給付型奨学金と授業料減免
年収上限600万円に引上げ
24年度から多子世帯、理工農系学生
公明党が強力に推進してきた高等教育無償化が拡充―。文部科学省は4日、大学などの授業料減免と給付型奨学金をセットで行う高等教育無償化について、中間所得層の子ども3人以上の世帯などへの支援拡大のため、対象となる年収上限を現行約380万円から600万円程度に引き上げると発表した。2024年度から開始する。新たな対象は約20万人に上る見通し。
公明の政府提言が実現
岸田文雄首相が議長を務める教育未来創造会議の提言を受け、同省が所得基準などを検討。公明党が政府に行った少子化対策に関する提言も反映し、政府が3月末に発表した子育て政策の具体策をまとめた「たたき台」に盛り込まれていた。
現行制度は世帯年収に応じて3段階の支援区分を設定。文科省によると、21年度は31.9万人が利用。最大の支援が受けられる年収約270万円未満のモデルケースでは、入学金と授業料の計約96万円の減免に加え、返済不要の給付型奨学金が年間約91万円支給される。
新たに設定された四つ目の区分は年収が600万円程度までで、扶養する子が3人以上の多子世帯と私立の理工農系学部に進学する場合が対象となる。多子世帯は年収約270万円未満への支援額の4分の1、私立の理工農系は、文系と授業料の差額を支援する。
減額返還制度 20代の80%カバーに改善
貸与型奨学金で月々の返済額を減らす減額返還制度についても、利用可能な年収上限を現行の325万円以下から400万円以下に引き上げる。利用可能人数は80万人増の約300万人に拡大する見込みで、月々の返還額が重い負担とされる20代返還者の80%をカバーできるという。
返還額の減額幅も柔軟に選択できるようにする。現行制度の減額幅は、2分の1、3分の1だが、新たに3分の2、4分の1を追加。収入やライフイベントに応じた返還を可能にする。有利子奨学金の場合、返還期間が延びることで利息の増加が懸念されていたが、公明党の訴えで、利息は増えないことが決まった。
また大学院(修士段階)授業料の後払い制度も創設。後払いにできる額の上限は、国公立は国立の標準的な授業料(年約54万円)、私立については平均授業料とする予定。卒業後、返済が始まる年収を単身の場合は300万円程度から、子が2人いる場合は400万円程度からとし、返済額は課税所得の9%とする。
奨学金制度の拡充を巡っては、公明党が長年にわたって主張するなど一貫して議論をリード。3月28日に行った党の「子育て応援トータルプラン」実現に向けた提言では、高等教育無償化に関して、段階的な対象拡大を強く要請。それに先立ち、昨年6月の衆院予算委員会で浮島智子氏が、まずは多子世帯や理工農系学部を対象に年収約600万円の中間所得層まで拡大するよう具体的に提案していた。さらに若者の経済的基盤の強化に向け、貸与型奨学金の減額返還制度の拡充なども訴えていた。
公明新聞2023年4月13日付け
