8月3日に、北海道帯広市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。
視察先: 帯広市役所・市内(北海道)
調査項目:環境モデル都市について
環境に対する取り組みが自治体にも求められており、立川市においても燃やせるごみの削減や、低公害車の導入などに取り組んでいる。帯広市では環境モデル都市の政府の選定を受け、様々な取り組みを進めていることから、立川市での一層の環境に対する取り組みの参考とするため視察調査を行った。
【調査概要】
帯広市役所環境都市推進課により、庁用車内で取り組みの説明を受けながら現地視察を行った。
◆環境モデル都市の選定
政府は低炭素実現と持続可能的発展を両立する地域モデルを実現させるため、コンパクトシティ化や再生可能エネルギーの活用、森の保全や居住スタイルの変革、環境教育などを都市内で総合的に推進する「環境モデル都市」を選定することとし、平成20年7月に全国から応募のあった82件から帯広市を含む6都市を選定した。(以降3回の追加選定が行われ、全国で23都市が選定されている)
◆帯広市の取り組み
【環境モデル都市のイメージ(取り組み)】
・仮称「エコタウン」の造成
・「帯広の森」育生・活用
・みどりのまちづくり推進
・道路交通ネットワークの見直し、構築
・自然と共生する循環型・環境保全型の地域づくり
【みんなで取り組むエコライフ】
・廃てんぷら油からバイオディーゼル燃料精製
・マイバッグ持参によるレジ袋削減
・清掃ボランティア
・環境にやさしい活動実践校認定(花壇造成、ゴミ拾い、落ち葉拾い等)
・車から自転車通勤、グリーンカーテン、家庭で節電など
◆現地視察
・帯広競馬場(メタンガスから水素を取り出す実証実験用施設(建設中))
・十勝環境複合事務組合くりりんセンター
・学校給食共同調理場及び周辺(ソーラーパネル)
・帯広の森(環境教育、木質ペレットなど)
【主な質疑】
Q.ソーラーパネル設置に助成などあるのか?
A.平成12年から補助金制度がある。現在の普及率は一般家庭で約7%。
Q.市の土地をソーラー発電事業者へ貸し出しているが収入の使途は?
A.環境モデル都市指定を受けて設立された基金へ入れている。
Q.ゴミ・廃棄物処理に関する課題は?
A.ごみの発生抑制について目標を下回る結果となっている。今後、家庭用ディスポーザー導入促進の検討を進める。
【所感】
環境モデル都市の指定を受け、低炭素社会と持続的発展を両立する地域モデルの実現を目指し、様々な取り組みが行われていた。これらの取り組みは、「環境教育」「森の保全と活用」「交通体系の整備」「居住スタイルの変革」「再生可能エネルギー」「コンパクトシティ化」という基本的な考え方のもと、ハード面におけるまちづくりにも大きくその考え方が生かされている。
そして一つ一つの取り組みは帯広市環境モデル都市行動計画において、現状分析や削減目標、具体化する取り組みなどが明記されており、かなり詳細なもであった。
環境面における持続可能な社会づくりは単一の自治体のみでなしえるものではないが、一人一人の意識や生活スタイルの変革によるところも大きく、生活に身近な自治体が負う役割は大きいと感じた。今回の視察調査内容を参考に今後立川市で取り組むべき課題を引き続き研究していきたい。
8月2日に、北海道帯広市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。
視察先: 帯広市学校給食センター(北海道)
調査項目:学校給食共同調理場について
帯広市ではこれまでの学校給食共同調理場の老朽化に伴い、新たな調理場を新築し平成26年11月に竣工した。立川市では市長公約でもある中学校給食の完全実施に向けて共同調理場の検討が始まっており、最新の共同調理場の状況を視察調査することで、立川市における共同調理場新設の参考とすることとした。
【調査概要】
最初に施設を見学通路から説明を受け、その後研修室で実際の調理の様子を映像で見学、最後に担当者に質問に応えていただく形で進行された。
ここでは市内40の小中学校全ての給食を調理することができ、最大1日に14,000食の供給能力がある。食材は研修、下処理、調理、配送まで全て一方通行とすることで、汚染・非汚染をエリア的に区切っている。それは床の色やエプロン・手袋などでも区別をされている。小学校と中学校の調理ラインは分離されており、それぞれに独立した空間のアレルギー食調理室も用意されている。食材は地産地消を目標に地元食材を優先的に調達することとしている。
アレルギー対応としては、乳・卵・乳卵両方の3パターンの除去食のみ対応。小学校では調理員2名と栄養士1名がついて間違いのないよう調理している。アレルギー対応食の人数は小学校で27名、中学校で4名(H28.7現在)。

Q.一番遅くなる学校でセンターを出てからどれぐらいの時間がかかる?
A.40分程度、距離にすると約30kmある。
Q.配送のためのトラックは何台?業者はどうやって決めている?
A.配送エリアは3ブロックに分かれていて、全部で16台で配送している。業者は5年契約で複数社に受けてもらっている。
Q.ソーラーパネルが設置されているがどの程度賄っているのか?
A.全体の3~5%程度。
Q.食べ残しはどう処理されるのか?
A.機械で破砕し、脱水してから養豚業者で飼料として活用いただいている。
【所感】
最近の学校給食調理場では標準ともいえる衛生管理基準HACCPに対応しており、清潔感とわかりやすさが大変伝わってくる施設であった。地産地消が進められており、地元農業者も食材の安定提供などで協力的であり、農業が盛んな地域性によるものと感じた。アレルギー対応食については、給食センターから配送されると学校で受け取ったあとは職員室で保管し、給食時に担任の先生から生徒へ直接手渡しをすることで間違いを防ぐ体制となっており、厳重な体制であると感じた。
8月1日に、北海道根室市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。
視察先: 根室市役所(北海道)
調査項目:
・根室なでしこ応援事業について
・通年雇用促進事業について
・中小企業振興条例について
根室市では地域経済の発展や産業の活性化を図るため、その振興施策を複合的に展開している。日本全体が人口減少、高齢化を迎える中で、根室市でもその波は大きく、持続可能な社会づくりのため、女性の活躍推進や豪雪地という地域特性に対応した就職・雇用、経済の地域内循環を目指す施策などが具体的に展開されている。立川市は商都として近年は大きく発展を遂げているが、より一層の産業・商業施策を展開し持続可能なまちづくりを進めていく上での参考とするため視察調査を行った。
【調査概要】
◆根室なでしこ応援事業について
職業体験実習、資格取得支援、セミナーの開催などで、働きたい女性を支援する事業。
対象者は、勤労意欲のある満15歳以上満60歳以下の市内に住所を有する女性の非正規雇用者や求職者。支援を受けるには「根室なでしこバンク」への登録が必要。
平成27年度に事業スタートし、11名が登録し、内2名が就職した。平成28年度は12名が登録中。登録者の希望職種は事務が多い。
市内の有効求人倍率は1.2倍であるが、水産加工業の求人が多く、勤労を希望する女性とのマッチングに課題がある。
◆通年雇用促進事業について
厚生労働省の委託事業で、北海道のみが対象となっている。
主な産業であるコンブ漁については6月から9月までしか操業できず、冬季の収入確保が大きな課題となっている。人口減少を食い止め、地域経済を再生させるためには、冬季の仕事のために市内から転出することを抑制することが必要であり、季節労働者の通年雇用を促進するための能力開発を支援する。
対象者は、短期雇用特例被保険者として雇用されている者などで、クレーン運転、玉掛、溶接、フォークリフト運転などの技能講習を無料で受講できる。また、事業者向けにもセミナーを開催し、通年雇用奨励金制度などの案内、啓発を通して、就業機会の拡大を図っている。
◆中小企業振興条例について
平成22年に中小企業家同友会根室支部が市長へ条例制定を打診、一緒に勉強していくことで一致した。翌年4月に条例制定に関する懇談会が中小企業家同友会根室支部、根室商工会議所と根室市で開催され、条例の必要性について意見が一致。同年10月より条例制定に向けての勉強会、検討会、先進市視察などが行われ、平成26年9月定例会での産業経済常任委員会へ案を報告、12月定例会に上程されたが継続審議となった。その後、産業経済常任委員会で引き続き審議が行われ、平成27年3月定例会において可決・制定された。
条例の特徴として、「商工会議所、農業協同組合、漁業協同組合も中小企業者等に含むとして、条文の中でも中小企業者と中小企業者等を使い分けている。」、「域内循環推進の立場から、市・中小事業者等・大企業者・市民の全ての役割に市内産品及びサービスの利用について規定している。」の2点があげられる。
市域で見た場合の平成22年度の経済流入は約806億円に対して、経済流出は899億円と大きな赤字になっており、域内循環を促進させることを大きな目的としている。
【主な質疑】
Q.なでしこバンクの登録者と、実際の求職者数は?
A.平成28年度は登録者12名。市内の求職者数は800名弱。
Q.なでしこ応援事業の職場体験実習の仕組みと実績は?
A.受け入れてくれる協力事業所は登録制となっており、参加者・受入事業者とも謝礼金が出る。昨年の実習実績は1件。
Q.通年雇用促進事業の実績は?
A.平成20年度からスタートし、毎年7~8名、述べ約50名の通年雇用に繋がっている。
Q.季節労働者としての市外労働以外の工夫は?
A.漁ができない時期の漁船クルーズや、野鳥ウォッチングなど、地域資源を活かした観光にも近年力を入れている。
Q.中小企業振興条例は理念を謳ったものだが、その効果・成果はどのように検証するのか?
A.経済流出・流入を指標としてその金額ではかる。
Q.市民の役割も規定されているが周知は?
A.広報紙やホームページで周知している。
【所感】
なでしこ応援事業は、地域の主力産業が漁業・水産業であることから、女性の就業希望とのアンマッチが発生しているとのこと。有効求人倍率は1倍を超えているものの、実際には多くの就業希望者がいる状況であり、ギャップの解消に努める一つの手段として行われている事業であった。中小企業振興条例は他の自治体でも制定されている例があるが、根室市では経済の流出入に着目し、成果の指標としているところも特徴であり、大変厳しくもある目標設定に感心させられた。今回の調査項目の他にも「若年者等雇用促進支援事業」というものも行われており、現に進んでいる人口減少に大きな危機感を持ち、多角的な視点で様々な支援策を打ち出していることに真剣さを感じた。それぞれの事業の特徴などを改めて見直し、立川市の産業振興の取り組みの参考としていきたい。
※写真は調査終了後に、田塚不二男根室市議会議長(公明党)と一緒に撮った一枚です。
7月28日に、福島県本宮市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。
視察先: 本宮市役所(福島県)
調査項目: ふくしまの子・ふるさとの商店街プロデュース事業について
福島県ではふるさとの商店街に賑わいを取り戻すため、地域の子ども達が商店街について楽しみながら学び、考え、アイデアを実現することで「商店街の活性化」「こども達のふるさとへの愛着心の醸成」を図るため、平成27年度より県内自治体において“ふくしまの子・商店街プロデュース事業”をスタートした。立川市においても、各商店街や連合会では都の補助金を活用した様々な事業などを展開しているところであるが、福島県のこどもを巻き込んだ事業には新たな観点などが取り入れられていることが考えられ、本市における商店街および地域活性を図る参考となり得ると考え、視察調査を行った。
【調査概要】
◆事業の概要
ふくしまの子・商店街プロデュース事業は県が行う事業であり、初年度の平成27年度は本宮市ほか2市で委託事業として実施された。事業の目的は「商店街の活性化」と「こども達のふるさとへの愛着心の醸成」を図るものとされている。本宮市では中心市街地を取り囲むように大型スーパーなどが相次いで出店していることから駅周辺の商店街の活性化が求められており、またふるさとに愛着を持ってもらうことでまちづくりへの参加の第一歩としてもらうため、本事業の実施を希望した。
◆事業の展開
事業展開においては各回のワークショップで以下のコンセプトを明確にしながら学び、考え、実行された。対象は小学5・6年生で、公募13人が参加。
『商店街を「知る」』
まちの歴史、発展、四季の行事を知る、写真で商店街の昔と見比べる
『商店街が「知る』
どれだけ子ども達に知られているか(殆ど知らない)、子どもは商店街にどんな店や施設が欲しいか、他の街おこしに成功した商店街を視察
『商店街を「考える』
賑わいを取り戻すためのアイデア
沢山出た中から(1)参加型イルミネーション事業、(2)商店街を舞台にすごろくを実施
※子どもの夢を叶え・商店街で遊ばせ・頑張る商店街を増やすために各商店街から若手をピックアップしてプロジェクトを結成
『商店街で「遊ぶ』
(1)は「こどもライトファンタジア&パレード」として開催
飾りたい・絵を光らせたい・ハロウィンをやりたいを実現。11月に実施し、約80名の子どもが参加
(2)は「商店街すごろく大会」として開催
ゲームしたい・職業体験したい・商店街探検したいを実現。12月に実施し、約120名の子どもが参加
『商店街も「育つ』
=子どもが歩く、親も歩く、子どもの笑顔→商店街に賑わいが出た
商店の問題が見えた、店を覚えてもらえた、次世代の仲間づくりができた、商店のヤル気がUP、商店街活動の参加店が増えた
◆商店街店舗の感想
・子どもの賑やかな声が街中に響きわたって楽しそうでよかった
・商店街が明るくなってよかった
・パレードと江の効果で賑わいが出た
・ここにお店があるのを初めて知ったという方がいてよかった
・もっと活性化できると思った
【主な質疑】
Q.商店街を舞台にすることに商店の協力を得られた秘訣は?
A.子どもがやりたい、中心となって動いたのが伝わったと思う
Q.店舗の数、組合加盟数は?
A.9商店街のエリアに212店舗、組合加入は43店舗
Q.イベントへの参加費は?
A.H27年度は県の補助事業だったため無料で実施、今年度からは有料
Q.学校の反応は?
A.先生方もイベントに見に来てくれた、PTAは色々と協力もしてくれた
【所感】
県としても初年度の事業であり、実施主体である「もとみや商店街協働組合」の熱意が事業の成功へと導いたと感じた。また、様々な話を伺っている中で、何かをやろうと言った時には周りの人が協力をする雰囲気がまちにあり、今回も多くの人の協力を得て事業ができたとの話があった。ちなみに、本宮市は住みやすいまちランキングで県内1位であり、ここ10年の人口は若干減少しているものの、ほぼ維持と言っていい状況である。まちに愛着を感じ、次世代を育てていこうとの想いが溢れるまちの気風が今回の事業には大変マッチし、大きな成果を挙げることができたと感じた。そしてこの事業を通して更に子ども達とまちが繋がり、次世代の育成に大きく繋がったものと思う。
本市においても商店街が地域の核として活性化していくアプローチの一つとして、子ども達のアイデアや活力を生かしていくことも有効な手段であると考えられることから、今後の参考としていきたい。

7月27日に、山形県米沢市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。
視察先: 米沢市役所(山形県)
調査項目: 米沢市中小企業振興条例について
米沢市では平成27年4月に「米沢市中小企業振興条例」を施行した。米沢市内の大企業は10社(制定当時)で、市内の商工業を担う大部分は中小企業である。中小企業は雇用確保や所得向上に重要な役割を果たしており、今後の市内経済の活性化は市民生活にも関わる重要な課題であり、社会全体で中小企業を支援していく環境を整えるために条例を制定したことから、その経緯や内容、成果などについて調査を行った。
【調査概要】
◆中小企業振興条例とは
中小企業振興に取り組んでいく市の姿勢を明確にし、取り組むべき施策の基本方針等を定める。地域社会における中小企業の重要性の認識を共有し、社会全体で支援にあたることを求めるもの。
市民・企業・団体など多様な担い手が相互に連携協働し、中小企業の活性化を推進し、地域産業及び地域社会の発展に寄与することを目的としている。
◆条例制定までの経過
平成26年度に中小企業振興条例検討委員会(委員10名)を設置し、5回の委員会を開催して検討を進めてきた。各委員会では、中小企業の現状や施策の状況、先進自治体の講演、アンケート結果などから検討が進められ、最終の平成26年12月19日に開催された第5回委員きあにおいて案が提示、平成27年4月施行となった。
◆制定後の動き
単なる理念条例に終わらせないため、講演会の開催や出前講座の実施、各種会議などでの幹部職員によるPRなどを行った。しかし課題として市民には敷居が高く感じられるようで、なかなか周知が進んでいない状況である。
平成28年度に条例を基にした「中小企業振興アクションプラン」を策定し、施策を総合的に推進していく予定。また、企業への訪問調査を実施することで、個別の意見など実態を調査することとしている。
【主な質疑】
Q.先進自治体として墨田区の職員に講演してもらった感想は?
A.条例制定にむけ係長以上が全企業を訪問調査したとの話を聞き大変感銘した。アクションプラン策定に向けて訪問調査を行うが、講演が大きなきっかけとなっている。
Q.今年度、中小企業・小規模事業者約50社を訪問調査するとのことだが今後は?
A.年次的に継続していきたい。
Q.条例制定前後で何が変わったか?
A.これまで縦割りだった産業施策に横軸を通すこととなった。企業の訪問調査を開始し、実態をつかむ取り組みが始まった。
Q.理念条例はどれだけ周知・理解され共感されるかが大切だが、その成果はどう図るのか?
A.周知については市報などにも掲載して図っている。成果の取り方は今後の課題。
Q.中小企業からの条例制定についての反応は?
A.市が中小企業を応援しようという姿勢は喜ばれているが、制定されて企業の成果として良かったという声はまだない。
Q.自治体によっては農業も含めた産業振興という観点で条例制定しているところもあるが?
A.地域性を勘案し、目的がぼやけないよう農業は含めずに中小企業に特化した。
【所感】
中小企業の果たす役割は立川市においても大変大きく、条例の理念や目的は大変重要であると感じる。同時に、条例として制定したことによるその後の変化や効果という面ではしっかりとその実効性を見定める必要もあると思う。本当の意味で中小企業の振興や支援につながるにはどのようなことが必要であるか、米沢市でも行われた企業アンケートや訪問調査などは非常に重要であり、慎重に分析する必要もあるのはないか。他にも同様の条例を制定している自治体もあることから、米沢市の取り組みを参考としながら、今後も必要性や効果を引き続き調査していきたい。
7月26日に、山形県山形市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。
視察先: 山形市役所(山形県)
調査項目: モテ塾事業について
若者の地域とのかかわりの希薄化、同年代と触れ合う機会の減少、若者向けの社会教育(公民館)事業が少ないなどの課題から、若者が元気に活動し地域や同年代との関わりを持てる場として平成25年度から実施されている「モテ塾事業」について視察調査を行った。
※婚活事業ではなく社会教育事業
【調査概要】
◆事業の目的
コミュニケーション能力の向上により「仲間を持てる」、興味・関心を高めて生活に「楽しみを持てる」、知識・技能の向上や新たなことに進んで挑戦することで自分に「自信が持てる」ことを狙っている。
若者を対象としていることから、キャッチーなネーミングや、SNSなども活用して周知されている。
◆対象者と講座内容
市内在住・在勤の20~35歳程度の独身男女20名程度を募集し、全12回の講座に全体を通して参加できる人を対象としている。
講座の内容としては、米粉ピザ作り、蛍観賞、スポーツ体験、芸術体験など様々。それぞれの回で担当の公民館を決めて事業を実施することで、各公民館事業にもノウハウをフィードバックできるようにしている。
◆応募実績
20人の募集に対して43名(平均年齢28歳)の応募があり、若干定員を増やし30名を抽選で決定した。
申し込み理由としては、第1位「友達・仲間をつくりたい」、第2位「趣味などの楽しみを見つけたい」などがあげられている。
◆成果・課題
成果としては、「仲間・楽しみが持てた方が9割以上」、「新たな楽しみや趣味を見つけることができた」「同年代で異業種の方とのふれあいは新鮮」などの意見があった。
課題としては、当初の目的である「自信を持てる」という面で今一歩であった。
【主な質疑】
Q.ネーミングやチラシが斬新な感じがするが広告代理店が入っているのか?
A.入っていない
Q.仲間づくりには成果があったが、地域との関わりという面ではどうか?
A.直接的には難しいが今後地域へ関心を持ち、消防団・PTA・子ども会活動に参加してみようというきっかけになればいい。
Q.事業の大まかなスケジュールは?
A.実行委員会では前年度の2~3月に企画検討を行う。参加者の募集は5月、6月から講座がスタートとなる。
Q.職員の負担は?
A.4年目に入り、前年度の参加者が実行委員として講座内容を検討、サポートOBとして講師や宣伝協力などをしてくれる。職員は4名が分担して各講座毎に週担当を決めて関わっているが、大きな負担ではない。
【所感】
全国で人口減少への対応が迫られている中、若い世代の人が地元地域で仲間や楽しみを持ち、自信をもって生きていくことを本気で考えることは大変重要であり、平成25年度から取り組まれてきたことに大変感心した。また婚活のための事業ではないが、事業を通じて知り合った2組が結婚するなど、副次的成果も挙げられていた。講座の中の蛍観賞は地域活動を、陶器づくりでは地場産業に触れる機会ともなっており、若者が地域へ目を向ける貴重な機会であったと感じる。
様々な講座を通して、仲間・楽しみ・自信を持ち、地域へと目を向ける事業の取り組みは立川市においても大変参考となるものであった。
1月21日に、兵庫県相生市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。
視察先: 相生市役所(兵庫県)
調査項目: 定住・子育て支援事業について
市の財政状況が危機的となる見込みとなった平成17年3月に「相生市SOS宣言」を行い、平成18年4月より「第1期相生市行財政健全化計画」をスタートさせ、計画最終年度の平成22年度当初予算額は平成17年度ベースで約20%の削減を達成しました。しかし、将来の人口減少が最重要課題として浮き上がり、特に年少人口(15歳未満)の割合が県下で最下位となりました。
この課題解決のため平成23年度から5年間を計画期間とする「第2期行財政健全化計画」をスタートし、選択と集中による投資を「人口減少対策」「教育・子育て・少子化対策」「産業の活性化対策」において取り組むこととされました。そして、自主的・自立的な地域経営を目指し、その姿勢を示すため「子育て応援都市宣言」を行い、子育て世代をターゲットに定住促進を図ることとされました。
【調査概要】
11の定住促進関連事業を「11の鍵」として、市内外へのPRを積極的に展開。
(1)出産祝金支給
市内に分娩施設がないため、通院の労力と交通費負担の軽減として出産時にお祝いとして5万円を支給
(2)子育て応援券交付
保育所一時預かりや任意の予防接種など有料の子育て支援サービスに利用できる2万円分の応援券を交付
(3)マタニティータクシークーポン交付
市外の分娩施設や外出の際に利用できるタクシー助成券1万円分を交付
(4)こども医療費助成
県では小学4年から中学3年まで入院費の無料化を行っているが、市として通院医療費も無料化としている(乳幼児等医療費助成もあるため0歳から中学3年まで医療費が無料。但し、0歳児を除き所得制限あり。)
(5)市立幼稚園給食実施
週3回給食を実施。月曜日は弁当持参、金曜日は午前保育。
(6)給食費無料化
地産地消と食育の観点も含め、市立幼稚園、小中学校で給食費無料
(7)保育料軽減事業
市立幼稚園の保育料は無料。私立幼稚園・保育所には月額8千円を限度に補助
(8)市立幼稚園預かり保育
4・5歳児対象に通常保育終了後に月額5千円で預かり保育を実施(長期休暇中は実施しない)
(9)相生っ子学び塾
児童の放課後の居場所づくりと、基礎学力の向上などを目的に、小学5・6年生対象で国語・算数・英語の学習機会を提供
(10)新婚世帯家賃補助金交付
結婚3年以内で夫婦のどちらかが40歳未満の市内民間賃貸住宅に新たに入居する新婚家庭に月1万円を補助(3年)
(11)定住者住宅取得奨励金
市内に住宅を新築・購入した40歳未満の世帯に50万円、市街からの転入者に30万円を5年に分けて助成
【主な質疑】
Q.医療費助成で所得制限により助成を受けられない世帯はどの程度いるか?
A.全世帯の1割にも満たない。
Q.保育料軽減では私立に補助している8千円の根拠は?
A.市立幼稚園保育料が月6千円、給食費が月2千円程度なので、子ども一人当たりの市の負担額を公平にする考えで8千円としている。
Q.相生っ子学び塾の対象者は?
A.希望者はだれでも受けられる。昨年度は全対象者の3割程度が受けており、年々受講者が増えてきている。
Q.ニーズを的確にとらえるには転入転出者へアンケートするのがいいのでは?
A.離婚やDVなど、答えづらい転居の理由を持っている人もいるので、踏み込んでのアンケートは難しい。
【所感】
人口減少、少子化に対して危機的な意識を持ち、積極的な子育て支援とそこからの定住促進を図っている。施策発表時には「なぜ子育て世代だけ支援」「高齢者福祉が後退するのでは」「財政的に続けていけるのか」などの意見があったが、議会や市民等への対話集会などを通じて丁寧に説明し理解を得ている。実施後は賛成の意見も多くなってきており、好評な声が聞かれるようになってきている。事業実施直後から社会増減の人口減少は少なくなり、平成25年度末にはプラスに転じたが、翌年度末には再び大幅な減少となり、施策の一定の効果は見られるものの、長期的な取り組みが必要と分析されている。本市においても、地域性なども考慮した少子化対策が必要であるが、11の事業については大変参考になるものであった。
1月20日に、岡山市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。
視察先: 岡山市役所(岡山県)
調査項目: 持続可能な社会づくり~岡山ESDプロジェクト推進事業~について
市民からの働きかけにより、2002年に国連が開催した地球環境問題に関する国際会議(ヨハネスブルクサミット)に市長特使を派遣し、国連としてESDの取り組みが開始されるとの情報を得た。翌年より更なる情報収集を始め、2004年には大学教授にもアドバスをもらい、市としてESDの取り組みを進める方向となった。1980年代から市内には環境、女性、南北問題などの市民活動が継続して行われており、公民館においても環境保全施策や社会教育主事の配置がされるなどの背景があったことから、「環境」「国際理解」を中心にESDを推進していくこととされた。
国連ESDの10年(2005~2014年)のスタートに合わせ、「持続可能な社会の実現に向け、共に学び、考え、行動する人が集う地域づくり」を目的に岡山ESDプロジェクトが開始された。プロジェクトの取り組みに当たっては、岡山ESD推進協議会(事務局:岡山市)が設置され、市民団体、行政、教育機関、企業、社会教育機関、メディアが登録団体として取り組みに参加した。活動団体は当初48組織であったが、2015年には242組織huh大きく増加している。
このプロジェクトは「ESD岡山モデル」として“地域拠点(公民館、ユネスコスクール)を核に市域全体での取り組み”“あらゆる世代、多様な団体が参加”“専従コーディネーターや大学による継続的な支援”が特徴とされる。
【調査概要】
1)事業内容
a)公民館による地域でのESD推進
公民館職員が地域の学びと課題を繋げるコーディネーターとなり、地域住民にESDを学ぶ場を提供する、公民館の取組みをESDの視点でまとめる、などの取り組みが行われている。このことにより、公民館、学校、地域が連携して地域ESD推進協議会が設置、環境学習から地域や学校を巻き込んだエコクラブ活動の発展、高齢者のサポート活動を行う“つながり隊”が結成されるなどの成果が生まれている。
b)中学校区単位でのユネスコスクール推進
教育委員会指導課、ESD推進協議会、ESDコンソーシアム事業(文科省補助)などの支援により、市内51校(平成27年10月現在)がユネスコスクールに登録している。中学校区内の小中学校が地域と連携し、農業など地域の特色を生かしながら中学卒業までに育ってもらいたい人間像を明確にした人づくりを行っている。
c)継続的な支援
岡山大学や岡山理科大学などとの連携協定による組織的な支援や、研究室単位でのつながりなどにより、農業、学校教育、環境保全活動などの面で継続的な支援を受けることができている。また大学生が地域活動へ参加することにより世代間の交流などにも役立っている。
2)ユネスコ世界会議
国連ESDの10年の最終年となる2014年に名古屋市と岡山市で世界会議が開催された。岡山市での開催により、“岡山モデルの発信”“持続可能な社会づくりを目指す都市イメージの発信”“観光・コンベンションの推進”“市民協働の取り組みや制度化の進展”などの成果を得ることができた。
この会議においてESDの10年は終了となるが、引き続きユネスコとしてESD
の取り組みを進めるため「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)」が採択され、この中の5つの優先行動分野の一つである「地域・地方での取り組みの促進」分野において、岡山市がキーパートナーに選定された。
岡山市においては、2015~2019年の5年間を計画期間とする「新岡山ESDプロジェクト基本構想」を策定するとともに、岡山ESD推進協議会の体制一新、市も市民協働局にESD推進課を設置するなど、今後もESDを継続的に推進することとしている。
【主な質疑】
Q.事業開始時にはどのような苦労があったか?
A.まずESDという言葉、考え方が行政も含めて全くわからなかった。
Q.職員のスキルアップは?
A.公民館職員については、年8回の研修を行っている。一般職員については市民も参加可能として年3回の実施。
Q.ユネスコスクール加盟が全ての学校でないのは何故?
A.教育委員会指導課が、地域性やそれまでの取り組みなどを勘案して中学校区単位で加盟を推進してきた。その他の学校については加盟は任意としている。
Q.市民へのESD理解は進んでいるのか?
A.地道な活動で少しずつ進んできたが、世界大会の開催が認知度を上げる大きなきっかけとなった。市民意識調査の結果を見ると、3年前に約17%であったものが、本年は40%にまで増加している。
【所感】
学校教育においても教育指導要領の改訂に合わせたESDの推進や、文部科学省におけるESD関連予算の増加など、世界市民としての人づくりは大きな流れになりつつある。
その点で岡山市で行われている地域活動と学校教育など、様々な分野をつなげていく取り組みは、生活に身近な課題からグローバルな視点で物事をとらえるという意味において、非常に素晴らしい取組みであると感じた。
本市においても多くの市民活動団体があり、ESDの掲げる環境や人権など地球的課題を取り扱う団体も少なくない。また学校教育においても総合的な学習の時間や、平成27年度に開始した立川市民科などを通して、既にESD的活動は展開をされていると考えられる。それらを地域とグローバルな視点で捉えることが重要であり、今後もESDの普及について研究し、推進していきたい。
1月19日に、鳥取県米子市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。
視察先: 米子市役所(鳥取県)
調査項目: よなごスマートライフ・プロジェクト推進事業について
平成24年に行われた県ライフスタイル意識調査において、日常生活における充足度と重要度から最優先される課題として、「災害時の電力安定供給」「地域の新ビジネス創出」「個人医療費の負担軽減」などが上げられた。これらの課題解決の向けて、地元産官学と県外企業の連携で市民の新たな生活価値を創出することを目的とした事業が、総務省のICT街づくり推進事業に採択され、災害時の電力供給及び健康づくりの課題解決に向けたプロジェクトなどの実証実験が行われた。
【調査概要】
実証プロジェクトは、自治体とゲーブルテレビ局、市民がICTを活用・連携し、新たな生活価値を創出することを目指し、「エネルギー」「健康づくり」「防災・減災」の3つの分野で実施された。総事業費は約1億円で、総務省の10/10補助が活用された。
1)エネルギー分野
市役所および市内30世帯にHEMS(Home Energy Management System)を設置し、これらを連携させた蓄電池充放電システムの運用実証をおこなった。これは、地元で創出する再生可能エネルギーも活用し、エネルギーの地産地消も目指す。
市役所敷地内にに200kWhの蓄電池システムを設置して行った実証実験の成果から、地域エネルギー事業として実用化することとなり、市役所蓄電池では実質的な節電サービスを開始した。本年4月の電力自由化に対応して、市と民間企業の共同出資による地域エネルギー会社を設立することで、現状では中国電力など地域外大手電力会社からの買電による資金の流出を地域内に循環させることができ、更に雇用も創出することができる。このことで経済波及効果は約33億円を見込んでいる。
2)健康分野
市内60世帯に体組成計や血圧計、活動量計、タブレット端末などを貸与し、ICTを活用して日々の健康管理に活用することを目指した実証実験を行った。
貸与された機器に記録したデータをタブレットに転送することで、医療機関からのアドバイスなど連携したサービスとなることを想定していたが、タブレットへのデータ転送を面倒と感じる利用者が多かったこと、詳細な分析・アドバイスが多人数になると難しいこと、民間での同様のサービスが先行していることなどから、商用化して継続することは難しいとの判断となった。
なお、実証実験においてはランキング形式の導入によるゲーム性の負荷は好評であった、医療機関においては普段は健康な方のデータは収集が難しいことから、今回の実証実験におけるデータは貴重なものであったなど、一定の成果が得られた。
3)防災・減災分野
市役所蓄電池を活用して停電時に市役所災害対策本部への電力供給実験を行った。防災関係の衛星通話端末や照明・暖房・通信機器の動作を確認するとともに、最大3kWの使用で運用できることを確認し、常時確保すべき最低2日分の蓄電容量を確認することができた。避難所においては、蓄電池の他、ソーラーパネルと電気自動車を活用し、特に要援護者の対応に耐えうる電源供給が確認された。
共同企業の地元ケーブルテレビでは、災害時の情報発信手段として、防災無線やホームページ、SNSなどの他にも多様な手段を確保する方策として、テレビ画面上に災害情報を表示させる(TVテロッパー)実証実験も行った。このシステムは個人毎にIDが設定されており、地域別など個別に必要な情報を提供できる仕組みとしている。しかし、放送法の関連や、個別に情報発信する場合の発信作業などの面で課題が多いことがわかった。その後、情報提供については公共情報コモンズとの連携で実用化している。
【主な質疑】
Q.アンケートの結果から市民の電力への関心が高いのは何故?
A.当時は日本一の規模のメガソーラーが建設されるとの計画があり、電気自動車開発の企業が移転されるなどで市民の関心が高かったと考えられる。また、調査前年(平成23年)の豪雪によって長時間停電となったことも関心が高かった要因と考えられる。
Q.市民も参加してのプロジェクトということだが、関わり方は?
A.アンケート回答や、NPO・高齢者施設・福祉団体などからの個別分野での意見聴取など。
Q.実証実験で開発されたアプリは今後活かされるのか?
A.電力供給システムについては今後の商用化で基盤システムとして活用される。また、他団体からシステム使用の要望があり、販売することで地元開発業者の利益とつながった例もある。
【所感】
国の補助事業で大がかりな実証実験が行われた。小水力発電や風力発電、太陽光発電など地元で再生可能エネルギーを創出できる環境を活かしたエネルギー事業については、官民共同の商用化へとつながり、大きな経済効果が期待できるところまで実現したことは素晴らしいと感じた。一方で、ICTの技術は日進月歩で、利活用についても民間企業との密接なパートナーシップがないと難しいとも感じた。
11/16(月)の午後、立川市議会農業視察に参加しました。
市議会の多くの議員と一緒に、市内の「植木」と「野菜」農家さんを訪問し、現場を見ながらお話を聞かせていただきました。
その後、立川農業振興会議の皆様と市内農業の現状と課題について意見交換。農業委員会制度のこと、相続に関すること、みのーれ立川のことなど、現在抱える課題などについての意見が出されました。意見交換会の後には、「ファーマーズセンターみのーれ立川」も視察しました。
最後の「みのーれ立川」では市内産の野菜を購入させていただきました!レジ袋は有料ですが「くるりん」が描かれていますよ。
ちなみに、立川市と立川農業振興会議の間では防災協定が結ばれており、災害時には一時避難場所として農地を活用させていただいたり、井戸水の供給、農作物の提供も想定されています。













