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宝塚市 江原和明
kazuaki5ebara@gmail.com

テーマ:高齢社会における国保・介護問題と地方議会議員の役割

講師 :NPO法人 全国保険者機能評価機構 理事長 永翁幸生氏

はじめに、問題提起として様々な現状課題について地方議員としての視点を述べた。

1.少子高齢化への取組みは、子ども達の教育現状、例えば学校給食の残飯の大量処分をどう考え、教育現場で何を教えるのか

2.長寿社会の歴史、大正9年男性平均寿命61歳、平成3年男性平均寿命77歳、2025

年には団塊世代700万人が75歳以上となる。

3.健診受診率全国平均32%、未受診者対策と取組みが低調、精神疾患患者321万人

4.医療と介護、施設と薬で解決する現在の対処法をいつどのように改善するのか、日常生活圏域での「見える化」には、地縁(コミュニティ)組織を活用すべき

5.人口減少社会、多摩ニュータウンはゴーストタウンに変貌する

6.介護サービス事業者の不正受給事件は内部告発、生活保護不正受給の調査はどうか

7.放置空き家問題と後見人を必要とする人数調査はしているのか

8.大家族から核家族、さらに一人暮らし時代、行政連絡の返信確率はどうか

9.介護認定者589万人、サービス受給者485万人、約100万人のサービス受けない理由

以上の問題提起について約1時間話をされてから、具体的な課題に入った。

1:地域包括ケアシステムの充実と第6期介護保険事業計画について

平成27~29年度までの3か年分を推計して、第6期介護保険事業計画が策定されようとしていますが、その前提として日常生活圏域ニーズ調査が実施されているようだが、サンプリングのみの、抽出調査で、実際把握できる訳がなく、全員調査をいなくてはならない。参考として、埼玉県和光市、東京都多摩市の事例紹介があった。

また、介護保険事業計画に関して、厚労省からのワークシートを利用しているのか、さらにその3か年推計についての検証委員会が存在するのか、疑問である。

2:市町村国保の都道府県への移行問題と制度の抜本的解決方法を考察する

我が国の社会保障制度の財源は、原則、保険料である。しかし、平成24年度の国保

財政状況は、赤字額3055億円となり、法定外繰入額は3534億円となっている。

俗にいうプログラム法では、医療保険制度改革について、平成27年度国会において

財政上の構造問題の解決にむけて、国保運営を市町村から都道府県へ移行する方針

が提出されようとしている。

全国知事会では、多くの知事からは反対の意向表明がだされている現状である。その理由としては、市町村から都道府県に移行したとしても収納率の向上がはかられる見込みはないこと、また各都道府県内での賦課方式などを統一する困難さや、現在抱えている赤字総額の解消策が見いだせないまま、移行することは困難であるなどである。

各市町村が実施している、税金投入による法定外繰入について都道府県は実施できないため、基金の創設が検討されているが、その詳細は不明である。

また、市町村国保における保健事業について、特定健康診査の実施状況として、全国的にも受診者率33%、特定保健指導の積極的支援の必要者の終了率は14%台であり、自らの健康は自らの意思と行動による自助努力があまりに低下している。

3:介護保険事業におけるPDCAサイクルについて

介護保険制度に限らず、PDCAサイクルの必要性は言われて久しいが、行政側はこの

PLAN(把握・計画)とDO(実行)までは常に意識して行うが、その後のCHECK

(評価・検討)ACTION(改善策を講じる)がほとんど行われていない。ここが重大な問題点である。

例えば、介護サービス現場において、ケアプランに基づいてヘルパーがサービス実施記録票を記入する、それをもとに請求がなされている訳ですが、個人宅の密室のなかにおいて、実際どのようなサービスがなされたか、モニタリングされていない限り全く分からない現状である。社会福祉に関しては、性善説に基づいているため、ケアプラン通りに実施されていると考えられている。しかしながら、それらの検証を一切しないで、請求通りの支払いを行うことで良いのか、一部では内部告発により、水増し請求が発覚している。平成17年6月の参議院厚生労働委員会において、介護保険法

等の一部を改正する法律案に対する附帯決議が全会一致で可決している。その中の23項目目には、居宅サービスの実施状況を保険者において、より正確に把握・管理するシステムの確立、不正請求の防止を徹底すること。明記されているが、個別のサービス実施状況のモニタリングの実施は皆無である。

今後、要支援1~2程度の方に対しては、地域支援事業へ移行していくことになるが、

さらに、2次予防高齢者を含めた地域におけるマンパワー確保問題、介護・住まい・

医療・介護予防・権利擁護をトータルで、地域包括ケアシステムとして各自治体が

担っていくに当たり、日常生活圏域の決定、地縁の活用策、自助努力を促すための

教育啓発活動など、広範囲な取組みが必要となる。そのための行政組織も必要ではないのか

といった話がありました。

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