介護サービス向上へ
介護サービス提供の体制強化と適切な情報提供・・そして信頼関係
今回の一般質問は、福祉サービスの向上を目的に、サービス提供への体制強化や情報提供のあり方を「介護保険サービスについて」と題して質問を行いました(平成25年12月18日)
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本市の高齢化率の特長は、昭和40年代からの急激な人口増加により、団塊の世代が多く、平成27年(2015年)には26.9%になることが推計されています。
福祉サービスの今までの取組みとして、高齢者の総合相談窓口となる地域包括支援センターが圏域ごとに12箇所設置されてきました(高齢者人口3,000人から6,000人単位、人口3万人に1箇所が国の基準)
高齢化の進展に伴い相談件数も必然的に増加し、近年では6,000件を超え、さらに、問題解決が困難な事象も増加していることは、社会環境の変化、核家族化、希薄化等が背景にあるのだと感じています。
私は、今後の取組みで、重要なことだと感じることは、超高齢社会で介護サービスを提供する上での体制強化や、適切な情報の発信であり、総合相談を受ける上での、問題の解決力を付けることだと感じています。
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国は、高齢化が一段と進む12年後の平成37年(2025年)以降において、適切な医療・介護等のサービスが受けられる社会を実現すべく、できる限り住み慣れた地域で在宅を基本とした生活の継続を目指す「地域包括ケアシステム」の構築を、平成24年度(2012年度)を取組みのスタート年と位置付けしています。
本市も、その必要性の認識のもと、平成24年3月に「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」を策定し、着実に取組んでいきたいと示されてきました。
取組みの初年度は、機構改革を行い、介護予防事業と地域包括支援センターの所管課を介護保険課から長寿生きがい課へ移し、また、大阪府から権限委譲された、介護サービス事業所の、指定・指導の権限を福祉指導課が担当し、福祉、介護サービス等の質の向上と、適切な連携に向けた体制整備を図ってこられました。
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質問として、現計画の課題整理や進捗状況、また、今後、目指す「地域包括ケアシステム」をどう考えているのか、また、機構改革での成果や、地域包括支援センターの質の向上への取組みについて確認し、また、体制の強化と、適切な情報提供・共有が問題解決に重要な視点であり、現在、年度ごとに発行している「高齢者・暮らしに生かそうサービスガイド」は、介護、福祉、保健、医療の概要的な内容であり、近隣市に見られるような圏域ごと、施設ごとの「介護保険サービス」に特化したガイドブックの必要性を訴えました。
介護サービスを受ける上での心配は、「今後どう進めていけば良いのか」、「在宅が希望なのか」、「どんな施設があるのか」、「どれくらいの費用が必要なのか」、「施設の空き状況はどうなのか」、様々、考えられ、詳細な情報があれば、相談を進める上でも効果・効率的で、親切な対応だと感じます。
また、「居宅サービス等の事業所一覧」や「大阪府のホームページ・介護事業所検索(厚労省:介護サービス情報公表システム)」と本市のホームページがリンクされていますが、大切なのは内容であり、中核市として権限委譲を受けていることからも、独自の細やかな情報提供、例えば施設の概要だけではなく、費用等も含めての、詳細なサービス提供をしていくべきではないかと質問をしました。
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答弁では、平成24年度における要介護認定者は、14,044人で、対計画値の494人増加、介護給付費の執行率は対計画値の94.6%、ほぼ計画の範囲内で推移しているとのこと。また、地域ケアシステムについては、団塊の世代が75歳となる2025年を目途に、医療・介護・予防・住まい・生活支援を提供する上で、それぞれの主体が連携し一体的な提供をすること、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられるよう、それぞれの役割が発揮される地域構築を認識しているとのことでした。
さらに、機構改革については、地域包括支援センターの周知が効率的にでき、指導監督体制の充実を図ることができるなどの効果があったとのことで、課題として、介護が必要となる方々の増加に伴い、地域包括支援センターでの介護サービス・福祉サービスなどの多様な相談の増加による支援体制の確保があげられました。
情報提供では、現在のサービスガイドも役立ててもらってきたが、圏域・施設ごとの特化したガイドブックは、事業所等、安心して選んで頂くために、近隣市を参考に検討を進めるとの答弁を頂きました。
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私は、今回の質問に先立ち、高槻中央地域包括支援センターを視察させて頂きました(先日ブログでも紹介 12月12日)、センター管理者のご説明では、公正・中立を基本に取組み、多忙な中でも、適切な情報提供が重要であることから、積極的に研修会へ参加する中で、質の向上を目指していることや、また人材の育成や確保が今後の課題と示され、中でも利用者本人はもとより、家族や地域との信頼関係が最も重要な視点だと伺いました。
また、調査を進める上で、「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」に示される情報に関してのアンケート結果では、高齢者向けのサービスや施策の情報について、要支援・要介護認定者の入手先で一番多いのは「ケアマネージャー」であり、次いで「広報たかつき」や「市が発行するパンフレット」、三番目に「地域包括支援センター」と続いていました。また、65歳以上の未認定者では、「広報紙やパンフレット」が一番多い情報入手手段となっていました。
因みに、市のホームページやケーブルテレビでの情報入手については、比較すると、相当少ない結果になっていますが、総務省が示すように、60歳以上のインターネット利用状況は、概ね増加傾向にあるが、世代や年収間の格差はいまだに存在するといわれていることからも、インターネットからの入手が、少なくなっている要因だろうと推察してみました。
しかし、現計画にも示されている通り、介護サービス情報を利用者が活用できるように、市のホームページからリンクしている「指定情報公表センター」の周知に努めるとあり、次の世代のことも含め、情報の発信については、さらに充実を図るべきだと訴えました。
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最後に質問と要望を行いました。今回の質問を通じ、利用者等の気持ちや立場に立った検討と、さらなる体制強化の充実、また、国では、2年後に介護保険の法改正が検討されていることから高齢福祉・介護サービスの加速度的な取組みが、今、必要だと強く感じており、これまでのことをしっかり検証した上で、地域包括ケア体制の整備に向けての加速的で具体的な取組みを強くお願いしました。
地域で受ける市民相談には、相談窓口のことや、老老介護の心配、同居家族が介護のストレスを感じ悩んでいるとの、お声も多く頂いていることを紹介させて頂きました。
これからも、高槻市行政と市民との信頼関係が大切であり、市が委託する地域包括支援センターの公正・中立の立場の重要性と、本市の姿勢としては、透明性を確保していく立場にあり、そうしていかなければ市の責任が果たせないと、10月の決算委員会でも申し上げてきました。
近隣市では、本市の一歩先ゆく取組みとして、地域包括支援センターの運営協議会において、「要支援者が要介護認定となった際に居宅介護支援事業者につないだ件数」として、地域包括支援センター別、市内の介護施設別で、ケアプラン作成の委託先への件数を、ホームページ上で公開しています。これらの取組みは、透明性を表す重要性と、サービス向上への安心と信頼につながるとの思いで、指摘・要望してきました。
これらの要望する現在の進捗状況と今後のあり方、地域包括ケア整備に向けての決意を問いました。
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最後の答弁では、進捗状況としては、適宜、把握に努めているということ、今後のあり方については、本格的な高齢社会の到来の予測の中、地域包括ケアのコーディネーターや関係機関とのネットワークづくりを担う中心的な役割を果たしていく必要性があること、介護保険制度改正の状況を踏まえ、体制整備等について十分な検討を行っていくことを示され、決意として、2025年度を目途に支援体制の構築を着実に進めていくと答弁を頂きました。