1月23日(火)、長野県で立川市議会公明党会派行政視察を行いましたのでご報告します。
視察先: 長野県庁
調査項目: LINEを利用したいじめ・自殺相談について
子どもや若者が、いじめや様々な悩みから自殺を選ぶといった悲しい出来事が時々報道され、自殺に至る前に何か周囲でできることがなかったのかなどが話題となる。行政や学校も様々な媒体を通していじめ相談、自殺相談の窓口を充実させてきているが、子どもたちが気軽に相談できる体制となっているのか、検証は難しい課題でもある。
平成29年度に子どものコミュニケーションの中心ともいえるスマートフォンアプリである「LINE」を使ったいじめ・自殺相談が長野県で試行されたことから、その結果や効果についての状況を調査することで、立川市における参考とするため視察を行った。
調査概要
長野県庁において、教育委員会職員より事業について説明を受け、質疑応答を行った。
a)取り組みの概要
子どものコミュニケーション手段がSNSに移行している状況を踏まえ、コミュニケーションアプリLINEを利用した相談事業「ひとりで悩まないで@長野」を試行した。試行期間は平成29年9月10日~23日の2週間で、相談時間は17:00~21:00、対象者は中学生と高校生等とした。相談の体制は、外部専門機関に業務を委託し、相談員10名(10回線)を配置した。
相談対応は2週間で547件となり、電話相談が年間259件(H28年度)であることから、気軽に相談できることにより件数が大幅に増えていると考えられる。また、受付時間内だけでもアクセス数は1,579件あり、実際には対応できなかったアクセスが多数あった。アクセスできない場合は込み合っている旨と、電話相談ダイヤルをお知らせしており、試行の2週間では電話相談も通常の1.5倍増となったとのこと。相談内容の分類なども含めた試行結果として「身近な(気軽な)相談ツールとして認識されたものと推測」されている。
事業の成果・効果として、「潜在した相談へのニーズの発掘」として、潜んでいた相談したい気持ちを掘り起こすことができた、「悩みの芽を早期に摘み取り」として、早期の解決可能な時期に解消することで深刻な事態に陥ることを回避できた、とされている。一方課題として、文字でやり取りをすることから共感や寄り添いの気持ちを伝えるのが言葉よりも難しい、通話による相談に切り替えて継続する仕組みの構築、文字入力の間の待ち時間や回答時間がかかることから相談員のコスト高となる、などが挙げられた。
b)質疑応答
Q.何故LINEと協力して実施できたのか?
A.LINEが企業CSRとして他の自治体にも呼び掛けていた。長野件は子どもの自殺率がH22~27年で日本一となり、対応を求める県議会議員が一般質問で取り上げ、それを見たLINEが声を掛けてきた。県知事も非常に関心が高く、早速試行することとなった。
Q.対象が中高生となっているが学校側の反応は?
A.中学校教員団体からはLINEの利用を推奨するように受け取る生徒がいるのではないかなどの意見はあったが、強く反対や周知に協力しないなどは無かった。
Q.試行を終えて今後の考え方は?
A.担当としては本格導入したいが、財源が課題となってくる。通年ではない方法、委託方法、国の動きなども含め、本格実施に向けて進めたい。

所感
効果の検証にもあったが、早期に悩みの芽を摘み取ることで複雑化・深刻化する前に対応できることもあることを考えると、以下に相談しやすくするか、気軽に相談できるかが重要であり、その意味ではLINEを利用することは大変大きな効果があったと感じた。コスト面では相談員の費用が大部分であり、やはり一番の導入課題は財源であるとのことであった。また、国も注目をしており財政的支援も考えているとのことであったため、市町村なのか都道府県なのかどのレベルとするかはあるが、立川の子ども達も使える仕組みが導入されることを強く期待し、引き続き調査を行っていきたい。
