2019年度の政府予算案と税制改正大綱、18年度第2次補正予算案には、公明党の主張が数多く盛り込まれました。分野別に主な施策の概要を順次紹介します。(最終回)
中小企業
事業承継
個人の税負担はゼロへ
2019年度の税制改正大綱では、高齢化や後継者不足に悩む個人事業主の円滑な事業承継を支援するため、相続時の税負担をゼロにする措置を講じます。
具体的には、事業に必要な土地(最大400平方メートル)のほか、建物(最大800平方メートル)や自動車などを対象に相続税・贈与税を全額猶予する制度を創設。19年から28年までの10年間の相続・贈与を対象とする時限措置で、後継者が事業を継続する限り納税は猶予されます。
さらに、19年度予算案と18年度第2次補正予算案では、事業承継促進の関連費として120億円を計上しました。中小企業の経営者がワンストップ(1カ所)で引き継ぎに関する相談ができる体制の強化や、専門家が依頼先に訪問し助言を行う“プッシュ型”支援などを拡充し、経営者の課題解決に迅速に対応していきます。
生産性向上
ものづくり補助金を拡充
中小企業の生産性向上や人手不足対策に向けた推進事業には、18年度第2次補正予算案で1100億円を確保しました。中小企業の生産性を高める設備投資や製品開発のほか、IT機器導入や販路開拓の取り組みにも補助を行うなど、支援策を強化します。
こうした中小企業の生産性向上の取り組みを切れ目なく支援するため、12年度から毎年度補正予算で講じられてきた「ものづくり補助金」を、今回、初めて19年度の当初予算案にも計上。1社当たりの補助上限を1000万円から2000万円に倍増します。
生産者と小売り業者が連携して商品情報を共有し、販売戦略に生かすプロジェクトなどを支援し、中小企業の体質強化と経営効率改善を後押ししていきます。
農業、災害医療
TPP関連対策 農家の収益力を高める
昨年、発効された日本を含む11カ国による環太平洋連携協定(TPP11)に備え、2018年度第2次補正予算案には、農林水産業の収益力強化策として3188億円が計上されました。
具体的にはコメの生産コスト削減を図るため、大型農業機械の導入が可能となる農地の大区画化の整備を推進。地域ぐるみで畜産や酪農の収益向上をめざす畜産クラスター事業をさらに加速させます。野菜や果樹向けの産地パワーアップ事業では、労働生産性の向上に向け、高性能な農業機械導入への支援を進めます。
また、2月に発効される欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)に向けては、国産チーズへの影響が懸念されていることから、その高品質化や需要拡大に向けた取り組みを支援します。
施設の耐震化 拠点病院、保健所で実施
昨年相次いだ大規模災害の教訓を踏まえた公明党の主張を受け、災害医療体制の充実が進みます。2019年度予算案に18年度予算(4.2億円)を大きく上回る94億円、18年度第2次補正予算案にも291億円を計上しました。
取り組みの柱となるのが、災害拠点病院や保健所、水道施設などで実施する耐震化工事や、停電時に対応するための非常用自家発電設備などの整備です。
さらに、大規模災害の発災直後から被災地で医療支援を行う災害派遣医療チーム(DMAT)の体制を強化。各地の医師らで結成されるチームの派遣先や役割などを調整する司令塔となる事務局の人員を増やし、支援の迅速化をめざします。
また、人工呼吸器などを装着する在宅の患者に対し、長期停電時でも稼働可能な簡易自家発電設備を医療機関から貸し出すことができるようにする経費の補助も行われます。
公明新聞2019年1月14・15日付け
