高槻市議会議員 吉田あきひろのごきんじょニュース

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正常化の偏見を破ろう!

□ホームページ □防災・減災 視察・研修会 議会活動 高槻市HPへリンク / 2020年7月16日

令和2年度高槻市議会議員防災研修が開催され

20200715_070931054_iOS15日(水)、議会運営委員会(6月23日)でもご案内をいただいておりました、市議会主催の「高槻市議会議員防災研修」が消防本部3階研修室において“3密対策”を行い開催されました。

第1部は「災害時・平常時の議会、議員活動のあり方と災害対策本部との関係」と題して、跡見学園女子大学・観光コミュニティ学部教授、鍵屋一氏の講演から。

鍵屋先生のご講演を拝聴するのは2回目、昨年度の北摂市議会議長会でのご講演以来です。当時は、新型コロナはありませんでしたが・・・

第一部のはじまりは
・体操から、左手はグーで右手はチョキ。左手がチョキなら右手はパー、左手パーで右手グーなど繰り返し(中々うまくいきません)
・人は、はじめてのことは、うまくできないもの。100点を目指すのではなく60点を。そんな話題から・・・
・災害が発生すれば、早く安全なところに逃げること。withコロナ、分散避難が大事。
・避難所の段ボールベッド、床から30cm高、これがなければ高齢者は床に食事を置いて。誤嚥やホコリからウィルス感染の危険。
・障がい児の避難所、車中泊多い、特別支援学校を推進。バリアフリーや清潔なトイレ。企業版ふるさと納税などで。
・男鹿のナマハゲの話し、怠けを剥ぐ。「泣く子はいねえか、なまけものはいねんか」、(2018年ユネスコ無形文化遺産)、実は、災害ボランティアの姿。「ナマハゲ台帳」は要配慮者情報。避難場所は神社、参道の整備、確実な避難。

・防災の正四面体、自助、共助、近助(互助)、公助。
・進み続ける高齢化と高齢者単身世帯の増加
・関連死の問題。熊本地震、自宅で39・6%
・近所づきあいの減少、1975年当時50%から2007年は10%に。ナマハゲは消防団員で減少傾向、自治体職員も。
・誰が逃げろと伝えたか、誰が逃げるのを支援したか?、家族同居人、近所友人、福祉関係者。支援力の強さ。近所や福祉関係者重要。

ここで質問。大地震発生直後、あなたは家族と自宅にいました。何をしますか?
・30秒以内でいくつ書けるか?
・多い方は6項目、私は3項目だけ(汗)・・・家族を守る、火の元を確認する、電気を確認する・・・
・先生から「自分自身はケガをしないのか?」、これこそ“正常化の偏見”「自分は大丈夫!」の意識
・自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価してしまう人間の特性、“最大の敵”
・防災訓練(今回のような)を行った時にスイッチを入れることが大事

各自治体の事例を通して
・黒潮町、耐震化の取り組み
・兵庫県、災害時ケアプラン
・大阪市、災害時、高齢者、障がい者、妊産婦等に協力できますか調査、何らかの形で77%
・富士宮市、わが家は大丈夫
・和歌山県田辺市、文里地区の避難ルート導出過程
・池間島、災害リスク課題
・秋田県大仙市、福祉施設避難

災害時、平常時の議会のあり方
・地方議会の役割、二元代表制の一方の機関として、①監視機能、②政策立案機能
・災害時の議会、議員の使命、「住民の命を守る!」
・平常時の議会質疑(総合計画や地域防災計画上の位置づけ、施策の財政、将来負担など)
・大災害時の地方議会、議員の例、阪神淡路大震災(神戸市議会)、「行政の邪魔をするな」「たのまれたことをやろう」
・東日本大震災(東松島市)、「議長が対策本部に常駐」「市長に先決依頼」「議員は地域活動」
・議会のサイレントタイム、災害対策本部が応急対策を実施中は、議会活動を中止。執行機関が議会紙料を作成し、説明が物理的に可能になる時期以降に再開を。

災害対策本部との関係
・議会が監視機能と政策提案機能を発揮すると、災害対応全体が遅滞する。
・議会と執行化機関が協力すると混乱は少ない

議会が「正常化の偏見」を破ろう!
・行政職員の危機管理力を高めるため、議会が質疑、提案を通じて重要性を訴え続ける。今年の取り組み、課題等は。
・防災以外の常任委員会で防災の質疑を。
・「三不忘」議会こそ、平時から危機管理を。一、治まりて乱を忘れず 二、安くして危を忘れず 三、存して亡を忘れず。

最期に新型コロナの講演も。

第2部は、実習として「段ボールベッド」等の組み立て。

・3班に分かれての実習。
・暖段はこベッドと暖段まじきりの組み立て実習。
・はこベッド、小さな箱を4箱づつ作り(全部で24箱、簡単でした)大きな箱に入れる。これを6セット。その上に、天板2枚置いて、ベッド完成。
・まじきり、折り曲げてジョイントするだけ(12枚)。飛沫遮断用カバーもあって、こちらはベッドの頭部へ
・班の皆さんと協力し合い、段ボール箱から出して、組み立て、解体して、箱に納める作業。概ね20分くらいでしたか。

◇◆◇◆◇

高槻市議会は、2年前の大阪府北部地震の教訓より「高槻市議会災害時初動及び平常時等における行動マニュアル」を策定。この中に、“市議会及び議員が、このマニュアルに従い確実に行動するには、防災知識の習得や 防災訓練等を日々積み上げていくことが重要であるため、次に示す訓練等の例示を参考 に実践する。”とあり、「防災研修会」が例示されている一つ。今回の「高槻市議会議員防災研修」がそれに当たります。

現在は、「新型コロナウィルス感染症対策」も追録される予定です。

◇◆◇◆◇

議長就任当時、今年の4月頃に研修会(鍵屋先生の講演会)を計画させていただきましたが、新型コロナの影響から一旦中止にさせていただきました。現議長の方で引継いでいただき、議運の委員長や議会事務局の皆さんとともに進めていただきました。

また、濱田剛史市長はじめ理事者の皆さん、危機管理室をはじめ関係職員の皆さんもご参加いただきました。今回、実現できましたこと、大成功の開催になりましたことに喜びもひとしおです。

「災害時の議会・議員活動のあり方」を学ぶ <あきひログ