不妊治療への支援
公明新聞 “見てナットク” 2020/10/23〈4面〉
子どもを望んでいても1年以上、妊娠しない状態を、一般的に不妊症といいます。加齢の影響を受けやすく、男女共に原因不明と診断されるケースも少なくありません。
この場合、妊娠の確率を高める不妊治療へと進みますが、多くは保険適用外です。1回当たり数十万円の治療を繰り返すこともあり、高額な費用が重い負担となっています。
不妊に悩む夫婦を支えるため、公明党は20年以上前から不妊治療への保険適用を主張してきました。粘り強い訴えが今、実現へ大きく近づいています。
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【背景】
晩婚化などを背景に不妊治療を受ける夫婦が増加。夫婦全体の5・5組に1組は不妊の検査や治療を経験している。生まれた赤ちゃんの16人に1人は体外受精や顕微授精で誕生(2018年)
【主な治療と1回当たりの費用】
検査で原因が見つからない場合、一般的にはタイミング法から始め、結果に応じて体外授精など、より高度で高額な治療に進む。すぐ妊娠する場合もあれば、何年も治療を続ける場合もある。
〈保険適用〉
検査5,000円前後 > タイミング法1万~2万円
〈保険適用外〉
人工授精1万~4万円 > (体外受精20万~60万円 > 顕微授精30万~70万円)
( )部 ⇒ 体外受精と顕微授精は国の助成制度の対象
助成額、1回につき最大15万円(初回は30万円)、●治療開始時に妻が40歳未満(通算6回まで)、●同40~42歳(通算3回まで)、要件、夫婦合算の所得が730万円未満
治療の支えとなる一方、所得要件厳しいとの声も・・・
【経済的な負担】
■費用総額が300万円を超えるケースも多い(10%以上、25%未満は100万~200万円未満)
■治療を断念するなどの経験がある人は半数以上、経済的理由で治療を進めることを躊躇、延期、断念した経験があるが54%
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【公明党は20年前から一貫して推進】
2000年、不妊治療への保険適用を求める署名活動を全国で展開。約55万人の署名を集め、政府に提出
2004年、国の治療助費助成制度がスタート。金額や対象を段階的に拡充し、地方議会では自治体独自の上乗せ支給などを実現
今年9月、党内にプロジェクトチームを発足
10月9日、党女性委員会が菅総理に提言、主な政策は●保険適用や助成制度の拡充、●不妊治療、不育症の治療水準向上、●治療と仕事を両立できる環境整備、●相談、カウンセリング体制の拡充
流れが加速
今年9月、不妊治療への保険適用を菅総理が表明。「出産を希望する世帯を広く支援し、ハードルを下げるために、不妊治療への保険適用を実現する」(9月16日)
10月14日、厚生労働省の諮問機関が保険適用に向けた議論に着手。15日、菅総理が「年末に『工程表』を明らかにする」と明言
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私も高槻市議会の12月定例会の一般質問で2011年に提起、「若者の未来と子育てについて -少子化を考える」不育症治療の公費助成等を。会議録、12月16日 若者の未来と子育てについて―少子化を考える―もご参照。
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【高槻市の取り組み】
本市では現在、「不妊に悩む方への特定治療支援事業(全国的には所得制限がありますが、高槻市では独自に所得制限を撤廃しているため、所得に関係なく助成を受けることができます。)」を実施、詳しくは市ホームページや窓口へのお問い合わせを。
また、「不育症治療費助成事業」を実施。2012年当時は大阪府内の自治体で“初”の治療費助成事業がスタートしました。