子ども子育て支援新制度について
平成28年3月定例会一般質問〈1〉
昨日、3月定例会が閉会しましたが、28日に一般質問させて頂いた「子ども子育て支援新制度について」ご報告させて頂きます。
国では、一般会計総額96兆7218億円の2016年予算が29日の参院本会議で賛成多数で可決・成立しました。中でも公明党の主張の一つである待機児童対策など子育てや教育への支援が、大きく反映されました。特に、2017年度までの保育の受皿の拡大を40万人から50万人増やすとともに、保育士などの待遇改善に向けた経費が計上されました(他にも認知症対策など医療・介護分野の施策充実、防災・減災や東日本大震災からの復興加速、地方創生など)
前日の私の一般質問「子ども子育て支援新制度について」
少子化という大きな課題の中で、私は、子どもを健全に育てる大切さを強く感じています。「子ども・子育て支援制度」の意義は、子どもの最善の利益が実現される社会を目指すことを基本に、社会的支援の必要性が高い子どもやその家族を含め、全ての子どもや子育て家庭を対象とし、一人ひとりの子どもの健やかな育ちを等しく保障することを目指すこと等、保護者が子育てについての第一義責任を有することを前提に環境の変化を踏まえて、地域や社会が保護者に寄り添い子どものより良い育ちを実現することに他ならないとされています。
この間、社会環境が大きく変化する中で、待機児童解消が大きなテーマになっているのは周知の事実ですが、国においては、平成25年度より「待機児童加速化プラン」を打ち出し、平成27年4月に「子ども・子育て支援新制度」が施行され、一人ひとりが輝き活躍できる社会の実現に向けて、所謂、一億総活躍社会の実現を、現在も、保育の受け皿を当初の40万人分から50万人分へ平成29年度(2017年度)末を目指して、拡大すること等が進められています。
高槻市においても、地域における保育や幼児教育などの質と量を共に拡充する新制度に対しては、昨年の4月から本格的にはじまり、間もなく1年が経過しようとしています。
本市では、平成20年(2008年)から画期的な市独自の「認定保育制度」を設け保育の質量の担保を図ってこられましたが、時間経過の中で、潜在的なニーズも含めて「待機児童」の問題が広がってきました。また、この間も、待機児童解消等に向けた取り組みも、高槻市保育計画を策定し、段階的な待機児童の解消を行い平成26年度(2014年度)から連続での厚生労働省基準である待機児童ゼロ宣言をされ、特長的な臨時保育室も見学させて頂きましたが、高く評価をしています。また、市全体での子育てに関する様々な取り組みを拡充してこられたことや本定例会でも「地域子ども・子育て支援事業」等が可決されたところです。
さて、新制度の主なポイントは、①認定子ども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付である施設型給付及び小規模保育等への給付である地域型保育給付の創設、②認定子ども園制度改善として幼保連携型認定子ども園の改善等、③地域の実情に応じた子ども・子育て支援の充実として、利用者支援、地域子育て支援拠点、放課後児童クラブなどの「地域子ども・子育て支援事業」、④基礎自治体が実施主体であろこと、⑤社会全体による費用負担となっています。
新制度一年目を前にして、まだ総括のレベルではないと思いますが、現在の進捗状況はどうなのか。この間も市民相談などで、希望する保育園に中々入れない、近くにあるのに、離れたところに行かなければいけない、また、担当課の方に丁寧に相談にのって頂き感謝しているなどの様々なお声が寄せられています。
(質問)
①現状の待機児童の状況と今後の推移は。
②新制度の中でも量的な課題をどのように分析しているのか。
③小学校への接続も含めて、子どもの成長に伴う連続性の取り組みについてはどう考えているのか。
④質的な課題はどうなのか、特に、保育士不足が課題視されているが、今後の保育士の必要数をどのように考えているのか。
(答弁)
①平成28年(2016年)4月1日での待機児童については、厚生労働省基準に基づく集計をはじめたところ、現段階では確定していない。
②保育所等の申込者数は今後も増加傾向が続くことが予想され、課題であると考えている。
③保幼小連携の推進、保護者・地域が一体的となり、子どもの健全な育成に努めていく。
④市子ども・子育て支援事業計画に基づいて、確保方策を実施した場合、平成31年度(2019年度)までに新たに必要になる保育士数は233名となり、その確保が重要と考えている。
1問目のご答弁であったように、保育所等の申込者数は、今後も増加傾向が続くことが予想されている事から、今後の待機児童解消については、まだまだ、施設型及び地域型施設の必要性は強く感じます。また、子育てとしての連携と連続性のあり方が重要だと思います。
さらに、今後の施設計画の中で、質の担保を図る意味でも、これからの4年間で新たに233名をどのようにして確保するのか。今後の保育士の確保策の考え方が重要です。
そのために本市では、現在、潜在保育士などの現場復帰を支援する高槻市保育士・保育所支援センター事業を北摂初の取組みとして始められていると理解しています。
厚生労働省では、保育士確保プランを公表していますが、国全体として、平成29年度(2017年度)末時点では、46.3万人必要と示されています。その具体策として、保育士試験年2回の実施や離職保育士に対する再就職支援は本市でも行なっていますが、他に処遇改善、保育士試験の受験者への学習費用を支援することなど、国のメニューにはあるものの、学習費用支援などは都道府県単位としており、市町村は対象になっていません。府などへも要望を図りながらも
⑤本市として効果的な推進が必要だと感じます。いかがお考えか。
⑥問題は、本市では計画通りに進むのか、民間を中心に施設をつくるが保育士が確保できなければ計画通りとはいえない。現在の状況は大丈夫なのか、待機児童は解消されるのか、今後の見通しを聞かせてほしい。
さらに、本市には、公立の保育所13箇所と幼稚園が22箇所、認定こども園が1箇所ありますが
⑦現在の入所状況などをお聞かせ願いたい。
(答弁)
⑤今後、就労を希望する個人については、他市の動向を見きわめ、調査・研究していく。
⑥現状は概ね確保されているが、今後についても、保育士が確保されるよう取り組んでいきたいと考えている。
⑦平成28年(2016年)3月1日時点で、保育所定員1340人に対して1568人在籍、幼稚園は1715人に対して1306人、認定こども園は190人に対して162人が在籍。
(意見・要望)
ご答弁より、これからの保育士の人材確保の重要性を痛感しまた。しっかり取り組みを進めて頂きたいと思います。また、公立保育所と幼稚園の現状も理解しました。時代変化を適格に捉えて、子育ての内容をさらに重視していかなければいけない時代にきていると感じます。民間幼稚園が認定子ども園制度を進めるように、公立の立場としても今後しっかりと検討していかなければいけないと感じます。
また、近未来を見据えて、財政的に脆弱な本市としては、財源的な措置も適切にしていかなければいけません。
今回は、保育所等の一面に関してお聞きしましたが、時代の変化と多様化する保育ニーズにもしっかり分析・検討していかなければいけません。すべての子ども達の成長を心から願い、これからの未来図をしっかり示すことが重要です。
新制度に、社会全体による費用負担とありますが、社会全体が未来を担う子どもたちのために寄り添いながら進めることが大切なことだと感じます。
最後に、要望・提案として、保育幼稚園事業においては、継続的な待機児童ゼロを求めさせて頂き、保護者が選べるメニューを重視し、多様な設置主体の参入がある中で、官民一体となっての適切な取り組み、課題整理、課題解決を、子育て・保育・幼児教育の適切な情報共有を目的に、市全体としての園長会や研修会等を行なっていく必要があると感じます。
また、代表質問でも会派として要望等させて頂きましたが、子育て世代包括支援センター事業を中心に、切れ目のない子育て施策や子育てに寄り添う仕組みづくり、放課後の居場所づくり、貧困対策、学童保育の拡充や子ども食堂の推進、虐待防止策の充実、家庭訪問型子育て支援など、これからもしっかり民間の協力を得ながら、学校も含めた官民の関係機関との連携強化を、子ども未来部が中心になって図って頂き、ともに子ども達の成長のために注力して頂きたいと思います。
もう一つのテーマ「障がい福祉について」は次回に続きます。