量を十分に発揮できるようにすべきだ。

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