10月6~7日、岡山市で開催された「第78回 全国都市問題会議」に参加してきました。
全国市長会など4団体が主催するこの会議は毎年開催されており、今回のテーマは「人が集いめぐるまちづくり ~国内外にひらかれたと市の活力創出戦略~」でした。
[第1日 平成28年10月6日(木)]
一、開会式
一、基調講演
ドイツ文学者、エッセイスト 池内 紀
一、主報告
岡山市長 大森雅夫
一、一般報告
法政大学デザイン工学部教授 陣内秀信
橿原市長 森下 豊
筑波大学サイバニクス研究センター長 山海嘉之
[第2日 平成28年10月7日(金)]
一、パネルディスカッション
東京大学大学院工学研究科教授 西村幸夫
中央大学法学部教授 工藤裕子
(一社)エリア・イノベーション・アライアンス代表理事 木下 斉
(株)ファジアーノ岡山スポーツクラブ代表取締役 木村正明
茨城県ひたちなか市長 本間源基
三重県鈴鹿市長 末松規子
一、閉会式
今回の都市問題会議では「人が集いめぐるまちづくり」とのテーマで、講演、報告、パネルディスカッションが行われました。二日間にわたる大変ボリュームのある内容でしたので全てを書ききれませんが、参考になるもの、興味深い報告などに絞って概要をご報告します。
都市のまちづくりという点で岡山市からは、(1)地域経済の活性化による魅力と活力あふれるまちづくり、(2)コンパクトでネットワーク化された快適で多様なまちづくり、(3)歴史と文化が薫り誇りと一体感の持てるまちづくり、(4)安心して子育てができ若者や女性が輝くまちづくり、(5)住みなれた地域で安心して暮らせる健康・福祉のまちづくり、の5つを掲げた取組状況などについての報告がありました。歩行空間の拡大や自転車レーンの設置、コミュニティサイクル、ワークライフバランスの推進、健康寿命延伸などの取り組みが立川市にとっても参考となりました。
法政大学デザイン工学部教授の陣内氏は「人を惹き付ける都市空間とその文化力」として一般報告されました。その中では近年の魅力が高いと評価されている都市空間として、金沢や川越などの歴史・文化を活かした歴史的空間、お台場や大阪の北浜テラスなどに見られる水辺空間の発見と再生、外濠野外コンサートや隅田川オープンカフェのような屋外空間の活用、神楽坂や森ビルのような凸凹地形の再評価、高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪のような顔の見える街、などを挙げて紹介されました。
パネルディスカッションのパネリスト、中央大学教授の工藤氏は「アート・イベントがもたらす地域への効果と課題」として議題提起されました。現在全国各地で開催されるアートイベントは、アート自体の魅力以外にも、地域の自然、独特な文化や食などの魅力もあり、交流を通じた地域の活性化が進んでいるとして、瀬戸内国際芸術祭2016を紹介。海外のアートイベントの紹介につづいて、日本での瀬戸内国際芸術祭と類似のイベントとして「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」「中之条ビエンナーレ」「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」などを紹介し、それぞれがアートと地域活性という側面で実施状況が報告されました。最後に、このようなアートイベントは定期的な開催が良いのか、一過性のプロジェクトが良いのか、事例などを挙げながらメリット・デメリットなどについて話をされました。
同じくパネリストの一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事、木下氏は「都市間競争時代に求められる『稼ぐ都市づくり』」として、これからは稼ぐ自治への転換が重要との話をされました。老朽化した公共施設整備にしても、開発時点から民間施設との合築を考え、施設維持に必要な予算もテナント収入などをベースに考える必要があると述べました。また、いい公園を造ると周辺の地下が上昇し、固定資産税の歳入が増につながるという話をされ、極端な話ではあるが、持続可能な都市運営・自治体運営を考えると、そのような視点も必要と強調されました。更に、収入を得る施設を将来的に維持可能なコンパクトな状況に絞ることで、地域金融との連携、民間資金の活用が可能になり、特色ある地域開発と地域の負担を軽減することができると結ばれました。


