カテゴリー(視察・研修)

7月9日(日)~10日(月)、長野県大町市で開催されている「北アルプス国際芸術祭2017」に、立川文化芸術振興議員連盟で視察してきました。この議員連盟は立川の文化芸術振興を考える超党派の議員有志で昨年7月に結成し、これまで講師を招いての研修会などを行ってきましたが、市外での視察研修は初めてとなります。

大町市は立川市の姉妹市であり、これまでも官民様々なステージで交流が行われ、長く続いている野球交流のほか、特に近年は環境、教育、文化などでも交流が進んでいます。そのような中、本年は大町市で国際芸術祭を開催するとの情報をいただき、その総合ディレクターに北川フラム氏が就かれるとのこと。北川氏は言わずと知れたアートディレクターで、越後妻有トリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭でも総合ディレクターを務められています。そして、立川が誇るパブリックアート群の「ファーレ立川アート」のディレクターでもあり、この機会に「一層の文化交流を!」と議会でも訴えていました。

視察には、大町市長の力こもる歓迎の挨拶をいただき、幹部職員の方々にも鑑賞したアートの説明や、開催の目的や経緯・開催後の状況などについて詳しくご説明をいただきました。また、大町市議会議員の方々もアート鑑賞にご同行いただき、姉妹市議員の交流も図ることができました。

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5月23日に、愛知県豊田市で立川市議会公明党会派行政視察を行いましたのでご紹介します。

視察先: 豊田市役所
調査項目:高齢者移動支援事業について


写真 2017-05-23 12 15 07本市のコミュニティバス・くるりんバスは現在6台のバスで運行されており、昨年には、交通不便地域の解消などを目的にルートの再編が行われた。過去のルート再編などにおいても、また今回のルート再編においても、市民の方々から多くの意見が寄せられている中で、地域の環境や実情に応じた地域公共交通のあり方については、将来を見据えた視点も含めて考えていく必要がある。そのような中、高齢化や過疎化など、日常の移動手段の確保が喫緊の課題となっている自治体においては、様々な取り組みが進められており、我が会派においてもこれまで視察調査など研究を続け、市へ対して検討を求めてきた。
今回は、高齢者の移動支援事業として大学と共同での実証実験を行っている豊田市において、それまでの取り組みや、現在の課題、今後の方向性などを調査することで、本市における公共交通のあり方の検討を進める参考とするため、視察を行った。
 
【調査概要】

田市福祉部高齢福祉課および都市整備部交通政策課から事業概要の説明を受け、その後、質疑応答を行った。

◆ひとり暮らし高齢者等移動費助成事業
 日常生活において介護や支援が必要であるが、一人暮らしのため家族の支援を受けられない高齢者に対して、移動にかかる交通費の一部を助成することで、住み慣れた地域で自立した生活を送るための支援としている。
 具体的には、介護保険の認定を受けた単身世帯の方を対象者とし、年間1万6千円分のタクシー助成券を交付している。助成券は100円券となっており、利用に際しては乗車料金の半額を限度に使用することができる。
 高齢化の進展により交付者は平成23年度の1,043名から、平成28年度では1,932名と倍近くとなっており、交付枚数に対して使用された利用率は約5割となっている。本年度の助成予算は約13,000千円。

◆自動車学校のスクールバスを利用した高齢者等交通対策事業
 市内の自動車学校と協定を締結して、通常運行している自動車学校のスクールバスに、高齢者及び障がい者が空きスペースに乗車できる事業として平成14年度よりスタートした。スクールバスのため、介助者はおらず、障がい者や高齢者向けの車両ではないため、一人で乗り降りできることが条件となっている。
 当初は自動車学校へ金銭的補助も検討したが、有償運送として道路運送法に抵触することが判明した。しかし自動車学校から社会貢献として無償で実施したいとの申し出を受け事業を開始することができた。
 予約方法の変更や路線の大幅改廃などにより、運行当初から比較すると禁煙の利用者は減少しているが、現行路線は利用者数にあまり変化がなく、買い物や病院への交通手段として重要な役割を担っている。

◆中山間地域の交通網整備
 平成17年に周辺6町村と合併し、市域は約918㎢と広大であり、合併した各地域は中山間地である。かつては路線バスネットワークが充実していたが、人口減少などに伴い、平成13年ごろから路線バスの減少が顕著となってきた。
 そこで公共交通ネットワークとして、都市部と中山間地については基幹バスを、中山間地域内には地域バスを運行することによって整備を図った。これらのバスについては、市がネットワーク化(ルート設定)を行い、運行事業者をプロポーザルで決定、運賃収入を除く経費を市が負担している。平成27年度の市の負担額は約6億2千万円、地域バスの運行経費が年々増加の傾向である。

◆あすけあいプロジェクト
 名古屋大学、足助病院、豊田市が共同で、高齢者の移動支援、お出かけ促進、健康見守りにICTを活用する実証実験を平成28年度から3カ年で開始した。
 具体的には高齢者の移動支援として「あすけあいカー」(地域住民がマイカーを使って移動支援)、「タクシー相乗りシステム」(相乗りのマッチングシステム)、「お出かけ促進」では健康教室やイベントの情報発信にタブレットを活用、健康見守りについては「見守りサービス」として独居高齢者の生活状況を人感センサーで感知して見守る取り組みが行われている。
 これらを総合的に支援する仕組みにはタブレット端末が活用され、共同で参画する実施主体が役割を持って取り組んでいる。

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【主な質疑】

◆ひとり暮らし高齢者等移動費助成事業
Q.対象要件の確認については民生委員に委任しているが、委員の負担が大きいのでは?
A.独居の介護認定を受けている高齢者が原則で、民生委員一人当たりの対象者は10名程度で、大きな負担はない
Q.年度途中で対象となった方への周知は?
A.介護認定の手続きは包括支援センターで進めることが多く、センターから新たに介護認定を受けた方などに制度を周知いただくよう依頼している
Q.遠隔地の方は1回の乗車料金が高いことから、助成額上乗せの要望はないのか?
A.そのような声はいただいていない
Q.乗降車場所は市内に限るのか?
A.制限はしていない

◆自動車学校のスクールバスを利用した高齢者等交通対策事業
Q.運行については無償だが、市の財政負担は全くないのか?
A.乗客への保険に加入し、年間約11,000千円は市が負担している

◆中山間地域の交通網整備
Q.高齢化率は?
A.市内全体では25.1%、地域によっては40%を超えているところもある
Q.基幹バスの拠点はどのような場所なのか?
A.各地区にある支所や、その周辺の店舗などが集まる中心地

◆あすけあいプロジェクト
Q.地域公共交通会議に市の福祉部局は入っているのか?
A.現状は入っておらず、今後検討の必要性がある
Q.その他の部署も含め、複数部署が関わるが庁内の連携は?
A.プロジェクトとしてスタートしたことがきっかけで連携が深まっている
Q.タブレットは支給しているのか?
A.1年目は無償で貸与し、2年目以降利用者に月3,500円の負担をいただいている。あすけあいカーのサポーターは無償で提供。
Q.補助金などは活用しているのか?
A.トヨタモビリティ基金を活用し、3年間で3億円の支援をいただいている
Q.会員登録の個人情報の取り扱いは大変ではないか?
A.今は地域内の顔が見える関係で問題は出てきていないが、今後利用者が増えた時には課題となることが考えられ、検討を始めている。
Q.あすけあいカーが充実すると地域バスがいらなくなるのでは?
A.地域バスはスクールバスとして運行しているところもなり、完全になくなることはないが、基本的な考え方としてはあすけあいカーを充実させていきたい。
 
【所感】
地理的、人口など、本市と環境はことなるものの、高齢者の移動支援のメニューとして多彩な事業を行っているとの印象を受けた。特に、あすけあいプロジェクトは、ICTの活用などで持続可能な地域づくりや、地域で豊かに暮らすための大きな役割を感じた。本市において、そのまま当てはまるものではないが、仕組みとして大いに参考となる視察となった。

5月22日に、愛知県半田市で立川市議会公明党会派行政視察を行いましたのでご報告します。

視察先: 半田市役所
調査項目:マイレポはんだについて


写真 2017-05-22 14 50 22半田市では、スマートフォンを活用した地域状況を市へ連絡する手段として「マイレポはんだ」を運用しています。市へ連絡はこれまで、直接電話をする、広聴カード・市長への手紙など、ホームページから送信などの手段があり、立川市においてもこれらの手段を用意しているところですが、近年はいうまでもなくスマートフォンの普及が進み、一つの特徴としてGPSによる位置情報を活用することで、市民も行政もより正確な情報を把握することが容易となっています。
他の自治体においても半田市と同様の仕組みが運用されているところもありますが、導入・運用コスト面で最も優れていると考えられる半田市の状況を調査することで、立川市における導入検討の参考とするため視察を行いました。

【調査概要】

半田市役所内にて、半田市企画部市民協働課及び広報情報担当職員から事業の説明をいただき、続いて質疑応答による調査を行った。

1.仕組みについて
「マイレポはんだ」とは、スマートフォンを利用して、道路の陥没や施設の破損など、身近な問題を手軽に解決する半田市の先進的な取り組み。スマートフォンの無料アプリ(FixMyStreetJapan)を利用して、地域の課題や問題を解決する制度となっている。
具体的には市民が道路の陥没を発見した際、スマートフォンで写真を撮って送り、市の担当者がそれをみて現場で対応する。送信時にはGPS位置情報も送られるため、場所の細かな説明をしなくてもよく、写真と合わせて市も現場を容易に特定して確認することができる。
自由に閲覧できることから、地域や近隣の課題について市民がその解決に協力することにより、市民協働のまちづくり促進も期待される。
災害時には河川の状況、道路状況など、市民が危険のない範囲で撮影した写真を投稿することで、市が直接確認にいけない場所の情報を把握することができる。

2.導入のメリット・目的
・スマートフォン・パソコンにより、いつでも簡便に課題・問題を伝えることができる。
・写真・GPSデータにて、状況・場所を正確に伝えることができる。
・みんなが対応状況を確認でき、行政対応の透明性を高めることができる。
(行政の見える化、オープンガバメントの推進)
・自分のレポートにより、街が改善されることで、地域への貢献が実感できる。
・多く人から情報提供を受けることで、行政の目が届かないところの課題・問題も把握できる。
・行政側も現地確認の初動の効率化が図れる。

3.導入までの経緯
H25年4月 検討開始
H25年7~8月 実証実験ステップ1[アプリの品質・機能確認、職員が対応できるかなど確認]
H26年1~3月 実証実験ステップ2[市民も参加した実証実験]
H26年10月 運用開始

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【主な質疑】

Q.GPSを利用した位置情報は少し誤差があると思うがこれまで問題はないか。
A.ずれると言っても問題ではなく、写真もあるので現場がわからなかったということはない。

Q.特定の人が多数の投稿をしたりしないか。
A.区長や議員で投稿が多い方もいるが、目立って特定の人だけということはない。

Q.同じ事案について複数の投稿がされることがあるのか。
A.一般に公開されているので投稿前に他の人が投稿しているとわかるため、これまでそのようなことはない。

【所感】
不適切な投稿もなく、市民にが適正に仕組みを運用している状況が確認できました。他の手段と合わせ、市への連絡ツールの1つとして導入することで、より市民の声を直接聞く機会となっているようでした。ICTの活用により、市民と市の両者にメリットをもたらすものであり、地域課題への興味を深めるきっかけとなることで、市民との協働促進につながるものと期待できますので、立川市においても導入を検討してもらいたいと考えます。

5月18日、東京ビッグサイトで開催された「教育ITソリューションEXPO」を視察してきました。
教育に関するハード、ソフトの様々な企業が出展し、ミニセミナーなどもあちらこちらで行われていました。昨年も視察しましたが、AIやIoTなど新たな発展には驚かされます。
特別支援教育への活用や、電子黒板、実物投影機などのセミナーを聞き、大変勉強になりました。

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写真 2017-04-27 9 42 234月27日(木)、今年度から大規模改修工事を終えて校舎の利用が開始している立川市立第八小学校を、市議会文教委員会で視察してきました。

これまで立川市では公共施設保全計画に基づいて、第九小学校、第六小学校が大規模改修を終え、今回視察した第八小学校が3校目の大規模改修校でした。
この学校の改修工事に関わる特徴として、「面積が広い(校舎棟延床面積6,963平方メートル、体育館1,104平方メートル)」「学童保育所を併設」などがあります。工事は建築・電気設備・機械設備の分離発注方式で、総合計額は約17億3千万円となりました。

大規模改修の基本方針は「施設の長寿命化」「バリアフリー化」「省エネルギー化」「非構造部材の耐震化」「防災機能の強化」で、それぞれの方針に基づき改修や対策が行われています。また、今回は、けやき台小学校にある通級指導学級機能の移転、中砂学童保育所の複合化といった、公共施設の移転・複合化に基づく改修も行われています。

視察をした日は平日でしたので、ちょうど児童が授業を受けているところで、明るく開放的になった新しい校舎で生き生きと勉強している姿を見ることができました。校舎は工事が完了して4月から使用されていますが、校庭にできた仮設校舎の撤去と、プールの改修工事が6月末完了の予定で進められていました。
 
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↑昇降口の外側(左)と内側(右)
 
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↑サインもおしゃれで洗練された感じでした
 
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↑学校のシンボルツリーだったムクの木で作られたレリーフ
 
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↑広々とした学童保育所
 
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↑音楽室と理科室
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↑図書室
 
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↑清潔感のあるトイレ
 
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↑普通教室と通級教室

2月10日(金)の午後、府中の森芸術劇場で開催された「第55回東京都市議会議員研修会」に参加してきました。

この研修会では、「地域防災の課題と災害時の議会、議員の役割」とのテーマで、跡見学園女子大学の鍵屋教授に講演いただきました。
大災害の歴史に始まり、地域防災計画や住宅耐震化の課題、災害発生後のフェーズ毎の状況や行動、福祉施設のBCP、大災害時の議会と議員の役割など、大変参考となる内容でした。

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2月9日(木)の午前中、今年度2回目の立川市議会議員研修会が開催されました。
講師は早稲田大学マニフェスト研究所 ・事務局長の中村健氏、テーマは「議会改革について」でした。

研修会は、参加議員が4グループに分かれてのグループワークが中心の、実践的な充実した研修会でした。
グループで議論・話し合いをする際の注意すべき点や、ファシリテーターがどうスムーズに交通整理をしていくのか、様々なポイントを教えていただきました。実践のグループワークでは、グループのメンバーでファシリテーター、書記、タイムキーパー、発表者と役割を決めて行いました。2回行ったうちの1回目にファシリテーターをさせていただきましたが、決められた時間で、多くの意見を出し、整理してまとめるというのは結構難しいことでした。
うまく進めるポイントも教えていただきましたので、今後色々な機会で役立てていきたいと思います。

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写真左)緊張感をほぐし活発の意見を引き出すためピンクの蝶ネクタイで話をされる中村先生
写真右)グループワークの結果を発表する公明党の大沢純一議員

1月25日に、兵庫県明石市で立川市議会公明党会派行政視察を行いましたのでご紹介します。

視察先: 明石市役所
調査項目:離婚後のこども養育支援について


写真 2017-01-25 11 39 21明石市では、両親が離婚した未成年者の権利を守る事業に先進的に取り組んでいます。離婚による子どもの養育は親権の有無に関わらず両親の責任であり、養育費や面会などについて、子どもの視点に立った取り決めや心のケアなどの支援をしています。
1年間の離婚数は全国では22万2107組(平成26年、人口動態統計・厚生労働省)、立川市では466件(平成26年度、統計年報・立川市)であり、立川市においても子どもの権利や利益が守られていないケースがあると想定されます。家庭や家族の問題に行政がどこまで関わるのか、との難しい課題も考えられる中で先進的に始まり、今他自治体や国の考え方にまで広まった取り組みを視察することで、立川市におけるこの課題への対応の参考とするため視察を行いました。

【調査概要】

明石市役所内にて、明石市政策部市民相談室の室長・能登啓元氏、課長・村山由希子氏と浦氏、係長・岸本氏より資料による説明をいただき、続いて質疑応答による調査を行った。

1.概要

明石市は人口約29万人、特に離婚率が高いという訳ではなかったが、現市長は“こどもを核としたまちづくり”を市政の柱に掲げ、弁護士出身の経験も踏まえ離婚でもっとも弱い立場に置かれる子どもを守る取り組みを、出来ることから始めるとして、全国初のこども養育支援に関する事業をはじめた。

2.基本理念

(1)こどもの立場で
・親の離婚はこどもに与える影響が大きい
・まちの未来でもあるこどもの成長を支援
(2)基礎自治体の責務
・親だけではなく社会(行政)が支援することが必要
・こどもに最も身近な基礎自治体として寄り添った対応が可能
(3)普遍性
・全国どこでも当たり前に実施することが重要
・低予算など、他の自治体でも実現が可能な施策を意識

3.実施中の施策

(1)関係機関との連携
明石市こども養育支援ネットワーク連絡会議を年2回程度開催し、関係機関との意見交換や情報共有の場としている。
会議は、法テラス、家庭問題相談室、臨床心理士会、社会福祉士会、公証役場などの機関と、弁護士や大学教員が有識者として参加、オブザーバーとして家庭裁判所からも出席がある。

(2)啓発
養育費や面会交流などの取り決めに関する合意書や手引きを離婚届を取りに来た方全員へ配布。また、こどもの気持ちを父母に伝えるパンフレットも配布し、こどもへの配慮を促している。

(3)心理ケア
離婚後の親の子育ての不安、こどもの気持ちを考え、専門職に相談できる離婚前講座を実施。説明会・ワークショップ・個別相談会で構成され、ワークショップでは離婚時にこどもが心配しやすいことやそれへの対応を学び、こどもの気持ちに寄り添った離婚後の家族の形を考えるFAITプログラムを実施。
また、親の離婚等を経験したこどもを対象としたキャンプを実施し、同じ経験を持つこどもと交流する場とされた。

(4)相談
こども養育専門相談は月に1回市役所で専門相談員が実施。専門職総合相談は常勤の専門職職員(弁護士、社会福祉士、臨床心理士)がチームで対応。
離婚後の子育てガイダンスも開催。

(5)面会交流支援
父母館でこどもの情報を共有するための“こどもと親の交流ノート(養育手帳)”を作成し希望者へ配布。面会交流の場として利用できるよう市立天文科学館の入館料を無料化。親同士での面会交流調整が難しい場合に、日程調整などのサポートやこどもの受け渡しを支援。

4.全国への波及と今後の施策

養育に関する合意書などの参考書式を自由に利用できるよう配布していることから、全国で明石市書式を参考に書式を作成したり、そのまま使用している自治体が増加している。また、こどもの気持ちを考えるワークショップ(FAITプログラム)の実施を検討している自治体もある。
厚生労働省では白書のコラムに明石市の取り組みを掲載、議員連盟による明石市モデルの法制化の動きなどがある。法務省は「子どもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A」を作成して全国の自治体で配布している。
明石市の更なる支援策として、合意書の債務名義化支援や養育費立替払制度の検討がされている。

【主な質疑】

Q.大変きめ細かな支援であるが職員体制はどうなっているか?
A.市民相談室は4係あり、室長・参事2名、課長3名、係長4名、職員・再任用職員・臨時職員14名の体制。こどもの養育支援に関しては4名で業務を行っている。なお、室長および課長2名の3名は任期付職員として採用されている弁護士である。

Q.事業の効果というのは難しいと思うが何か表わせるものがあるか?
A.離婚時の合意書作成率は少しずつ上がっていて全国で6割程度であるが、明石市では7割と全国よりも高い作成率になっている。

Q.連絡会議には多くの機関が関わっており、市も実務としては複数の部署が担当する事項もあると思うが、たらい回しにならない工夫があるのか?
A.市民相談室に一本化して対応するようにしており、庁内各部署にも本件に関する事項は市民相談室へ回すよう周知徹底されている。

【所感】

こどもの権利や利益を考え、行政が出来る範囲の中で事業を展開していることは大変素晴らしいと感じた。離婚問題は家庭・個人の問題であり行政が介入することは難しいところであるが、こどものことを考えるための合意書やパンフレットなどは、どこの行政でも出来ることである。離婚前などは冷静にこどものことを考えられない場合も想定される中で、こどもの気持ちを落ち着いて考える一助となっていると感じた。
明石市の取り組みを参考に既に取り組みを始めている自治体もあり、こどもの視点に立った対応として立川市でもできることを考える参考となった。
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1月24日に、広島県呉市で立川市議会公明党会派行政視察を行いましたのでご紹介します。

視察先: 呉市役所
調査項目:データヘルス計画について


IMG_6893呉市では平成26年度から平成29年度までを計画期間とする「呉市国民健康保険データヘルス計画」を策定し、被保険者の健康増進や、効果的な保険事業が推進されています。しかし同市では、平成23年から第4次長期総合計画において「市民の健康づくりの推進」を重点プロジェクトと掲げ、“健康寿命の延伸”および“国民健康保険の健全運営”を目指して、生活習慣病予防を柱とした保健事業が推進されてきました。さらに、この長期総合計画策定以前にもレセプトのデータベース化に取り組むなど、先進的な取り組みが行われてきていることから、立川市でも課題となっている特定健診の受診率向上など市民の健康増進に関する取り組みの参考とするため視察を行いました。

【調査概要】

呉市役所内にて、呉市福祉保健部保険年金課課長補佐兼国保事業GLの大下佳弘氏より資料による説明をいただき、続いて質疑応答による調査を行った。

1.概要
人口約23万人のうち、国保加入者は約5万人、平成28年度当初の高齢化率は約34%で同規模人口の都市では全国で1番となる。国保加入者に限った高齢化率は約54%となっているが、介護認定率は全国平均よりも低くなっている。
国保の一人当たり医療費は広島県や全国の平均より高く、ここ数年微増の傾向が続いている。また、市内には400床以上の大規病院が3機関あり、市民が気軽に医療を受けられる環境になっている。

2.レセプトのデータベース化
平成17年にレセプトのデータベース化を検討したが当時はコストの面で断念せざるを得なかった。その後、医師会や薬剤師会との協議、国のジェネリック薬品の利用促進などの方向性もあり、平成20年に予算確保し導入された。その年の7月には全国の自治体で初めてとなるジェネリック医薬品促進の通知が行われた。
このデータベースはジェネリック使用促進のほか、保健事業の推進、レセプト点検の効率化などに活用され、国保財政の負担軽減や健康増進などに役立てられている。

3.ジェネリック医薬品使用促進通知
生活習慣病等で長期にわたって服用する医薬品について、切り替え可能なジェネリック医薬品の情報を被保険者に通知・提供している。平成27年度の実績では医療費の減から通知郵便料を差し引いても約2億4千万円弱の効果額となっている。
平成20年7月の第1回通知による切替率は30%であったが、2年後には約70%が切替、現在では80%以上が切り替えており、累積削減額は平成28年3月までで約11億円にものぼる。

4.レセプト点検
健康管理増進システムを活用したレセプト点検が行われ、以下のような取り組みに活用されている。
(1)重複受診者リストの作成と訪問指導、(2)頻回受診者リストの作成と訪問指導、(3)重複服薬履歴表の作成と訪問指導、(4)併用禁忌・回避医薬品情報提供事業、(5)生活習慣病放置者フォロー事業、(6)医療費分析(グルーピングで傷病毎の医療費に分解)、(7)糖尿病性腎症等予防事業、など

【主な質疑】

Q.多岐にわたる事業が行われているが職員の体制は?
A.国保グループとしてはグループリーダー1名と、主事2名、保健師2名、嘱託の看護師・保健師が4名。

Q.訪問指導はどのようにおこなっているのか?また、訪問することに対する苦情やトラブルはないか?
A.事前に連絡を入れても断られることが多いためアポなしで訪問する。苦情やトラブルはない。

【所感】

レセプトは膨大な量であり、点検や活用するためにはデータベース化、システム化が必要となってくるが、呉市では先進的に取り組みが進められており、様々な効果を生んでいる。一方、特定健康診査については受診率が低く課題となっているが、医療機関が多いことから受診機会が多く、何らかの傷病で医療機関に掛かっている人は検診を受けない方も多いとのことであった。
データをどう活用するのか、データを生かした事業をどう展開するのかは、それぞれの地域の特性も勘案する必要があり、その基礎となるデータヘルス計画は大変重要であると感じた。今回の視察内容は今後の立川市の保健事業の改善の参考としたい。
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1月23日に、山口県山口市で立川市議会公明党会派行政視察を行いましたのでご紹介します。

視察先: 山口市役所
調査項目:コミュニティタクシー事業について


写真 2017-01-23 16 22 46山口市は平成23年度に、地域公共交通活性化・再生優良団体大臣表彰を受賞するなど、様々な地域公共交通の取り組みが行われています。
立川市においてもコミュニティバス「くるりんバス」が、平成14年に運行を開始し、途中ルート新設や一部変更が行われ、平成28年には全体的なルートの再編が行われました。再編では新規ルートの設定、既存ルートの廃止や変更が行われましたが、地域個別の実情などを含めた様々な意見が聞かれるところです。更に、少子高齢化やこれから進みゆく人口減少など、社会環境は刻々と変化していますので、将来的に市民の生活を守る公共交通がどうあるべきかは今後ますます大きな課題となってきます。
そこで、コミュニティタクシーなどきめ細やかな市民のための交通網を整備し、大臣表彰を受けるなど成功事例として注目される山口市の交通政策について視察を行いその状況を学ぶことで、今後の立川市における公共交通のあり方を考える参考とするため視察を行いました。

【調査概要】

写真 2017-01-23 14 21 57山口市役所において、山口市都市政策部交通政策課の交通政策担当副参事である岩本誠治氏より資料を用いた山口市の交通政策についての取り組みをご説明いただき、続いて質疑応答による調査を行いました。

1.概要
山口市は平成17年10月に1市4町が合併し、平成22年1月に阿東町を編入、現在の市域は1,023平方キロメートル、人口は19万7千人、高齢化率27.9%である。非効率や都市構造、社会福祉費の増加などから、持続可能なまちづくりへの政策転換が求められていた。そのような中、行政主体のバス運行に対して、移動手段のない地域から不公平感などの不満が寄せられ、わが地域にもコミュニティバスをとの要望が強くなる一方、財政負担は限界に近付いていた。
そういった背景から、市民の意見を反映しながら市の公共交通のあり方を検討する山口市交通まちづくり委員会が設置され、市民や事業者とともに検討会、勉強会、意見交換会が開催された。平成19年9月には「山口市市民交通計画」が、平成20年には活性化再生法の法定計画と市民交通計画の実施計画を兼ねる「山口市地域公共交通総合連携計画」が策定された。

2.山口市市民交通計画
山口市市民交通計画では基本理念を「~子や孫の代まで続く公共交通にしよう~ 創ろう!守ろう!みんなの公共交通」とし、基本目標として市民生活と都市活動を支える公共交通の確立が掲げられている。
また、整備方針の中では都市核と地域核を結ぶ“基幹交通”を交通事業者が主体となり整え、地域をきめ細かくカバーし基幹交通や地域中心部へ接続する“コミュニティ交通”は地域が主体となり整える、とされている。

3.コミュニティタクシー
平成19年5月に、コミュニティタクシー実証運行のモデル地域が募集され、11地域で検討会が実施、アンケート調査などでのニーズ調査も行い、最終的に5地域がモデル地域に応募し、実証運行を開始した。
実証運行は1年間で、地域が運行事業者へ委託し、行政は地域への補助や事業者の調整などを支援する。実証運行後、本格運行では3年以内に基準を達成することを条件に補助金が支払われ、定量的基準としては収支率原則30%以上、乗車率30%以上とされている。
モデル事業の後、他の地域でも導入され平成22年4月時点では8地域で運行されていたが、平成27年8月末に1地域で事業者の廃業により運行が終了、現在は7地域で運行されている。
運行は地域運営組織、運行事業者、行政の3者で、地域事情を一番知る地域が主体となり、交通事業者や行政がともに協働して創り育てられている。それぞれの役割分担は以下の通りである。

a)地域運営組織
運行計画の地元調整と決定、利用者ニーズ把握、広報発行、委託料の支払い等会計事務、時刻表作成・配布、バス停の維持管理
b)運行事業者
安全かつ確実な輸送、利用者のニーズ吸い上げ、運行に関する法律手続き
c)行政
運行に関する補助金支出、運行計画や利用促進活動検討に関する提案、法律手続き等支援

4.グループタクシー
コミュニティタクシーはある程度の人口(需要)がなければ効率的な運行が困難であるが、山口市には小さな集落が散在することから、これら地域の移動手段確保策が必要であった。
そこでこのような地域の交通弱者に対してタクシー利用券を交付し、一般タクシーの共同利用による移動手段の確保と地域コミュニティの活性化を図るためグループタクシー制度が導入された。
原則4人以上のグループで申請し、利用券は一人一枚使えるため相乗りするほどお得になる制度となっている。平成20年度の導入後、様々な要望などを勘案し、年齢要件や利用方法などの変更がほぼ毎年度行われてきた。

【主な質疑】

Q.地域の意見を代表する、まとめるというのは難しいと思うが、検討会などはどのような人に呼びかけたのか?
A.自治会長、PTA、民生委員などへ案内を出し、それぞれの組織で参加を呼び掛けてもらった。

Q.市が交通政策立案のために交通アドバイザーを2名委託しているとのことだが、どのような契約なのか?
A.会議等出席1回毎に謝礼を支払う形となっている。

Q.コミュニティタクシーは地域内の運行であるが、どれぐらいの広さか?
A.地域によって差があるが、10数平方キロメートル~30数平方キロメートル程度である。

Q.経費の市の補助金の割合、地域運営組織の負担分財源は?
A.事業者への委託料の70%を市が補助金として負担している。残りの30%を地域が負担しており、その財源は運賃収入(実際には事業者が利用者から受け取り精算時に相殺)、協賛金、回数券売り上げである。

【所感】

山口市の広大な市域全体を一つの仕組みでカバーすることは非現実的であり、基幹交通と地域内交通を役割分担させた仕組み作りは地域の特性をよく把握したものであると感じました。
コミュニティタクシーは地域がどのように関わっているのか大変興味を持ちました、検討段階から本当にないと困るのか?など、徹底した住民主体の議論が行われた結果、実質的に主体となっている状況がわかりました。また、お祭りや選挙の時に臨時便を運行するなど、各地域が独自の取り組みをしていることも、住民に喜ばれている要因であると感じました。
グループタクシーはコミュニティタクシーから生まれた施策として、コミュニティタクシーより更に需要が少なく道路も狭い地域をカバーする、きめ細かな取り組みであり、許認可など運行のための手続きも煩雑でなく、今後広がっていくのではないかとの印象を持ちました。
山口市と立川市は人口こそ同程度であるが、市域面積は大きな違いがあり、もともとの公共交通網も条件が大きく異なります。従って、山口市の方式がそのまま立川市に適用できる訳ではないですが、仕組み作りの方法や条件設定など、大変参考になる視察となりましたので、今後の立川市の公共交通政策にしっかりと役立てていきたいと思います。

瀬のぶひろ X
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