8月1日に、北海道根室市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。

視察先: 根室市役所(北海道)
調査項目:
 ・根室なでしこ応援事業について
 ・通年雇用促進事業について
 ・中小企業振興条例について


根室市では地域経済の発展や産業の活性化を図るため、その振興施策を複合的に展開している。日本全体が人口減少、高齢化を迎える中で、根室市でもその波は大きく、持続可能な社会づくりのため、女性の活躍推進や豪雪地という地域特性に対応した就職・雇用、経済の地域内循環を目指す施策などが具体的に展開されている。立川市は商都として近年は大きく発展を遂げているが、より一層の産業・商業施策を展開し持続可能なまちづくりを進めていく上での参考とするため視察調査を行った。
 
【調査概要】

◆根室なでしこ応援事業について
職業体験実習、資格取得支援、セミナーの開催などで、働きたい女性を支援する事業。
対象者は、勤労意欲のある満15歳以上満60歳以下の市内に住所を有する女性の非正規雇用者や求職者。支援を受けるには「根室なでしこバンク」への登録が必要。
平成27年度に事業スタートし、11名が登録し、内2名が就職した。平成28年度は12名が登録中。登録者の希望職種は事務が多い。
市内の有効求人倍率は1.2倍であるが、水産加工業の求人が多く、勤労を希望する女性とのマッチングに課題がある。

◆通年雇用促進事業について
厚生労働省の委託事業で、北海道のみが対象となっている。
主な産業であるコンブ漁については6月から9月までしか操業できず、冬季の収入確保が大きな課題となっている。人口減少を食い止め、地域経済を再生させるためには、冬季の仕事のために市内から転出することを抑制することが必要であり、季節労働者の通年雇用を促進するための能力開発を支援する。
対象者は、短期雇用特例被保険者として雇用されている者などで、クレーン運転、玉掛、溶接、フォークリフト運転などの技能講習を無料で受講できる。また、事業者向けにもセミナーを開催し、通年雇用奨励金制度などの案内、啓発を通して、就業機会の拡大を図っている。

◆中小企業振興条例について
平成22年に中小企業家同友会根室支部が市長へ条例制定を打診、一緒に勉強していくことで一致した。翌年4月に条例制定に関する懇談会が中小企業家同友会根室支部、根室商工会議所と根室市で開催され、条例の必要性について意見が一致。同年10月より条例制定に向けての勉強会、検討会、先進市視察などが行われ、平成26年9月定例会での産業経済常任委員会へ案を報告、12月定例会に上程されたが継続審議となった。その後、産業経済常任委員会で引き続き審議が行われ、平成27年3月定例会において可決・制定された。
条例の特徴として、「商工会議所、農業協同組合、漁業協同組合も中小企業者等に含むとして、条文の中でも中小企業者と中小企業者等を使い分けている。」、「域内循環推進の立場から、市・中小事業者等・大企業者・市民の全ての役割に市内産品及びサービスの利用について規定している。」の2点があげられる。
市域で見た場合の平成22年度の経済流入は約806億円に対して、経済流出は899億円と大きな赤字になっており、域内循環を促進させることを大きな目的としている。
 
【主な質疑】

Q.なでしこバンクの登録者と、実際の求職者数は?
A.平成28年度は登録者12名。市内の求職者数は800名弱。

Q.なでしこ応援事業の職場体験実習の仕組みと実績は?
A.受け入れてくれる協力事業所は登録制となっており、参加者・受入事業者とも謝礼金が出る。昨年の実習実績は1件。

Q.通年雇用促進事業の実績は?
A.平成20年度からスタートし、毎年7~8名、述べ約50名の通年雇用に繋がっている。

Q.季節労働者としての市外労働以外の工夫は?
A.漁ができない時期の漁船クルーズや、野鳥ウォッチングなど、地域資源を活かした観光にも近年力を入れている。

Q.中小企業振興条例は理念を謳ったものだが、その効果・成果はどのように検証するのか?
A.経済流出・流入を指標としてその金額ではかる。

Q.市民の役割も規定されているが周知は?
A.広報紙やホームページで周知している。

【所感】
写真 2016-08-01 17 03 30なでしこ応援事業は、地域の主力産業が漁業・水産業であることから、女性の就業希望とのアンマッチが発生しているとのこと。有効求人倍率は1倍を超えているものの、実際には多くの就業希望者がいる状況であり、ギャップの解消に努める一つの手段として行われている事業であった。中小企業振興条例は他の自治体でも制定されている例があるが、根室市では経済の流出入に着目し、成果の指標としているところも特徴であり、大変厳しくもある目標設定に感心させられた。今回の調査項目の他にも「若年者等雇用促進支援事業」というものも行われており、現に進んでいる人口減少に大きな危機感を持ち、多角的な視点で様々な支援策を打ち出していることに真剣さを感じた。それぞれの事業の特徴などを改めて見直し、立川市の産業振興の取り組みの参考としていきたい。

※写真は調査終了後に、田塚不二男根室市議会議長(公明党)と一緒に撮った一枚です。

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瀬のぶひろ X
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