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公害国会から50年

2020年12月3日

公明新聞/産業と環境の調和を大幅に改善 法政大学名誉教授 永井進氏

F9649808-9534-49DB-8376-022CC1DDD14C11月28日(土)公明新聞、「公害国会から50年」の評価。

“今から50年前の1970年、公害は日本における最大の社会問題であった。1960年代の高度経済成長期、全国総合開発計画に依拠して、石油や鉄鋼を基軸とする重化学コンビナートが主に太平洋岸に集中的に整備され、四日市、川崎、尼崎などの工業地帯の周辺地域住民に喘息などの大気汚染被害が広がった。

また、工場汚水による水質汚染が進み、水俣病、イタイイタイ病などの深刻な健康被害が発生した。マスコミでは「カラスが鳴かぬ日はあっても、公害が取り上げられない日はない」という状態であった。

1970年の“公害国会”(第64回国会=同年11月24日召集)では、「産業と環境の調和」条項が記された1968年の旧公害対策基本法が大幅に改正され、大気汚染や水質汚染などに関する14の公害対策法が一挙に成立し、71年に環境庁(後に環境省)が新設された。

1972年、国連環境会議がストックホルムで開催され、生態系の危機、地球環境問題とともに、日本では、環境汚染というよりも人間の健康被害や生活環境の破壊という公害が発生していることが議論された。

1973年、公害健康被害補償法が成立し、被害者救済とともに、公害に対する規制の強化、公害防止投資などの環境対策が始まった。その後、大気汚染の原因が産業界から、都市の自動車交通に広がり、1978年には自動車から排出される汚染物質を10分の1に削減するという日本版マスキー法が導入され、エコカーが普及する契機となった。

また、都市のごみ処理問題から、電気製品等のリサイクルや省エネ商品の普及が広まった。こうした展開によって、大気や水質の環境基準等が徐々に満たされ、深刻な公害は改善されたが、一方で、アスベスト公害の救済の遅れや、自然環境の保全、環境アセスメントなどの予防措置を伴う対策は不十分であった。

地球環境問題は、大気中の温室効果ガスの増加による平均気温の上昇を、産業革命以前に比較して、1・5度以内に抑制して、地球の生態系、異常気象などの弊害を防ぐというものである。

このため、国連は、1992年に、ブラジルのリオデジャネイロで地球サミットを開催し、気候変動枠組条約を採択し、世界の国々が一体となって、大気中に放出される温室効果ガスを削減し、気候変動を防ぐ取り組みを行うことになり、毎年、世界各地で条約を批准した国々が集まることになった。

そして、1997年、京都市で行われた気候変動条約第3回締約国会議(COP3)の京都議定書で、温室効果ガスの拘束力のある削減値が、歴史上、初めて決定され実施された。

同会議では、先進国と後進国との間で、一律の削減率を設定するのは困難であるところから、京都メカニズムという、共同実施、クリーン開発メカニズム、排出量取引などの各国間の協力体制を制度化し、効果を上げた。

■温室効果ガス「実質ゼロ」へ

その後、2015年のCOP21会議で締結されたパリ協定(165カ国)では、各国は、2020年以降の温室効果ガスの削減目標と達成年度を宣言し、その進行状況を専門家がレビューすることになった。

日本では、10月末に、菅首相がパリ協定に従って「2050年までに温室効果ガス実質ゼロ」にすることを宣言したのである。

■70年代の経験を生かし温暖化対策を

地球環境の温暖化は、すでに、異常気象などによる被害が生じているが、今後、このパリ協定に従って、各国は、目標に至るプロセスを明示していかなくてはならない。

今後、日本社会は、70年代の公害の経験を踏まえ、再生可能エネルギーの拡大、産業界における脱炭素のプロセス、省エネルギー都市生活の構築など、ESG(環境・社会・企業統治)の目標とともに、社会を変革していかなくてはならない。”

待ったなし「脱炭素社会」

2020年12月3日

公明新聞 “見てナットク”

E03E4316-E6A3-422D-A89D-FB936009EBA811月27日(金)の公明新聞、“見てナットク”「脱炭素社会」の記事。

“近年、国内外で相次ぐ異常気象は、二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスによる地球温暖化が原因とされています。

公明党は今年1月の通常国会の代表質問で、山口那津男代表らが政府に対し、2050年までに国内の温室効果ガス排出を実質ゼロにする「脱炭素社会」の実現を訴えました。

菅義偉首相も10月、臨時国会の所信表明演説で同様の方針を表明。

脱炭素社会への移行は“待ったなし”です。温暖化の現状や各国の取り組み、公明党の主張などを解説します。

◇

温暖化による相次ぐ異常気象
熱波、干ばつ、集中豪雨、海面上昇

地球温暖化の現状
増え続ける世界の温室効果ガス排出量(2000年、約400億トンが2017年、500億トン超、国連環境計画による)

世界の温室効果ガス排出量と気温上昇の見通し
対策を取らない場合、今世紀末の気温は4~5℃上昇、排出量は2010年、400億トン超が2050年、800億トン超。各国の目標が達成できた場合、3~3・5℃上昇、2030年、400億トン超が500億トン超。気温上昇を2℃未満に抑える場合、2050年200億トン超、国連環境計画の資料などを基に作成)

「脱炭素社会」実現が急務
CO2=ダウン、O2=アップ、「脱炭素社会」とは、CO2排出量=吸収量の実現、CO2排出量を抑制し、その吸収量を差し引きで「実質ゼロ」にする世界共通の達成すべき目標。

世界が目指すもの
地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」(2020年本格始動)、温暖化の脅威への対応を強化
・全ての国が自主的な温室効果ガス削減目標
・途上国に資金や技術を支援
※今世紀後半、世界の温室効果ガス排出を実質ゼロに

・5年ごとに状況を検証して目標を引き上げ
・被害の軽減策を推進
※産業革命前と比べた気温上昇を2℃未満に抑制、できれば1・5℃に。

主な温室効果ガス削減目標
・日本 2020年~2030年、2013年度比26%減~2050年、実質ゼロ
・EU 2020年~2030年、1990年比55%減~2020年、実質ゼロ
・米国 2020年(パリ協定離脱→復帰の見通し2021年)~2035年までに電力部門の排出ゼロ~2050年、実質ゼロ
・中国 2020年~2030年、減少に転じさせる~2060年、実質ゼロ

気温上昇1・5℃と2℃で何が変わる?
・洪水リスク >1976年~2005年までを基準に、洪水の影響を受けている。世界の人口は2℃上昇で170%増、1・5℃では100%増
・サンゴ礁の消失 >2℃上昇でほぼ全滅、1・5℃上昇で70~90%死滅
(気候変動に関する政府間パネル「1・5℃特別報告書」から)

◇

日本はどう取り組む
日本の二酸化炭素(CO2)排出量は? 発電所など40・1%/鉱業など25%/自動車・船舶など17・8%/その他17・1%

公明
2050年の温室効果ガス排出量「実質ゼロ」政府に提案(1月)

・石炭火力発電の段階的縮小
・再生可能エネルギーの主力電源化を推進(太陽光発電、風力発電)
・森林整備、都市緑化
・さらなる技術革新(CO2の地中貯留、水素車)

自民、公明両党の連立政権合意に気候変動対策を明記(9月)
2050年までの温室効果ガス排出量 首相が「実質ゼロ」表明(10月)

地球温暖化対策に取り組む決意「気候非常事態宣言」を決議(11月)

2020年度第3次補正予算編成に向け訴え
〇ゼロ・エネルギーハウス普及促進へ補助制度の拡充
〇脱炭素社会構築に向けた基金創出で技術革新を後押し
〇排出したCO2を回収し活用する「カーボンリサイクル」の推進、水素社会の加速化など国主導で強力に

(創)太陽光発電システムー(省)使用エネルギーの見える化ー(蓄)蓄電池”

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