1月21日に、兵庫県相生市で会派行政視察を行いましたのでご紹介します。

視察先: 相生市役所(兵庫県)
調査項目: 定住・子育て支援事業について


写真 2016-01-21 9 51 45市の財政状況が危機的となる見込みとなった平成17年3月に「相生市SOS宣言」を行い、平成18年4月より「第1期相生市行財政健全化計画」をスタートさせ、計画最終年度の平成22年度当初予算額は平成17年度ベースで約20%の削減を達成しました。しかし、将来の人口減少が最重要課題として浮き上がり、特に年少人口(15歳未満)の割合が県下で最下位となりました。
この課題解決のため平成23年度から5年間を計画期間とする「第2期行財政健全化計画」をスタートし、選択と集中による投資を「人口減少対策」「教育・子育て・少子化対策」「産業の活性化対策」において取り組むこととされました。そして、自主的・自立的な地域経営を目指し、その姿勢を示すため「子育て応援都市宣言」を行い、子育て世代をターゲットに定住促進を図ることとされました。
 
【調査概要】

11の定住促進関連事業を「11の鍵」として、市内外へのPRを積極的に展開。

(1)出産祝金支給
 市内に分娩施設がないため、通院の労力と交通費負担の軽減として出産時にお祝いとして5万円を支給

(2)子育て応援券交付
 保育所一時預かりや任意の予防接種など有料の子育て支援サービスに利用できる2万円分の応援券を交付

(3)マタニティータクシークーポン交付
 市外の分娩施設や外出の際に利用できるタクシー助成券1万円分を交付

(4)こども医療費助成
 県では小学4年から中学3年まで入院費の無料化を行っているが、市として通院医療費も無料化としている(乳幼児等医療費助成もあるため0歳から中学3年まで医療費が無料。但し、0歳児を除き所得制限あり。)

(5)市立幼稚園給食実施
 週3回給食を実施。月曜日は弁当持参、金曜日は午前保育。

(6)給食費無料化
 地産地消と食育の観点も含め、市立幼稚園、小中学校で給食費無料

(7)保育料軽減事業
 市立幼稚園の保育料は無料。私立幼稚園・保育所には月額8千円を限度に補助

(8)市立幼稚園預かり保育
 4・5歳児対象に通常保育終了後に月額5千円で預かり保育を実施(長期休暇中は実施しない)

(9)相生っ子学び塾
 児童の放課後の居場所づくりと、基礎学力の向上などを目的に、小学5・6年生対象で国語・算数・英語の学習機会を提供

(10)新婚世帯家賃補助金交付
 結婚3年以内で夫婦のどちらかが40歳未満の市内民間賃貸住宅に新たに入居する新婚家庭に月1万円を補助(3年)

(11)定住者住宅取得奨励金
 市内に住宅を新築・購入した40歳未満の世帯に50万円、市街からの転入者に30万円を5年に分けて助成

【主な質疑】

Q.医療費助成で所得制限により助成を受けられない世帯はどの程度いるか?
A.全世帯の1割にも満たない。

Q.保育料軽減では私立に補助している8千円の根拠は?
A.市立幼稚園保育料が月6千円、給食費が月2千円程度なので、子ども一人当たりの市の負担額を公平にする考えで8千円としている。

Q.相生っ子学び塾の対象者は?
A.希望者はだれでも受けられる。昨年度は全対象者の3割程度が受けており、年々受講者が増えてきている。

Q.ニーズを的確にとらえるには転入転出者へアンケートするのがいいのでは?
A.離婚やDVなど、答えづらい転居の理由を持っている人もいるので、踏み込んでのアンケートは難しい。

【所感】
写真 2016-01-21 11 12 39人口減少、少子化に対して危機的な意識を持ち、積極的な子育て支援とそこからの定住促進を図っている。施策発表時には「なぜ子育て世代だけ支援」「高齢者福祉が後退するのでは」「財政的に続けていけるのか」などの意見があったが、議会や市民等への対話集会などを通じて丁寧に説明し理解を得ている。実施後は賛成の意見も多くなってきており、好評な声が聞かれるようになってきている。事業実施直後から社会増減の人口減少は少なくなり、平成25年度末にはプラスに転じたが、翌年度末には再び大幅な減少となり、施策の一定の効果は見られるものの、長期的な取り組みが必要と分析されている。本市においても、地域性なども考慮した少子化対策が必要であるが、11の事業については大変参考になるものであった。

コメントは受付けていません。

瀬のぶひろTwitter
ブログバックナンバー
サイト管理者
立川市 瀬順弘
se_nobu@yahoo.co.jp