高槻市議会議員 吉田あきひろのごきんじょニュース

明日の 希望は ひとりの人を 思う心から

タイムライン防災で命を守る

□公明新聞 □防災・減災 高槻市HPへリンク / 2017年8月16日

新たな水害多発時代に備え~これからの台風期、先を見越して早めの対応を!~ 公明9月号から

20170813_062403406_iOS月刊「公明・9月号」を読んで着目した記事です。
環境防災総合政策研究機構 環境・防災研究所副所長 松尾一郎氏

《最近の水害とその難しさ~同じ事の繰り返し~》
地球温暖化の影響もあって、大雨(線状降水帯)による河川氾濫や土砂災害が続いている。

◎台風18号(平成27年)による豪雨で鬼怒川決壊
◎台風10号(平成28年)は、はじめて太平洋側から東北地方に上陸、岩手県小本川が氾濫、高齢者福祉施設等が被災
◎(平成28年)北海道に3つの台風が上陸、空知川が決壊、南富良野町が被災、また、一連の雨で中小河川が氾濫、車で移動中の人々が犠牲に。
◎福岡・大分の九州北部(平成29年7月)では、梅雨末期の停滞前線がもたらした局地豪雨によって40名を越す犠牲者が。

心からお見舞い申し上げます。

松尾氏は、被災地に入り、災害の課題や教訓を調査され、この災害の特徴は雨の降り方がこれまでと異なり、新たな水害多発時代になったと感じられている。今年は、日本周辺の海面水温が例年より高く、加えて日本海や黄海なども同様の傾向になっているとも示されている。

このことは、日本の西方や南方から多くの水蒸気(暖湿気)が供給される状況にあるとし、今回の24時間で500ミリ以上の大雨と、全国的に発生している記録的大雨の大きな要因だとされている。そして、これまで以上に大雨が降る環境になっていることは国民の命を守るためにも注意しなければならないと。

災害は確実に起こる。今、起こっていることを対岸の火事とせず、我が身に置き換え、先を見越して備えを進めることが、命を守ることにつながると。

《タイムライン防災で備え、水害に対応する》
タイムライン防災:特に水災害は、突発災害である地震となどと違い、命を守る行動を取る猶予時間がある災害。住民の命を守るために「何が起こるか」を想像し、それに対して日頃から各主体が役割を認識した上で、的確に防災対応を図れる災害であると。(平成24年10月、米国ニューヨークを襲ったハリケーンサンディへの防災対応にタイムラインの原型が=ハリケーン対応計画附属書)

《タイムライン防災を知る Q&A》
様々な地域や組織のタイムライン防災を進める中で、よく聞かれることをQ&Aにされています。

Q.タイムライン防災は人命救助が一番の目的。他の目的は?

A.防災にとって人命救助は最上位のテーマ。タイムライン検討も同様。一方で水防災の視点から①インフラ被害の軽減、②経済活動の保護、③被害を軽減させる水防活動などが大きな目的であり、各実施主体が地域を守るための防災行動や被害の最小化を実現する事前の防災行動、その行動のタイミングを参加者が共有・合意しておくことがタイムラインの目的。

Q.先行事例における効果は?

A.◎機関・部署間の連携強化の必要性や各主体の行動内容の理解促進、顔の見える関係の構築など、災害時対応への安心感。◎他機関、部署の防災行動への理解や防災知識の理解が深まり、人事異動による防災担当者の交代時にも対策漏れの防止、◎早めの判断によることで、福祉避難所の準備もスムーズ、◎災害を想定した事前行動の整理、◎行政無線でのきめ細かな広報での早めの避難、気象情報や役所の行動が住民にわかりやすく安心。

Q.局所で短時間で発生するゲリラ豪雨でも有効か?

A.局所的集中豪雨(ゲリラ豪雨)は、発生の予測ができても、数時間程度の猶予時間しか持てないことが通常。このため、短い時間の中で取るべき対応行動の優先順位をあらかじめ整理しておくことにより、有効性を発揮すると考える。

他にも様々なquestionが…

 

高槻市においても平成27年度主要施策として「防災タイムライン(事前防災行動計画)」の策定に着手。

20170816_042553712_iOS平成28年度高槻市防災会議より~
案件:高槻市地域防災計画の修正について

◎平成28年度訓練結果及び平成29年度訓練計画について
災害タイムライン(防災行動計画)の策定について
◎平成28年度の災害状況について
◎その他

平成28年度高槻市防災会議 <高槻市ホームページ
(写真は芥川を視察 2017/8/16)

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災害タイムライ(防災行動計画)の策定について
(以下のとおり事務局から報告を行った。)

ア 目的と方針
大規模水災害が発生することを前提に、発災前から各対策部や関係機関等が迅速かつ的確な対応をとるために、いつ、だれが、何をするかをあらかじめ明確にするために策定。

ィ 条件設定
河川堤防の決壊を0時間として時間軸を設定。台風の接近に伴い3日前より降雨を観測し、大雨・洪水注意報、大雨・洪水・暴風警報、大雨特別警報が段階的に発表され、この影響により淀川の水位が上昇、堤防天端まで到達し、最終的には堤防が決壊。24時間後に最大浸水区域となる。

ウ 高槻市における台風等接近に伴う災害タイムライン
72時間前から24時間後以降の9段階の時間帯を設定し、72時間前から24時間前までの2段階を「情報収集期」、24時間前から0時間までの4段階を「災害警戒期」、0時間から24時間以降の3段階を「応急対策期」として、気象・水象情報の状況の変化に対し、淀川河川事務所及び淀川ダム統合管理事務所、高槻市、並びに住民等がそれぞれ取るべき主な行動を示す。

エ 検証
平時においては、災害タイムラインを活用した防災訓練を実施し、災害発生時には、災害タイムラインをチェックリストとして、防災行動を適切に実施する。また、災害対応事後には、検証を行い課題を抽出し、災害タイムラインの見直しを実施する。

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高槻市には淀川・芥川・檜尾川・女瀬川等々あり、先日、“高槻市水害・土砂災害ハザードマップ”(河川の増水によって堤防が決壊して浸水する「外水はん濫」と集中豪雨等によりマンホールや側溝から雨水が溢れて浸水する「内水はん濫」の浸水範囲とその程度や、土砂災害警戒区域等を示したもの)も配布されたところです。

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今日の「公明新聞」にも“タイムライン”の記事が掲載されていました。住民主導で高潮タイムライン(事前防災行動計画)、高槻市と環境が違い、高潮を対象とした(貝塚市の)タイムラインは全国初というが、住民の手による策定は極めて珍しく、防災の専門家からも注目を集めていると。