5月10日(水)、松阪市で立川市議会公明党の会派行政視察を行いましたのでご報告します。

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視察先と調査項目

視察先: 松阪市健康センターはるる
調査項目: 歯と口腔の健康づくり
 

調査の目的

歯科口腔保健の推進に関する法律が平成23年8月に施行され、政府の骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)にも、口腔の健康が健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしていることが明記されるなど、歯と口の健康の重要性が年々注目されるようになってきている。松阪市では、「歯と口腔の健康づくり推進条例」を制定、「歯と口腔の健康づくり基本計画」を策定するなど、歯と口の健康について積極的な施策を展開していることから、その状況などを調査し立川市における取組の参考とする。
 

調査概要

松阪市健康センターはるるにおいて、健康福祉部健康づくり課の職員から取り組みに関する説明を受けた。
 

取り組みの概要

<市の歯科保健対策>
昭和57年に松阪市歯科センター・歯科休日応急診療所を開設、平成4~14年の間に歯科健康診査(のちに歯周病健診に変更)実施、在宅寝たきり老人歯科訪問診療実施、市職員に歯科衛生士配置、口腔ケアステーション運営を開始するなど、様々な歯科保健に関する取組みが行われてきた。

平成23年の国の「歯科口腔保健の推進に関する法律」施行、平成24年の三重県の「みえ歯と口腔の健康づくり条例」制定を受け、市としての歯と口腔の健康づくりを推進するにあたっての基本的な考え方を示し、生涯を通じて歯と口腔の検診や保健サービスを受けることができる環境等を関係機関における施策と連携を図り、総合的かつ計画的に推進していくため、平成26年12月の市議会で「松阪市歯と口腔の健康づくり推進条例」が可決され、平成27年4月1日に条例が施行された。

条例は、ワークショップや意見聴取会、パブリックコメント、市議会委員会への経過報告などを経て上程され、条例施行後には、記念講演会の開催、歯と口腔の健康づくり推進協議会の設置、市民意識調査の実施、健康づくりワークショップ開催などに取り組み、基本計画は推進協議会による協議やパブリックコメントを経て平成28年3月に策定された。
 
<フッ化物洗口事業>
フッ化物には、歯質強化(むし歯菌の作る酸に負けない丈夫な歯に)、再石灰化の促進(むし歯菌の作る酸によって歯から失われたカルシウムやリンを取り戻す)、抗菌作用(むし歯菌の活動を抑える)などの効果があると言われている。むし歯予防効果は、フッ化物配合歯みがきやフッ化物の歯面塗布よりも、洗口のほうが効果が高いとされている。

松阪市内では、平成24年12月に私立保育園で「三重県フッ素洗口事業」に参加、条例制定におけるワークショップや意見聴取会において様々な意見が出され、議論や課題を整理し、平成27年にフッ化物洗口を市の事業として開始(県事業としての実施も継続)。
平成28年3月策定の「歯と口腔の健康づくり基本計画」において、基本的施策の「乳幼児期から学童期のむし歯予防対策の強化」の中に、歯みがき・食習慣・定期歯科受診に加え、フッ化物応用による歯科保健対策の推進が明記された。
その後も、フッ化物洗口推進事業専門部会や研修会、先進地視察などを経て、平成30年11月から小学校のフッ化物洗口事業が開始、令和5年度からは中学校2校でも実施となった。

市民や関係者からの意見では、安全性への不安、薬剤の管理・取り扱いの問題、教職員や児童の負担増加などの反対意見が出されており、市は丁寧な説明に努めるとともに、研修会の開催、啓発用DVDの作成、幼稚園・保育園・学校へ配布するマニュアルの作成などに取り組み理解を進めてきた。
 

質疑応答

Q.推進協議会の現在の役割について
A.設置当初は基本計画の策定が主な協議内容であったが、計画策定を終えた現在は、取り組みの実績報告、中間評価、モニタリング、フッカ物洗口事業推進についてなどを協議しており、歯科医師会がかなり積極的にやってくれている。

Q.フッ化物洗口の実施について
A.学校、保護者への理解、教育委員会への説明など庁内の関係部署が協力して行った。導入当初は劇物を学校で扱うということに不安があり、コロナ禍となってからは吐き出す飛沫に特に注意が必要だった。歯科衛生士などに現場での指導なども行なっていただいた。保育園は毎日、小学校は週1回実施している。薬剤は顆粒のものを溶かして使用している。

Q.高齢者の口腔保健の取り組みについて
A.地域包括支援センターが中心に高齢者の集いの場を作っており、そこで介護予防の一つとして高齢福祉部門と連携して口腔保健に関する取組みを行っている。

Q.フッ化物洗浄に係る予算について
A.健康づくり課で薬剤等は購入して実施園・学校へ配布している。コロナ禍により紙コップを使用することになり、そちらは教育部門で予算措置して購入してもらっている。

Q.歯周病検診の受診率向上の取り組みについて
A.検診券をがん検診と一緒にしていたが、それぞれを別にしてわかりやすくすることで受診率向上を目指している(令和5年からのため結果は今後)。
 

所感

平成24年度の12歳児のむし歯の状況が県内14市中ワースト2位であったことで課題意識が大きく、推進条例の制定、基本計画の策定と、積極的・計画的に歯と口腔の健康づくりについて取り組みを行っていることが分かった。
フッ化物洗口など、様々な取り組みにおいて市歯科医師会の協力が大きな推進力となっているとのことで、立川市においても市医師会が様々な取り組みや提案を行っていただいており、今後市との協力関係を深化させて市民の健康を守ることが重要であると感じた。
ご多忙の中、丁寧な説明、質疑への的確な回答、事業説明の後の施設見学などで関係職員の皆様に多くの時間を取っていただき、心から感謝申し上げます。
 


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