大阪都構想と橋下市長の辞任表明について
連日、橋下市長の辞任・出直し選挙の話題が報道されています。マスコミの反応も冷静で、総じて、コメントは辛口。やはり、辞職理由には無理がある大義なき選挙ということが知れわたっているからにほかならないと思います。
橋下市長は、法定協議会で都構想が否決されたかのような表現で大げさにぶちあげていますが、あれは、真実ではありません。法定協議会は、市長、知事の4つの案から1つに絞り込む提案に対して、意見開陳を各党が行い、維新は賛成、ほかは反対と表明、浅田議長(維新)が、否定が多数と判断しただけで、採決さえ取っていないのです。その際に、次回の法定協議会として、2月12日が設定され、4案のまま審議が続くことになっていました。
ところが、松井知事が12日の法定協議会で質問責めに合うのを嫌ったのか、浅田会長を説得して、延期の通知を法定協議会委員に送る始末、本日10日には、公明、自民、民主みらい、共産がそろって、予定どおり法定協議会を開催するよう申し入れを行いました。
橋下市長も、松井知事も、一委員に過ぎず、法定協議会をストップする権利も、廃案にする権利もありません。さらに、法定協議会を解散するには、再び、議会の議決が必要です。国を動かして、法律までつくってもらい、反対派の会派まで巻き込んで、議論に参加してもらいながら、まして、これまで協力をしてきた公明党に罪をなすりつけて、うそつき、裏切り者呼ばわり。人の道や宗教を語る資格は、ないと思います。
橋下市長、松井知事は、住民投票まで協力しない公明党は、約束違反と触れ回っていますが、そもそも選挙協力を申し出たのは、橋下氏からで、2012年の公明党府本部の新年互礼会の席上でした。その後、法案の成立に向けて、住民投票の案を提示したのは、むしろ公明党側のアイデアだったのです。都構想を目指し、新しい大都市制度づくりに向けて真摯に取り組んでいるのは公明党であり、その精緻な質疑について、建設的と評価していました。役人のつくった不備だらけの案を丸呑みして協力するなどとは一言も言っていないのです。
今回のいきさつを説明すると、1月20日の時点で、予算要望を橋下市長に行った際に案の絞り込みについては、反対であることを伝え、どうしてもというのなら、他会派の了承をとってもらわないと、今後の審議に響くと提案しました。橋下市長も、維新と公明だけでというわけにはいきませんねと仰っていたのです。
ところが、それから何日たっても、維新の議員も首長二人の動きもなく、法定協議会の前々日に玉虫色のペーパーが一枚出てきました。それも役人に説明に回らせるという荒いもので、何の誠意も感じられない行為でした。
そもそも、区割りの絞り込みは、今回のパッケージプランの工程表では、第3ステージの最後であり、現在は、第2ステージ。スケジュールを変えるなら、正式に変更の願いをすべきで、それもせず、挙句の果てに、市長辞任とは、全く理解に苦しむ行動であると思います。
市長選挙には、6億円もの費用が掛かります。一昨日の記者会見では、案の絞り込みをするために説明書をつくるために選挙をやらせてもらいたいとしていましたが、絞り込みの手法としては、承認を得るほかに、自主的に取り下げるという手法があります。これには、誰の了承も必要ないのです。多額の費用をかけて選挙をやる必要性はまったくありません。取り下げ方式については、橋下市長自らも口にしていた方法でしたし、その方法については、各党が異を唱えるべきものでもないのです。
法定協議会においては、代表者会で質疑の方針を決めます。そこで提案したり取り下げたりは基本的に自由。当方も当初提案していた20万人案が今の事業の振り分けスキームでは高コストになることから取り下げましたし、自民党はコストが抑えられる一区案を提示しています。橋下市長が言う、取り下げが独裁的となど、誰も思っていないのです。
それどころか、今回、大義として持ち出してきたのが、法定協議会の委員の会派構成において、自民、民主みらい、共産を排除するということを言い出す始末。もちろん、市長選挙で出直したからと言って、そんな権限は彼にはないし、除名した元維新府議を取り込んで議決によって、強引に維新で埋め尽くすということができるわけ所以はありません。それならば、なぜ、府知事選をやらないかとなってしまうのではないでしょうか?このことの方が案の取り下げなどよりもずっと独裁的で危険な考え方だと思います。
もう予算委員会の時期であり、今年は、消費税アップによる景気対策も重点項目であります。中小企業支援や低所得者対策、雇用促進など課題は山積、一方で、成長戦略としてのイベント企画や動物園、美術館の整備、IR(統合型リゾート)、交通網の拡充など、やるべき仕事は山のようにあります。
橋下市長は、このような状況を鑑み、合理的かつ現実な対応で都構想に臨みながら、本来の仕事である市長職をしっかり取り組むため、速やかに辞職を撤回し、業務に復帰すべきだと思います。
法定協議会は、これからもスケジュールどおり開催されなければなりません。大都市のあり方について、今後とも、議論を深め、大阪の未来のための施策運営に邁進してまいりますので、よろしくお願いいたします。