11月4日(水)~6日(金)、市議会文教委員会の行政視察へ行ってきました。各日の調査項目は以下の通りです。
11/4(水) 福岡県大牟田市 「中学校給食について」
11/5(木) 兵庫県伊丹市 「安全・安心見守りカメラの導入について」
11/6(金) 滋賀県大津市 「いじめ防止の取り組みについて」
3回に別けて視察内容をご報告します。
◆中学校給食について(福岡県大牟田市)
【概要】
大牟田市は人口約12万人、現在中学校は9校。保護者や議会からの完全給食実施の要望が以前よりあり、市長マニュフェストにも中学校給食実施が掲げられ、H23年の市総合計画・後期基本計画に食育の観点から中学校給食の実施に向けた検討を進めることが盛り込まれた。
その後、基礎調査報告書、中学校給食実施方針(案)が取りまとめられ、パブリックコメント・検討会議などを経て実施方針、中学校給食基本構想が策定された。
H25年より共同調理場建設に関する基本設計及び実施設計などが開始され、H26年には中学校お受入施設工事などが行われ、H27年4月から給食が開始された。
調理は共同調理場で2献立制で行われ、9校の生徒・職員等約2,870名分を提供している。運営については「給食調理業務」「配送業務」「配膳業務」をそれぞれ委託し、市職員は所長、主査、事務職員、栄養教諭の体制で行われている。
献立の原案を栄養教諭が考え、中学校の先生も含めた献立作成委員会で1か月の献立を決定、物資選定委員会で品質、味、価格などを検討し材料を選んでいる。材料は年間契約と月での契約があるため、選定委員会は毎月行われている。食材料が納品されると品質、鮮度、数量などのチェックを受けて調理され、学校へ配送される。
作業開始前には調理従事者及びその家族の健康観察と記録、月2回の腸内細菌検査、水道水の残留塩素濃度測定などが行われ、それぞれの作業者は下処理作業や肉・魚・卵作業などで、帽子・エプロン・靴の色でどの作業を担当しているのかわかるようになっている。受入、下処理、、調理、揚げ物、配食と、それぞれの段階で厳密なチェックが行われ安心安全な給食が各学校に届けられている。
[アレルギー対応について]
アレルギーへの対応としては、(1)対応申請→(2)個人面談→(3)対応の検討→(4)実施決定→(5)個人面談→(6)除去食の実施、の手順となっており、代替食は準備しないこととなっている。アレルギー除去食は部屋で区画された専用室で指示書に基づいて調理され、正確に当該生徒へ届くよう、調理員・配膳員・本人が確認できるチェック表を使用している。現在アレルギー食の対象者は約20名とのこと。
[食育について]
中学校給食を通した食育については「食育だよりの発行」「給食指導資料を各校に配布」「給食センター見学通路の資料掲示」「給食センター見学時の栄養教諭講和」「給食センター研修室の調理コーナーでの子ども料理教室等の開催」などが行われている。
また、小学校1校を食育推進モデル校、中学校1校を早寝早起き朝ごはん運動推進モデル校を指定し、研究成果を市内各校に啓発・普及し、食育の推進を図っている。
【給食に関する意見】
中学校給食は今年度スタートしたところで、まだ全体的な意見・感想については集約していない。10月に行った2年生へのアンケートによると、給食をおいしいと答えた生徒は95%以上、量についてはちょうどよいと少ないがそれぞれ約40%であった。
また、センター見学・給食試食した方の意見として、「おいしかった」「衛生面を配慮した調理で安心」「栄養バランスを考えた献立がよい」「親の負担が軽くなった」などの声があったとのことである。
【質疑応答】
大牟田市担当者からの説明をいただいた後、質疑応答が行われ概ね以下のような質問があった。
●順調に運営されているのか?
→マニュアルなどは準備していたが、特に先生方の戸惑いが当初多かった。4月のスタート時点ではお昼前後にはセンターの電話が鳴りっぱなしの状況で、問い合わせや苦情が多く寄せられた。校長会でも意見をまとめてもらい随時対応していく中で、5月の連休明けにはほとんど苦情がくることはなくなった。
●給食実施は理解いただけたのか?
→近隣にはかなり配慮して運営しており、苦情などはない。一般的にセンター方式は「おいしくない」「つめたい」「顔が見えない」などの不安があるが、大牟田市では給食導入に向けて自校式・親子式・センター式と、基礎調査をしっかりと行い、丁寧に方針を決め実施してきたので市民の理解をいただけたと思う。
●財源確保は?
→大変苦労があったが一番大きかったのは過疎対策事業債、学校施設環境改善交付金など(総事業費約14億円、過疎対策事業債約11億円、学校施設環境改善交付金約2億円)。自校式で実施している小学校給食の調理をH24年から委託し、削減された経費も中学校給食センターへ充当。資材高騰などの影響もあり、太陽光パネルや雨水利用設備なども当初の計画には入っていたが建設段階でなしとなった。
【所感】
保護者からの意見は大きく、ライフスタイルの変化に応じて中学校給食のニーズはかなり高まっており、親子のふれあいなど弁当持参を望む声も一部あったが、丁寧に聞きながらも食育の観点で説明することで多くの理解をいただくことができたとのこと。
この夏の市長選において清水市長は公約の1つに中学校完全給食と共同調理場新設を掲げており、現在の弁当併用外注給食の喫食率低下を考えると、まさに食育と子どもたちの成長を考えた時大きな課題であり、今回の大牟田市での検討プロセスや調査事項などは立川市においても大変参考となるものであった。



